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72話
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イライザは目を逸らす様に俯いたかと思うと黙り込んだ。陛下はお構い無しに、
「調べたら、これは媚薬だった。まぁ、これが私に飲ませたモノで間違いないだろうな」
と言うと、イライザはキッと陛下を睨んで、
「スティーブ・コンラッドに飲ませた事は認めますわ!!だから何なのです?陛下には関係のない事です!」
と開き直った。
「言ってなかったな。スティーブ・コンラッドは私だ。王太子として出向くのには少々問題があったのでな。ちょっとした仮装だと思えば納得するか?お前達には不快に思われていた様だが」
と平然と言う陛下にイライザもマギーも口をワナワナと震わせた。
「まさか……そんな……」
と二人が声を揃えるが、ジョアンナは、
「えー?なら、イライザは結局殿下に媚薬を飲ませたって事じゃない。あーあ。イライザも馬鹿ね。あの時、クレアじゃなくて自分の身を捧げていれば、今頃隣にいたのはイライザだったかもしれなかったのに」
と思った事を全て口に出した。
「え?あ?そうなの??だからクレアを???」
と言うイライザに、
「あの時、媚薬が原因で死ぬことになっていたとしてもお前は抱かん。私にも選ぶ権利はあるのでな」
と陛下は顔をしかめた。
「なんですって?ではクレアだから良かったとでも?」
「そうだ。クレアだから私は抱いたんだ。他の誰でもない、クレアだからだ。クレアはお前達と違って打算で動く女ではない。あの時、私を助けたい一心だった。そんな彼女だから私は惹かれたのだ」
と陛下は私を見てにっこりと笑った。無表情からの笑顔。これは流石にときめいてしまう。
それはイライザも同じだった様で「ウッ」と唸ったかと思うと頬を紅く染めていた。
「陛下!陛下に媚薬を盛るなど……なんとも恐ろしい事!私は全く知らなかった事でございます。イライザは既に成人した立派な大人です。自分の罪は自分の罪として認める、甘んじて罰を受けるはず。しかし、私は全く関係ありません」
とマギーは牢の鉄格子を握りしめ、陛下へと訴えた。
切り捨てられたイライザはワナワナと震えている。
すると、ジョアンナまで鉄格子に近づいて、こう言った。
「イライザが媚薬を買った怪しい商人を紹介したのは母です。母は違法な薬を売っていると知っていて敢えて教えたんです。それって同罪じゃありません?でも、私は本当に全く関係ないんです」
「ジョアンナ!!なんてことを言うの!!」
とマギーが叫べば、
「ジョアンナ!あんたは私が媚薬を使うのを止めなかったじゃない!!いや、あんただって面白がっていたでしょう?!
それに、あの夜だって廊下の見張りを喜々としてやってたじゃない?あんたも同罪よ!」
とイライザはジョアンナを鉄格子から引っ剥がすとジョアンナの頬を打った。
「痛いじゃない!何するのよ!!」
「二人ともいい加減になさい!あの夜会で貴女達が何を企んでいたかなんて、私は全く知らなかったし、商人を紹介したのだって、陛下に使う媚薬だなんて思いもしませんでしたよ!!」
三人が三人とも罪を擦り合っている。……なんて見苦しい……。
「調べたら、これは媚薬だった。まぁ、これが私に飲ませたモノで間違いないだろうな」
と言うと、イライザはキッと陛下を睨んで、
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と開き直った。
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と言うイライザに、
「あの時、媚薬が原因で死ぬことになっていたとしてもお前は抱かん。私にも選ぶ権利はあるのでな」
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「そうだ。クレアだから私は抱いたんだ。他の誰でもない、クレアだからだ。クレアはお前達と違って打算で動く女ではない。あの時、私を助けたい一心だった。そんな彼女だから私は惹かれたのだ」
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「陛下!陛下に媚薬を盛るなど……なんとも恐ろしい事!私は全く知らなかった事でございます。イライザは既に成人した立派な大人です。自分の罪は自分の罪として認める、甘んじて罰を受けるはず。しかし、私は全く関係ありません」
とマギーは牢の鉄格子を握りしめ、陛下へと訴えた。
切り捨てられたイライザはワナワナと震えている。
すると、ジョアンナまで鉄格子に近づいて、こう言った。
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「二人ともいい加減になさい!あの夜会で貴女達が何を企んでいたかなんて、私は全く知らなかったし、商人を紹介したのだって、陛下に使う媚薬だなんて思いもしませんでしたよ!!」
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