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出会い
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「す、すみません! 俺…私と結婚していただけませんか?」
街を歩いていると、突然、腕を掴まれ、振り向いた瞬間に男性のつむじが見えた。えっと…誰?
一瞬、呆然としてしまったが、掴まれた腕が痛い。
「あの…痛いです…」自分でも驚く程、低い声が出てしまった。
「あ、すみ…申し訳ありません。」パッと音がしそうなぐらいの早さで、男性は掴んでいる腕を離してくれた。
「いえ…」
私は、掴まれていた腕をさすりながら、男性を見る。
騎士?かしら。腰に剣を差し、騎士服を着ているみたい。
さっきまではつむじしか見えなかったが、今はしっかり顔が見えている。顔は、まぁ…整っていると言っても良いだろう。私の好みかどうかは別だけど。
金色の髪に翡翠色の瞳。身長は高く、小柄な私は随分と見上げなければいけない。
「あの、突然で申し訳ありません。私はレオナルド、レオナルド・ランバードと申します。近衛騎士をしております。」近衛騎士…エリートなのね。と、私は考える。王宮勤めの、貴族という事だ。
「はぁ…」
名前…名乗った方が良いのかしら?聞かれてはないけど…と、考えていると男性は
「ビックリさせて、申し訳ないと思っています。本当に突然、こんなことを初めて会った方にお願いするのは、非常識な事は重々承知しています。ただ、私を助けると思って、このお願いを聞いていただけないでしょうか?」
そう早口でその男性…ランバード様は言い切ると、もう1度頭を下げた。
「お願い…先程結婚して欲しいと聞こえましたが、私の聞き間違えでしょうか?」
「いえ、聞き間違いではございません。結婚で、合ってます!」
今度はすがるような目で私を見ている。
「すみませんが、お話がよくみえません。先程、ランバード様がおっしゃった様に、私達は初対面で間違いないと思いますが、何故、私に?お話どころか、お会いした事もないのに?結婚…ですか?どなたかとお間違えになっているわけでは、ないのですよね?」
私は、つい疑問に思う事を全部、口にしてしまった。無視した方が良かったかしら。
「貴女の疑問は、もっともです。もちろん、理由もありますが…今は言えません。理由も言わず結婚なんて、馬鹿にしていると思われても仕方ありませんが、今はこれしか言えません。納得できないのはわかりますので、なんなら契約結婚でも構いません。私の事を愛してもらわなくても、大丈夫です。私を助けると思って、私と結婚してください。」
再度、頭を下げるランバード様を見つめる事しか出来ない…。
訳がわからなすぎて、すっかり黙ってしまった私に「はぁ…やっぱり駄目ですよね。そりゃそうだ…」
と少し悲しそうに笑うランバード様。
「本当に申し訳ありません。突然呼び止めた挙げ句、こんな無茶なお願い。呆れて、物も言えないでしょう…今の話は忘れて下さい。それでは、失礼します。」
そう言ってランバード様は頭を下げた。
私、さっきからこの方のつむじばかり見てる気がするわ…。
そして、ランバード様は背を向けて歩き出した。
がっかりしたのか、肩を落として歩く背中が少しずつ遠ざかっていく。
その背中を見ながら、私は咄嗟に、
「いいですよ!お願い、聞いてあげても!」と気がつけば大声で声を掛けていた。
街を歩いていると、突然、腕を掴まれ、振り向いた瞬間に男性のつむじが見えた。えっと…誰?
一瞬、呆然としてしまったが、掴まれた腕が痛い。
「あの…痛いです…」自分でも驚く程、低い声が出てしまった。
「あ、すみ…申し訳ありません。」パッと音がしそうなぐらいの早さで、男性は掴んでいる腕を離してくれた。
「いえ…」
私は、掴まれていた腕をさすりながら、男性を見る。
騎士?かしら。腰に剣を差し、騎士服を着ているみたい。
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「はぁ…」
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「ビックリさせて、申し訳ないと思っています。本当に突然、こんなことを初めて会った方にお願いするのは、非常識な事は重々承知しています。ただ、私を助けると思って、このお願いを聞いていただけないでしょうか?」
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「お願い…先程結婚して欲しいと聞こえましたが、私の聞き間違えでしょうか?」
「いえ、聞き間違いではございません。結婚で、合ってます!」
今度はすがるような目で私を見ている。
「すみませんが、お話がよくみえません。先程、ランバード様がおっしゃった様に、私達は初対面で間違いないと思いますが、何故、私に?お話どころか、お会いした事もないのに?結婚…ですか?どなたかとお間違えになっているわけでは、ないのですよね?」
私は、つい疑問に思う事を全部、口にしてしまった。無視した方が良かったかしら。
「貴女の疑問は、もっともです。もちろん、理由もありますが…今は言えません。理由も言わず結婚なんて、馬鹿にしていると思われても仕方ありませんが、今はこれしか言えません。納得できないのはわかりますので、なんなら契約結婚でも構いません。私の事を愛してもらわなくても、大丈夫です。私を助けると思って、私と結婚してください。」
再度、頭を下げるランバード様を見つめる事しか出来ない…。
訳がわからなすぎて、すっかり黙ってしまった私に「はぁ…やっぱり駄目ですよね。そりゃそうだ…」
と少し悲しそうに笑うランバード様。
「本当に申し訳ありません。突然呼び止めた挙げ句、こんな無茶なお願い。呆れて、物も言えないでしょう…今の話は忘れて下さい。それでは、失礼します。」
そう言ってランバード様は頭を下げた。
私、さっきからこの方のつむじばかり見てる気がするわ…。
そして、ランバード様は背を向けて歩き出した。
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