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第77話
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「テオ、少し話をしましょう」
私が執務室へ戻ってテオへ声をかけると、テオは神妙な顔をした。
「あの人……また何かやったんですね……」
と言うテオの顔は少しイラついている様だった。
母親への嫌悪感が強い様だ。困ったものだ。
私とテオは執務室の隣の簡易的な応接室で話をする事にした。
いつもの様に私がお茶を淹れる。テオもそんな私の姿に慣れてきた様だ。
「テオ、領地ではどんな生活だった?アイリスさんは贅沢を?」
私は単刀直入に尋ねる。
「うーん……。家は結構立派でしたよ。周りは『たかがパン屋なのに、どうしてこんな立派な家に?』って不思議がる人も居ましたが、そのせいで村八分……なんて事はありませんでした」
それはテオの作るパンが美味しかったからだろう。
売上が良ければ、周りもそんなものかと納得していた筈だ。
「そう。……他に気づいた事は?」
「着ている物は……普段は村の皆と変わらなかったと思います。着飾ったって出掛ける場所なんてなかったし。でも……公爵様が来るって日には高そうなワンピースを着てましたよ。
……笑えるのが、ステラ様に敵対心を持っていたせいで、そのワンピースの色が若い女性が選ぶ様な物ばかりだった事です。桃色や黄色、若草色のワンピースは自分を若く見せてくれる!って豪語してました。
ここに来た日の事覚えてますか?あれも貴方に対抗したからですよ。ワンピースの色を、いくら薄桃色にした所で、貴女の美しさには敵わないのに」
そう言うとテオは苦笑した。
なるほど。あの日アイリスさんがあの色のワンピースを着ていたのは、そんな理由が……。それは分かったが、最後の『貴女の美しさには敵わない』とは?私の聞き間違いかしら?
自分で言うのもアレだが、私の容姿は平凡で特徴もない。間違いなくアイリスさんの方が容姿的に優れている。
しかし、そこを突っ込んで尋ねる勇気は私にはない。
「確かに、彼女の着ていたワンピースは質の良いものだったわ。……公爵様はその……倹約家だったから、意外とアイリスさんには出し惜しみをする事はなかったんだな……と思った事を覚えているわ」
流石にはっきり『ケチ』とは言えなかった。
「え?でもあの人は『もう少しお金を出して貰わないとテオドールの物を買えないわ』と言ってました。
俺はどれぐらいお金を援助して貰っていたのか、具体的な数字は聞いていませんでしたから、意外と公爵って言っても金はないのかな……って思ってて。
この家に来て、あまりの豪華さにびっくりした程です」
この王都のタウンハウスは、領地の本宅よりは豪華な造りになっているが、他の公爵家や、侯爵家の邸宅に比べれば、若干地味な雰囲気だ。
良く言えば重厚感があるとも言える。
「テオ……物凄く尋ね難いんだけど……アイリスさんに借金があった事は知ってる?」
私が思い切って尋ねると、テオは驚いたような顔をした。
テオの表情の変化に気づく様になった自分を褒めてあげたい。
私が執務室へ戻ってテオへ声をかけると、テオは神妙な顔をした。
「あの人……また何かやったんですね……」
と言うテオの顔は少しイラついている様だった。
母親への嫌悪感が強い様だ。困ったものだ。
私とテオは執務室の隣の簡易的な応接室で話をする事にした。
いつもの様に私がお茶を淹れる。テオもそんな私の姿に慣れてきた様だ。
「テオ、領地ではどんな生活だった?アイリスさんは贅沢を?」
私は単刀直入に尋ねる。
「うーん……。家は結構立派でしたよ。周りは『たかがパン屋なのに、どうしてこんな立派な家に?』って不思議がる人も居ましたが、そのせいで村八分……なんて事はありませんでした」
それはテオの作るパンが美味しかったからだろう。
売上が良ければ、周りもそんなものかと納得していた筈だ。
「そう。……他に気づいた事は?」
「着ている物は……普段は村の皆と変わらなかったと思います。着飾ったって出掛ける場所なんてなかったし。でも……公爵様が来るって日には高そうなワンピースを着てましたよ。
……笑えるのが、ステラ様に敵対心を持っていたせいで、そのワンピースの色が若い女性が選ぶ様な物ばかりだった事です。桃色や黄色、若草色のワンピースは自分を若く見せてくれる!って豪語してました。
ここに来た日の事覚えてますか?あれも貴方に対抗したからですよ。ワンピースの色を、いくら薄桃色にした所で、貴女の美しさには敵わないのに」
そう言うとテオは苦笑した。
なるほど。あの日アイリスさんがあの色のワンピースを着ていたのは、そんな理由が……。それは分かったが、最後の『貴女の美しさには敵わない』とは?私の聞き間違いかしら?
自分で言うのもアレだが、私の容姿は平凡で特徴もない。間違いなくアイリスさんの方が容姿的に優れている。
しかし、そこを突っ込んで尋ねる勇気は私にはない。
「確かに、彼女の着ていたワンピースは質の良いものだったわ。……公爵様はその……倹約家だったから、意外とアイリスさんには出し惜しみをする事はなかったんだな……と思った事を覚えているわ」
流石にはっきり『ケチ』とは言えなかった。
「え?でもあの人は『もう少しお金を出して貰わないとテオドールの物を買えないわ』と言ってました。
俺はどれぐらいお金を援助して貰っていたのか、具体的な数字は聞いていませんでしたから、意外と公爵って言っても金はないのかな……って思ってて。
この家に来て、あまりの豪華さにびっくりした程です」
この王都のタウンハウスは、領地の本宅よりは豪華な造りになっているが、他の公爵家や、侯爵家の邸宅に比べれば、若干地味な雰囲気だ。
良く言えば重厚感があるとも言える。
「テオ……物凄く尋ね難いんだけど……アイリスさんに借金があった事は知ってる?」
私が思い切って尋ねると、テオは驚いたような顔をした。
テオの表情の変化に気づく様になった自分を褒めてあげたい。
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