47 / 97
対決
しおりを挟む
私達が休んでいると、銀髪の男性が歩いてきた。
「初めまして。レオナルドの同僚で近衛騎士団のサイモン・ロイドです。」
私も慌てて立ち上がり、挨拶する。
「こいつは、俺と一緒に王太子殿下の護衛をしてるんだ。ロイド侯爵家の三男だ」
「初めまして。レベッカ・ランバードです。主人がお世話になっております」
「いやーお美しい奥さんだな。
レオナルド、いつこんな美人と知り合ったんだ?」
「細かい事はいいだろ。
それより、どうした?
今日は非番だろ?なんで、制服を?」
「ああ。実は、色々あってな。急遽仕事になったんだよ。
で、王太子殿下がお前に少し話があるようだよ」
「そうなのか?今からか?」
「そうだ。
すみません。ちょっと、レオナルドを借りて行きます」
申し訳なさそうに、ロイド様が私に告げる。
「どうぞ。私の事はお気になさらずに。
レオ様、私、少しパウダールームへ行ってまいりますわ」
「レベッカ、1人は危ないよ。俺が一緒に行こう」
「廊下には護衛の方もいらっしゃいますし、大丈夫です。
それより、早く王太子殿下の元へ行って下さい」
「本当に大丈夫か?」
「はい。戻ったら、またここで休憩しておきますね」
「そうか。なるべくすぐに戻る。気をつけて」
「はい。では、ロイド様、失礼いたします」
そう言って、私はレオ様と別れ、パウダールームに向かう。
パウダールームは、ホールから然程離れておらず、廊下に出てもホールの音楽がうっすらと聴こえてくる。
私は手早く化粧を直し、パウダールームを後にした。
ホールへ向かう途中、前からとても派手な真っ赤なドレスの女性が歩いてくる。
綺麗な顔だけど、どこかキツそうな印象だ。気が強そう。
その方とすれ違おうとしたその時、急に、その派手美人から声を掛けられる。
「ちょっと。貴女がレオナルドの結婚相手?」
なんだか、高飛車な感じが鼻につく。
「はい。私がレオナルド・ランバードの妻ですが…失礼ですが貴女は?」
「ふぅ。私の事も知らないの?呆れた。
貴女、コッカス伯爵令嬢だったんですってね?夜会でも殆んど見た事ないのに、どうやってレオナルドを誑かしたの?」
…知らないから名前を聞いてるのに…答える気はないのかしら?
知らない私が悪いって事?
「無知で、申し訳ありません。
私は社交界に疎いものですから。
で、どちら様でしょう?」
「私はソフィア・ガンダルフよ。
流石、田舎令嬢ね。
私の事も知らないなんて」
「ああ、ガンダルフ侯爵令嬢様でいらっしゃったのですね。お噂はかねがね」
おっと、つい本音が。
「まぁ、私は有名だもの。貴女みたいな田舎者でも知ってるはずよね」
…まぁ、ある意味有名ですし。
レオ様と結婚したんですもん。色々聞いてるって思ってもらって結構ですけど?
「レオナルドも貴女みたいな、垢抜けない女のどこが良かったのかしら?
しかも結婚前に、妊娠するなんて。
貞操観念もないの?田舎者は自由なのね」
…扇子で口元を隠してらっしゃるけど、きっと笑ってらっしゃるのね。私の事。
ちなみに、ソフィア様に貞操観念を語られたくないわ。
「そうですね!私も聞いてみたいです!
レオ様が私の何処を好きになってくれたのか。
そういえば、聞いた事はなかったので。
でも、人を好きになるのは、理屈じゃありませんものね。
私のような田舎者で、夜会に足しげく通わずとも、運命の人に出会えるようですわ」
…あなたには、まだいないようですけどね…なんて心の中で舌を出す。
「ふん。ただレオナルドに見る目がないだけじゃない」
「じゃあ、見る目のなかった、レオ様に感謝ですわ。
あ、そういえば、ガンダルフ侯爵令嬢様は、今日はどなたとご参加に?」
単なる興味ですけど
「…別に誰でもいいじゃない。貴女には関係ないわ」
「確かに!関係ありませんですわね。
失礼いたしました。婚約者の方が居ると聞いた事がなかったものですから、出過ぎた真似を」
…悪いとは思ってませんけどね。
「何よ。それって、私を馬鹿にしてるわけ?」
「とんでも御座いません。
ガンダルフ侯爵令嬢様程お綺麗なら、よりどりみどりでは御座いません事?
