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第188話
しおりを挟む流石に私の目の前で直接悪口を言う者はいないが、コソコソと陰で言う者はいた。
今回の夜会は私が居ない事で、あからさまだったのかもしれない。
「私しか夜会に参加していないからと、2人の仲が上手くいっていないだろうとか……その……」
テオはとても言い難そうだ。
「愛人にでもなりたいと言われた?」
と私が問えば、テオは目を丸くして、
「え?何でわかるの?」
と私に尋ねた。
「テオの顔に書いてあるわ」
と頬を突けばテオは私のその手を握って自分の頬にそっと当てた。
「歳の差ってそんなに重要な事かな?それとも、私がまだ未熟過ぎる?」
「テオはもう立派にオーネット公爵として務めを果たしてるわ。歳の差はどうやっても埋まらないけど、気にする人は気にするし、しない人はしない。年齢でその為人が決まる訳ではないのだけどね」
「私は必死なんだ。ステラに捨てられない様に」
「馬鹿ね。私がテオを捨てるわけないじゃない。そんな弱気な事を言わないの。貴方は父親になるのよ?」
私がそう言うと、テオはまだ全く膨らんでいない私のお腹に手を当てて、
「ステラが好き過ぎて、自信がなくなるんだ……」
とテオは少し寂しそうにそう言った。
今日のテオはいつもより、ヘタレだ。夜会で他にも何かあったようだ。
「どうしたの?」
「父と……君は結局お似合いだったって。お互い大切な存在であったと」
………陛下ね。何とも余計な事を。
陛下がディーン様を好きで、その上私を買ってくれている事は有り難いけど……。
「大切なパートナーであった事は事実よ。でもそれは仕事上の事。それ以上でもそれ以下でもないわ」
「私がここに来た当初……ステラは父を好きだったんだと、そう思っていた。私に何度も父を重ねていた事も。
だって私は……嬉しくないけど、父にそっくりだから。でも……それならチャンスがあるんじゃないかとも思った」
「チャンス?」
「だって……父に似てる私なら、ステラは好きになってくれるかもしれないって……」
「テオ……それは違うわ」
彼はずっと誤解していた様だ。子どもまで作っておいて……とは思うのだが、ここで笑えばテオは傷つくだろう。
少し手のかかる私の王子様はどうしたら機嫌を直してくれるのかしらね。
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