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第15話

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「陛下。この前議会で側妃についての議題があがったそうですね」

突然ジュリエッタの話から側妃の話になり、陛下は少し驚いた顔をしながらも、

「あ…あぁ。うるさいのが一定数居てな」
と答えた。

…本当はもっと色々と言われている筈なのに、私を不快にさせないようにと考えてくれているのだろう…。

「そこで『お飾りの王妃の顔色を伺う必要などありませんよ』と言われたそうですね」

「は?!またセドリックが余計な事を…。
まぁ…そんな事を言われたような気もするが、忘れたな」

「陛下はそれに対して
『私はクロエの顔色を伺った覚えはないがな。そうか…私に側妃をと言う、お前も、そこのお前も、そちらのお前も…そう言うならばクロエ以上に私の妃に相応しいと思う者に心当たりがあると言うのか?
ならば私の前に連れて来い。いいか、クロエ以上の者だ。それが出来ないならば、永遠に口を閉じろ』
と言ったそうですね?」

「ん?ま、まぁな。あんまりにも自分の娘やら何やらを薦める者が多くてな。
私が渋っているのをクロエの顔色を伺っているからという馬鹿な考えを持つ者に対して言ったのだ。
私が側妃を持たない理由は…そんな事ではないからな。
それに、私はクロエの尻に敷かれていると思われている節があるし」

…知っていたのか…私がかかあ天下だと言う噂を。

「私は一部の貴族から、随分と嫌われておりますから。…でも、私、その話を聞いて…とても嬉しかったのです」

「クロエ以上に王妃としての覚悟がある者も、相応しい者も居ない。それは私の中では当然の事だ。
それに…私が側妃を渋っているのは……私はクロエが…」
と陛下は少し照れながら俯いた。

ここで言わなきゃ…陛下に私の気持ちを伝える時だ。

「陛下。陛下に側妃をと言う者達が多いのは、私がお飾りの王妃である事が原因です。
そこで…あの…陛下にお願いがございます」

「お願い?珍しいな、クロエが私に頼み事とは。何だ?」

「私は王妃…ではなく陛下の妻になりたいのです」
そう言った私の顔を不思議そうに見て、陛下は、

「??クロエは私の妻で間違いないが?」
と言う。

ごめんなさい。素直に言葉に出来ない、チキンな私を許して下さい。
今、心臓が口から飛び出しそうです…。

「私はラインハルト王国、国王の妻です。だから王妃と呼ばれているのです。
でも…私はこの国の王の貴方ではなく、『アレクセイ・ラインハルト』の妻として、貴方の隣に居たい。
貴方と…家族になりたいのです。許されるのならば…貴方との子どもが欲しい」

多分…今、私の顔は真っ赤だろう…。

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