12 / 189
第12話
しおりを挟む
「わかりました!!私はディーン様と閨はせず、表向きの公爵夫人としての勤めだけ果たせば良いと、そういうことですね!!?」
と私は少し反抗的にそう言い返した。
「ご主人様と呼べと言えと言っただろ?!もう忘れたのか?君は馬鹿か?!」
「ばっ……。馬鹿ではありません!もちろん覚えておりますとも。しかし、ご主人様とは…。私は使用人では御座いません。名前で呼ばれるのが嫌なら、せめて旦那様と」
「…旦那様と君に呼ばれたくない。では、外では名前で良いが、屋敷の中では『公爵様』と呼ぶんだ。例外はなしだ。はぁ……もう出ていってくれ。君と話すのは疲れる」
とこの男は頭を抱えた。
『女嫌いの男好き』そんな噂も強ち大袈裟な嘘ではないのかもしれない。この男、女性を舐めてる。所謂『男尊女卑』思想の男だ。
「……わかりました。それでは失礼いたします。公爵様!」
と私は会釈して執務室を出るべく、扉の方へ向かう。
扉のノブに手を掛けた、その時、
「……ちょっと待て。さっき君はうちの親戚筋の家名をスラスラと答えたな。しかも家族構成まで。どうしてだ?」
と静かに尋ねられた。
「今日、執事のギルバートからこの家の歴史が書かれた本を渡されました。目を通すようにと」
「あれか。しかし……結構な量な筈だが?今日初めて読んだのだろう?」
「昔から、1度目にした物は忘れないんです」
「ほう……。確か学園には通っていなかった筈だが?」
「学園には通っておりませんが、マナー講師が付いていましたし、勉学は兄に教えて貰いました」
「ふむ……。確かに君の兄上は優秀で、特待生だったと聞いた」
「はい。しかし、優秀なのは兄で私ではありません。それと……差し出がましい様ですが、その机の上の書類の2行目。綴りが間違えているようです」
と私は答えると、扉を開けて部屋を出た。
こんな男と同じ空間にもう1秒も居たくない。
「もう!なんなのアレは!!」
と部屋に戻った私は、自分の枕を思いっきり殴った。
確かに些か口を出し過ぎたかもしれないが、急に『白い結婚』と言われて、動揺してしまった。それを誤魔化す為でもあったかもしれない。
……別にあの男に抱かれたい訳ではないが、自分の役割として覚悟(……怖いな、とは思っていたし、あの男との閨を想像すら出来なかったけど!)を持って嫁いできたつもりだった。
なのに……『お飾り』の公爵夫人になれなどと言われるとは思っていなかった。
女として……とてもプライドが傷付いた事も事実だ。
と私は少し反抗的にそう言い返した。
「ご主人様と呼べと言えと言っただろ?!もう忘れたのか?君は馬鹿か?!」
「ばっ……。馬鹿ではありません!もちろん覚えておりますとも。しかし、ご主人様とは…。私は使用人では御座いません。名前で呼ばれるのが嫌なら、せめて旦那様と」
「…旦那様と君に呼ばれたくない。では、外では名前で良いが、屋敷の中では『公爵様』と呼ぶんだ。例外はなしだ。はぁ……もう出ていってくれ。君と話すのは疲れる」
とこの男は頭を抱えた。
『女嫌いの男好き』そんな噂も強ち大袈裟な嘘ではないのかもしれない。この男、女性を舐めてる。所謂『男尊女卑』思想の男だ。
「……わかりました。それでは失礼いたします。公爵様!」
と私は会釈して執務室を出るべく、扉の方へ向かう。
扉のノブに手を掛けた、その時、
「……ちょっと待て。さっき君はうちの親戚筋の家名をスラスラと答えたな。しかも家族構成まで。どうしてだ?」
と静かに尋ねられた。
「今日、執事のギルバートからこの家の歴史が書かれた本を渡されました。目を通すようにと」
「あれか。しかし……結構な量な筈だが?今日初めて読んだのだろう?」
「昔から、1度目にした物は忘れないんです」
「ほう……。確か学園には通っていなかった筈だが?」
「学園には通っておりませんが、マナー講師が付いていましたし、勉学は兄に教えて貰いました」
「ふむ……。確かに君の兄上は優秀で、特待生だったと聞いた」
「はい。しかし、優秀なのは兄で私ではありません。それと……差し出がましい様ですが、その机の上の書類の2行目。綴りが間違えているようです」
と私は答えると、扉を開けて部屋を出た。
こんな男と同じ空間にもう1秒も居たくない。
「もう!なんなのアレは!!」
と部屋に戻った私は、自分の枕を思いっきり殴った。
確かに些か口を出し過ぎたかもしれないが、急に『白い結婚』と言われて、動揺してしまった。それを誤魔化す為でもあったかもしれない。
……別にあの男に抱かれたい訳ではないが、自分の役割として覚悟(……怖いな、とは思っていたし、あの男との閨を想像すら出来なかったけど!)を持って嫁いできたつもりだった。
なのに……『お飾り』の公爵夫人になれなどと言われるとは思っていなかった。
女として……とてもプライドが傷付いた事も事実だ。
356
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
私、女王にならなくてもいいの?
gacchi(がっち)
恋愛
他国との戦争が続く中、女王になるために頑張っていたシルヴィア。16歳になる直前に父親である国王に告げられます。「お前の結婚相手が決まったよ。」「王配を決めたのですか?」「お前は女王にならないよ。」え?じゃあ、停戦のための政略結婚?え?どうしてあなたが結婚相手なの?5/9完結しました。ありがとうございました。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi(がっち)
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる