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はじまりの街編
第二話 「交渉」
しおりを挟む「じゃあまずは...」
「冒険にでも行きますか...!」
俺がいるのは小高い丘で、始まりの場所。他にもスポーンポイントがあるらしいが俺はここを運良く引いたってわけだ。
ここは草原と森林に近いから、初心者が始めるにはうってつけのスポーンってわけだな。
「よし。いくか。」
俺の手持ちは「駆け出しの木の剣」と「クリムゾンギア」、「クリムゾンのアーティファクト」だ。
「よっしゃぁ~!」
丘を駆け下り草原へと向かう。
グァァァ!!
一角ホーン がこっちに気づき突撃してくる。
「グッ。クリムゾンギア!」
そう叫ぶと俺の手の中に光り輝く赤い歯車が現れる。
「いっけぇー!」
そう言ってギアを一角ホーンを殴る。すると、
グオォォォン
バサッ
一角ホーンは倒れ込み、光りの粒子になって空へ消えた。
ピロン♪
1レベル上がりました。
パワーポイントが3ポイント手に入りました。
「す、すげぇ。一発かよ...。」
通知音がなる。パワーポイントはレベルアップなどで手に入るポイントで、自分のステータスに振り分け、基礎ステータスを上げることができる。
例えば、魔力に振れば魔力が上がるし、攻撃力に振れば攻撃力が上がる。剣術に振れば剣の腕や剣で相手に入るダメージを増やすことだってできる。
「よっしゃ!レベルが上がった!!」
『ソウルギア!ソウルインパクト!』
そういった青年の手には青い、真っ青なギアがあった。
「俺以外にもギア使いがいるとは。」
『よう。お前もギア使いかよ。』
そう声をかけてきた彼の目は青い。
「おう。名前は?俺はユーマだ。よろしく!」
お互いに名乗りつつ握手を交わす。
『クレイだ。』
『ところでお前は、なんでエンシェント・ディザスターをしている?』
なんで?考えたこともなかったな。
「楽しみたいから?」
『ふん。しょうもねえな。』
そういう彼の顔はすましている。
「なにがしょうもないんだよ!?」
『お前はその力を持っていながら世界一のプレイヤーになろうと思わないのか?』
「ッ...!?」
『俺はこの世界のプレイヤー全員を力でねじ伏せる。世界一のプレイヤーに俺はなる。』
そう言って固く握りしめた拳からその決意が伝わってくるようだった。
「そうか。」
『お前も俺とこないか?その力で俺と世界一のプレイヤーになろうぜ...!』
「面白うそうじゃないか。その話、乗ったぜ!」
『交渉成立だな。』
握手を交わす横顔を赤く染まった夕日が照らしていた。
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