とりあえず結婚してみますか?

初瀬 叶

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真相・その3【第3者目線】

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ララベルは正妃の子であったが、自分の姉であるマリアへの激しい劣等感に悩まされていた。
どんなに努力してもマリアには敵わない。その思いはいつしか耐え難い憎悪となっていった。
その心の隙をつかれたのだろう。
自分を認め、必要としてくれる弟のマークに次第に依存していったのだった。

マークの従順なお人形となったララベルは、マークの役に立ちたいと、デルタ王国への輿入れを決めたのだった。



しかし、婚姻を結ぶまでは王家の内部に入り込む事は難しく、情報を盗むのは困難を極めた。
ララベルは結婚式の1年前よりデルタ王国へ移住した。
ここで1年で王子妃教育を施す為であったが、ララベルはやっと、弟の役に立てると喜んだ。しかしそんな時、フィリップの立太子の話が、本格的に動き始めた。


フィリップは賢く、そして抜け目のない男だ。テイラー侯爵とその派閥の貴族達の不自然なまでの羽振りの良さを見逃す訳がなかった。

テイラー侯爵は焦った。
このフィリップが王太子、そして国王になった暁には、自分達の罪が白日のもとに晒されるのではないかと恐怖を覚えるようになった。

この時すでにテイラー侯爵は麻薬中毒となっており、ウガロ伯爵が製造している薬欲しさにマークの傀儡に成り下がっていた。

そして、その麻薬はデルタ王国の王宮で働く者の中にも静かに広がっていった。

その者達も薬欲しさに、自分の主である国王を、そしてフィリップを裏切る事になる。
それが暗殺未遂事件後に影に摘発された裏切り者達であった。
そして、その者はテイラー侯爵に毒を渡し、自害を促した。



実は影が摘発しきれなかった者が近衛騎士の中に紛れ込んでいた。

視察の際、狭くなった山道は、山賊が好む場所であり、レオナルドを始めとした馬車についた護衛達はその場所を通る時、充分に警戒しており、山賊の襲撃には難なく対応出来たのだ。
しかし、山賊を捕縛し、取り逃がした数名を追って、更に山道へ入ったレオナルドをその裏切り者は追って行った。
そしてレオナルドは自分の部下に切られ、山の斜面から突き落とされる事となったのだった。

これがレオナルドが怪我をした襲撃事件の真相だった。
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