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通じ合う心 sideレオ
しおりを挟む俺が病院で目を覚ました時、レベッカの小さな声が聞こえた。
「………レオ様。早く目を覚まして下さいね。
私、レオ様に報告したい事があるんです。みんな、レオ様が目を覚ますのをお待ちです。
レオ様。私…貴方が好きです。
誰よりも何よりも大切に思っています…だから、早くレオ様の声が聞きたい…』
……幻聴かな?自分の都合の良いように聞こえてる?
今、レベッカが俺を好きだと…大切に思っていると聞こえた気がする。
確かめたくて声を出そうとするが、掠れた声しか出ない。
「………レベッ…カ?………今の…言葉は…本当?」
俺の声を聞いたレベッカはすぐに医者を呼びに行こうとするが、俺はそれを制止した。
さっきの言葉の真意を聞いておきたい。
俺がもう1度とせがむと、レベッカは恥ずかしそうに
「……レオ様。私はレオ様が好きです」
ともう1度俺の欲しい言葉をくれた。
やっと、レベッカの気持ちを手に入れる事が出来た喜びで、体の痛みを忘れそうになる。
しかし、抱き締めようと起き上がりたくても、なかなか力が入らない。
そういえば、滑落したんだっけな…だから体中痛いのか…。
その後、レベッカが告げた言葉はそれ以上の衝撃があった。
「…あの…赤ちゃんが出来ました…」
びっくりし過ぎて、思わず体を動かすも、痛みで上手くいかない。
赤ちゃん?俺とレベッカの?
このレベッカの小さな体に、俺の赤ちゃんがいると思うと、感動で胸が震える。
生きてて良かった。心からそう思った。
俺が父親になるなんて…レベッカに出会う前には想像もしていなかったな。
全てレベッカのお陰だ。
俺を父親にしてくれるレベッカに心から感謝していた。
その後の医師の診察にも問題は見られず、両親が顔を見に来た時には、顔色が悪く目を赤く腫らした母上の顔を見て、心配をかけてしまった事を申し訳なく思った。
家族が帰った後、俺の意識が戻った事を受けて、カルロス団長と、アレックス殿が病院へやって来た。襲撃の時の状況は部下からも聞いていると思うが、改めて俺にも聞きたいという事だった。
俺達は病室で、人払いをして話を始めた。
「じゃあ、俺達の馬車を襲った山賊を雇ったのは、ライナス・ワーグナーだという事か」
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「ああ、テイラー侯爵の元、色々と動いていたようだ。
元々テイラー侯爵がその時の財務大臣だった事もあり、懇意にしていたようだからな」
「だが、ワーグナーの不正が明らかになった時にはあっさり切り捨てただろ?」
「でも、裏では手を貸していたようだ」
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「お前が咄嗟に掴んでたコレがワーグナーの物だとわかったからな」
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「意識が遠退く前、何かが光っているように思ったんだ。咄嗟に掴んで正解だったな」
「ワーグナーも焦ってたんだろう。落とした事に気付いてなかったようだから」
「ワーグナーの尋問は?」
「もう修了したよ。観念したのかベラペラと喋ってくれた」
「ウガロ伯爵の方は?」
「あちらは口が固くてね。密輸の不法薬剤の中に自白剤が入っていたから、遠慮なく使わせてもらったよ」
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「ああ、アスガルド王国の馬鹿王太子だ。よっぽどうちと戦争がしたかったらしい」
本当に頭の痛くなる話だ。
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