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事後処理 sideレオ
しおりを挟む「さて、今回の事件について、なんとか真相を突き止め、我が国の犯罪者にはそれ相応の罰を与えたが………後はアスガルドの出方次第だな」
「エリアル帝国には、アスガルド国王が?」
俺が殿下に問うと、
「いや、どうも第2王子が赴くらしいぞ」
「え?ザイン第2王子ですか?彼はまだ…」
「確か、そろそろ15歳になるぐらいか?」
「優秀とは聞いていましだが、流石に今回の問題は負担が大きいのでは?」
「国王は逃げたんだろ。どう転んでも自分では責任をとりたくないらしい」
「こちらは…」
「もちろん、私が出るさ。ここまで来て今更手を引く事は出来ないからな」
俺と殿下が話をしている所に、
「何故、ここに貴様がいるんだ?」
と、険しい顔のアレックス殿が執務室へ顔を出した。
「アレックス。テイラー侯爵領についての調査は進んでるか?」
「はい。領民の人口と領地面積はもちろん届け出と相違はございませんでしたが、税収については…まぁ、想像通りです。
まだまだ闇が深い」
「だろうな」
「…それより。ランバードが何故ここに居るのか、その理由を知りたいのですが?」
「…ほら…聞かれてるぞ、答えてやれよ」
殿下は答えを俺に丸投げした。
「入院中、大変お世話になりました。昨日、無事退院いたしまして。…その…報告が遅れて申し訳ない…」
「私への報告など、どうでも良い。
何故ここに居るのだ?さっさ邸へ戻れ。
怪我人にウロウロされても邪魔なだけだ」
相変わらず辛辣だ。
でも、俺だって今回の件に無関係なわけじゃない。少しは役に立ちたい。
「怪我の方はもうすっかり大丈夫です。足を引っ張るような事は致しません」
そういう俺の脇腹をアレックス殿はおもいっきり叩いた。
「イッ…痛っ」
切創のある部分だ。例え傷が塞がっていようとも、叩かれれば痛い。
「どこが大丈夫なんだ?これ以上ベッキーに心配をかけるな」
…俺の心配じゃなくて、レベッカの心配ね…まぁ、当たり前か。
「きちんとレベッカの許可は取っています。無理のない程度でなら、仕事は出来ます!」
「まぁまぁ、アレックス、その辺にしといてやれよ。今は猫の手も借りたいぐらい忙しいんだからさ」
と殿下が庇ってくれたが、
「猫の手の方がマシなのでは?」
と氷より冷たい言葉が返ってきた。
しかし、今はこんな俺の手でも借りたいぐらいなのは事実のようで…
「なら貴様にぴったりの仕事をさせてやろう。これだ」
と俺に向かって、ある資料を投げてよこす。それにザッと目を通すと…
「これは?!」
「まだ、確証はないが、この前捕らえた商人の顧客リストだ。証拠を集めろ。
貴様にピッタリだろ?
私はこれからスミス領の調査に出かけるからな」
そう言ってアレックス殿は執務室を出て行った。
俺はその顧客リストを穴が開くほど見つめていた。
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