そんな方を馬鹿にするなんて、そんな事あるはずありませんわ」
…本当は馬鹿にしてますけど。
「貴女、言い方が嫌味ったらしいのよ。本当にこんな女を選ぶなんて、ランバード家の品位を疑うわ」
…さっきから、貴女の話し方も侯爵令嬢とは思えませんけどね。
貴女の言う品位って、何かしら?
でも、私の言う事が嫌味って事はわかってるのね。
「申し訳ありません。
そんなつもりはなかったんですのよ?
今後気をつけます。
ランバード家の嫁として」
「本当に癪に障る女ね。貴女みたいな女、モテないわよ?」
「?今更、たくさんの殿方に好意を持っていただきたいなんて、思っておりませんし。
私は、レオ様にだけ愛されてれば、幸せですので。
女の幸せって、そういうものではありませんの?
自分の愛する方から愛される事が幸せなのだと思ってましたわ。
恋愛小説なんかでも、1人の殿方に愛され、慈しまれるお話が人気ですもの。
王都では、違うのかしら?
田舎者にはわかりませんわ。
ガンダルフ侯爵令嬢様に今度教えていただきませんとね。」
そう、私はニッコリした。
「ちょっと、いい加減にしなさいよ!」
怒りに満ちた美人って、迫力あるなぁ~って思っていた所に、ソフィア様が手を振り上げたのが見えた。
あ、ぶたれちゃう?って思って目を瞑るも、衝撃はやってこない。
目を恐る恐る開けると、廊下にいた護衛の方に振り上げた手を掴まれているソフィア様が見えた。
「失礼ね!手を離しなさい!」
「王宮で、暴力沙汰とは。
不敬に当たりますよ?
手荒な真似はしたくありませんので、そのご婦人から離れて下さい。
ガンダルフ侯爵の元へお送りします」
「!わかったわよ!だから、手を離して!」
そうやって、私達が揉めていると、レオ様が走って向かって来る
「レベッカ!大丈夫か?!」
私に駆け寄って抱き締めると、ソフィア様から、距離を取る。
「はい。私は大丈夫です」
「ソフィア嬢!うちの妻に何をするんだ!」
「別にまだ何もしてないわよ!」
…確かに、ギリ殴られてませんね。
「ガンダルフ侯爵令嬢がランバード夫人に手をあげようとしておりましたので、拘束させていただきました。
まだ、未遂ですが、いかがいたしますか?」
そう護衛の方がレオ様に聞く。
私は
「レオ様、私は危害を加えられておりません。護衛の方も、ありがとうございました。あまり大事にしたくありませんので、このまま私達は帰りませんか?」
「レベッカ。それで良いのか?」
「はい、構いません。ガンダルフ侯爵令嬢様も、虫の居所が悪かっただけですわ。
八つ当たりしたくなる気持ちもわからなくはありませんので。」
ギリギリ、ソフィア様にも聞こえる声で言う。
私はあくまでもレオ様に話しかけてるだけですけど。
「!本当に、嫌な女ね!」
「ガンダルフ侯爵令嬢。
これ以上騒ぎを大きくするなら、陛下にも報告させていただきます。
此処が王宮である事をお忘れなく」
護衛の方がピシャッと言ってくれた。
ふふ。悔しそうですね。ソフィア様。
「では、我々はこのまま失礼しよう。ソフィア嬢、今日はレベッカに免じて許しておくが、2度目はないと思ってくれ」
そうレオ様は言うと、護衛の方にお礼を言って、私の肩を抱いたまま、王宮を後にした
「初めまして。レオナルドの同僚で近衛騎士団のサイモン・ロイドです。」
私も慌てて立ち上がり、挨拶する。
「こいつは、俺と一緒に王太子殿下の護衛をしてるんだ。ロイド侯爵家の三男だ」
「初めまして。レベッカ・ランバードです。主人がお世話になっております」
「いやーお美しい奥さんだな。
レオナルド、いつこんな美人と知り合ったんだ?」
「細かい事はいいだろ。
それより、どうした?
今日は非番だろ?なんで、制服を?」
「ああ。実は、色々あってな。急遽仕事になったんだよ。
で、王太子殿下がお前に少し話があるようだよ」
「そうなのか?今からか?」
「そうだ。
すみません。ちょっと、レオナルドを借りて行きます」
申し訳なさそうに、ロイド様が私に告げる。
「どうぞ。私の事はお気になさらずに。
レオ様、私、少しパウダールームへ行ってまいりますわ」
「レベッカ、1人は危ないよ。俺が一緒に行こう」
「廊下には護衛の方もいらっしゃいますし、大丈夫です。
それより、早く王太子殿下の元へ行って下さい」
「本当に大丈夫か?」
「はい。戻ったら、またここで休憩しておきますね」
「そうか。なるべくすぐに戻る。気をつけて」
「はい。では、ロイド様、失礼いたします」
そう言って、私はレオ様と別れ、パウダールームに向かう。
パウダールームは、ホールから然程離れておらず、廊下に出てもホールの音楽がうっすらと聴こえてくる。
私は手早く化粧を直し、パウダールームを後にした。
ホールへ向かう途中、前からとても派手な真っ赤なドレスの女性が歩いてくる。
綺麗な顔だけど、どこかキツそうな印象だ。気が強そう。
その方とすれ違おうとしたその時、急に、その派手美人から声を掛けられる。
「ちょっと。貴女がレオナルドの結婚相手?」
なんだか、高飛車な感じが鼻につく。
「はい。私がレオナルド・ランバードの妻ですが…失礼ですが貴女は?」
「ふぅ。私の事も知らないの?呆れた。
貴女、コッカス伯爵令嬢だったんですってね?夜会でも殆んど見た事ないのに、どうやってレオナルドを誑かしたの?」
…知らないから名前を聞いてるのに…答える気はないのかしら?
知らない私が悪いって事?
「無知で、申し訳ありません。
私は社交界に疎いものですから。
で、どちら様でしょう?」
「私はソフィア・ガンダルフよ。
流石、田舎令嬢ね。
私の事も知らないなんて」
「ああ、ガンダルフ侯爵令嬢様でいらっしゃったのですね。お噂はかねがね」
おっと、つい本音が。
「まぁ、私は有名だもの。貴女みたいな田舎者でも知ってるはずよね」
…まぁ、ある意味有名ですし。
レオ様と結婚したんですもん。色々聞いてるって思ってもらって結構ですけど?
「レオナルドも貴女みたいな、垢抜けない女のどこが良かったのかしら?
しかも結婚前に、妊娠するなんて。
貞操観念もないの?田舎者は自由なのね」
…扇子で口元を隠してらっしゃるけど、きっと笑ってらっしゃるのね。私の事。
ちなみに、ソフィア様に貞操観念を語られたくないわ。
「そうですね!私も聞いてみたいです!
レオ様が私の何処を好きになってくれたのか。
そういえば、聞いた事はなかったので。
でも、人を好きになるのは、理屈じゃありませんものね。
私のような田舎者で、夜会に足しげく通わずとも、運命の人に出会えるようですわ」
…あなたには、まだいないようですけどね…なんて心の中で舌を出す。
「ふん。ただレオナルドに見る目がないだけじゃない」
「じゃあ、見る目のなかった、レオ様に感謝ですわ。
あ、そういえば、ガンダルフ侯爵令嬢様は、今日はどなたとご参加に?」
単なる興味ですけど
「…別に誰でもいいじゃない。貴女には関係ないわ」
「確かに!関係ありませんですわね。
失礼いたしました。婚約者の方が居ると聞いた事がなかったものですから、出過ぎた真似を」
…悪いとは思ってませんけどね。
「何よ。それって、私を馬鹿にしてるわけ?」
「とんでも御座いません。
ガンダルフ侯爵令嬢様程お綺麗なら、よりどりみどりでは御座いません事?
そんな方を馬鹿にするなんて、そんな事あるはずありませんわ」
…本当は馬鹿にしてますけど。
「貴女、言い方が嫌味ったらしいのよ。本当にこんな女を選ぶなんて、ランバード家の品位を疑うわ」
…さっきから、貴女の話し方も侯爵令嬢とは思えませんけどね。
貴女の言う品位って、何かしら?
でも、私の言う事が嫌味って事はわかってるのね。
「申し訳ありません。
そんなつもりはなかったんですのよ?
今後気をつけます。
ランバード家の嫁として」
「本当に癪に障る女ね。貴女みたいな女、モテないわよ?」
「?今更、たくさんの殿方に好意を持っていただきたいなんて、思っておりませんし。
私は、レオ様にだけ愛されてれば、幸せですので。
女の幸せって、そういうものではありませんの?
自分の愛する方から愛される事が幸せなのだと思ってましたわ。
恋愛小説なんかでも、1人の殿方に愛され、慈しまれるお話が人気ですもの。
王都では、違うのかしら?
田舎者にはわかりませんわ。
ガンダルフ侯爵令嬢様に今度教えていただきませんとね。」
そう、私はニッコリした。
「ちょっと、いい加減にしなさいよ!」
怒りに満ちた美人って、迫力あるなぁ~って思っていた所に、ソフィア様が手を振り上げたのが見えた。
あ、ぶたれちゃう?って思って目を瞑るも、衝撃はやってこない。
目を恐る恐る開けると、廊下にいた護衛の方に振り上げた手を掴まれているソフィア様が見えた。
「失礼ね!手を離しなさい!」
「王宮で、暴力沙汰とは。
不敬に当たりますよ?
手荒な真似はしたくありませんので、そのご婦人から離れて下さい。
ガンダルフ侯爵の元へお送りします」
「!わかったわよ!だから、手を離して!」
そうやって、私達が揉めていると、レオ様が走って向かって来る
「レベッカ!大丈夫か?!」
私に駆け寄って抱き締めると、ソフィア様から、距離を取る。
「はい。私は大丈夫です」
「ソフィア嬢!うちの妻に何をするんだ!」
「別にまだ何もしてないわよ!」
…確かに、ギリ殴られてませんね。
「ガンダルフ侯爵令嬢がランバード夫人に手をあげようとしておりましたので、拘束させていただきました。
まだ、未遂ですが、いかがいたしますか?」
そう護衛の方がレオ様に聞く。
私は
「レオ様、私は危害を加えられておりません。護衛の方も、ありがとうございました。あまり大事にしたくありませんので、このまま私達は帰りませんか?」
「レベッカ。それで良いのか?」
「はい、構いません。ガンダルフ侯爵令嬢様も、虫の居所が悪かっただけですわ。
八つ当たりしたくなる気持ちもわからなくはありませんので。」
ギリギリ、ソフィア様にも聞こえる声で言う。
私はあくまでもレオ様に話しかけてるだけですけど。
「!本当に、嫌な女ね!」
「ガンダルフ侯爵令嬢。
これ以上騒ぎを大きくするなら、陛下にも報告させていただきます。
此処が王宮である事をお忘れなく」
護衛の方がピシャッと言ってくれた。
ふふ。悔しそうですね。ソフィア様。
「では、我々はこのまま失礼しよう。ソフィア嬢、今日はレベッカに免じて許しておくが、2度目はないと思ってくれ」
そうレオ様は言うと、護衛の方にお礼を言って、私の肩を抱いたまま、王宮を後にした
69
あなたにおすすめの小説
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
白い結婚の行方
宵森みなと
恋愛
「この結婚は、形式だけ。三年経ったら、離縁して養子縁組みをして欲しい。」
そう告げられたのは、まだ十二歳だった。
名門マイラス侯爵家の跡取りと、書面上だけの「夫婦」になるという取り決め。
愛もなく、未来も誓わず、ただ家と家の都合で交わされた契約だが、彼女にも目的はあった。
この白い結婚の意味を誰より彼女は、知っていた。自らの運命をどう選択するのか、彼女自身に委ねられていた。
冷静で、理知的で、どこか人を寄せつけない彼女。
誰もが「大人びている」と評した少女の胸の奥には、小さな祈りが宿っていた。
結婚に興味などなかったはずの青年も、少女との出会いと別れ、後悔を経て、再び運命を掴もうと足掻く。
これは、名ばかりの「夫婦」から始まった二人の物語。
偽りの契りが、やがて確かな絆へと変わるまで。
交差する記憶、巻き戻る時間、二度目の選択――。
真実の愛とは何かを、問いかける静かなる運命の物語。
──三年後、彼女の選択は、彼らは本当に“夫婦”になれるのだろうか?
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる