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どうしたらいいかわからなかったけど
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誰にでも人生の冬に当たる時期があるだろう
自分ではその時期にいることすらわからず
ただ真っ暗見えるその目先に絶望して
自分を、自分という存在を否定する
これを読んでいるあなたにも
そのような経験があるのでは?
私にはあった
中学校入学と同時に入部したバスケ部
入部理由好きな先輩がいたから
なんともバカらしい理由である
好きな先輩は3年生だったため
2ヶ月もしないうちに引退してしまった
そこからはただバスケが好きだったから
続ける理由にそれ以上もそれ以下もなかった
私は同学年の3人のなかで一番強かった
もちろん、試合にもたくさん出ていたし
シュートもたくさん決めていた
いつのまにか私が一番下になっていた
調子にのって手を抜いた訳じゃない
周りのみんなが私よりたくさん努力をして
たくさん涙を流した結果だ
試合に出ることも、シュートを決めることも
いつの間にか出来なくなっていた
今までできていたことが出来なくなる
いわゆるスランプと言うものの苦しさが
あなたに分かるだろうか
そこからはバスケというものが大嫌いだった
シュートもフェイクもドリブルもなにもかも
何度練習しても前みたいには出来なかった
羨ましかった
なにがって?
同学年の3人が
はじめから一番だった私は
あとは落ちるところまで落ちていくだけ
努力して技を磨いて強くなったとしても
「才能」
なんて言葉で片付けられてしまう
努力した量は流した涙の数は私もみんなも一緒なのに
それに比べてみんなは
出来なかった技が出来るようになると
試合に出ると
「すごいね!よく頑張った!」
「本当に努力家だねぇ~」
私とみんなの何が違うの
私が試合に出れなくなると
「なにあいつ、やる気なくなったの?」
「あいつももう終わりだな」
みんなは試合に出なくても
「大丈夫!次があるよ」
なんて優しい言葉をかけてもらえて
気付いたときにはバスケどころか
バスケ部のみんな
顧問の先生
応援してくれていた家族
そのすべてが嫌になっていた
ただ私には退部できない理由があった
バッシュ、ユニフォーム、ボール、部費など
バスケをするために必要なお金を
払ってもらっていたこと
総額10万はするだろう
私の家は貧乏だったため
共働きの両親が寝る間を惜しんで働いて
なんとか払いきっていた
親友からの期待
小学校からの親友は
陸上部に入っていたが
足の怪我によって止むを得ず退部
私が部活で活躍してくれているのが
唯一の自慢なんだ
と嬉しそうに話してくれた親友
その期待を裏切ることは
絶対にできない
退部できない理由は
プレッシャーに代わり
退部したい理由の1つになっていた
夏休みに入って
部活の練習は過酷さを増した
練習をしてるとき
「お前はもう必要ない」
そう言われてるような気がして
仲間と目が合うのがとてつもなく怖かった
話しかけられるのが怖くて
いつもビクビクしていた
そのころ顧問の先生にみんなの前で
怒られることが度々あった
「やる気あるの?」
「もういい、さがって」
耐えきれなくなった私は親友に退部したいと話した
何度も謝りながら
期待に添えなくてごめんと
何度も何度も謝った
親友はいつもより低い声で冷たくこう言った
「別に。悩んでほしくて期待してた訳じゃないし、
そこまで追い詰めちゃってごめんね」
電話は切れた
一瞬理解できなかった
風が吹いて寒さを感じたあと理解した
突き放されたのだと
家族にも退部について話したけれど
親友と同じように突き放されるだけだった
部活の帰り道同学年3人に話すことにした
みんなを羨んでいたこと、部活を退部したいこと、
退部できない理由があること、
瞳からは雫がこれでもかと溢れだしていた
3人は、目を合わせて頷いたあと
同時に口から同じ言葉を放った
「大丈夫、部活はやめても友達はやめないよ」
私にはこんなにいい友達がいるのに
何を悩んでいたんだろう
あぁ、そうか
部活を退部しなかったのは怖いからだったんだ
今まで一緒に歩んできた友達を失うのが
退部して悩みがなくなると同時に
なにもかもなくなってしまうのではないか
家族は私に失望するのではないかと怖かったんだ
その日から部活を退部したいと考えることは
なくなった
ある日部活終わりに呼び出された
強制退部を覚悟して顧問の元へ急いだ
「先生は期待してない人には怒らないから」
その言葉以外
なにも覚えていない
真っ暗だった目先に光が指した気がした
そのあと公園に行ってすぐにバスケの練習をした
シュートもフェイクもドリブルも
元通りに出来るようになっていた
次の試合にはスタメンとして試合に出れるようになっていた
仲間と目が合うたびに
「よくやった」
といわれているような気がして嬉しくなった
先生に怒られると
「よし!頑張るぞ!」
なんて余計に気合いが入っていた
後々聞いた話によると親友と家族は
優しく接すると私が本当に退部すると思い
冷たく突き放そうと
前々から話していたらしい
お陰で私はバスケ部という大好きな居場所を
失わずにすんだ
バスケは大好きだ
今も昔も
私に大切なことを教えてくれる
私を大切な友達に出逢わせてくれる
私を優しい顧問に巡り合わせてくれる
冬に当たる時期にいた私は
どうしたらいいかわからなかったけど
大丈夫
あなたらしく過ごすことで
気付いたときには
春になっているから
春は幸せだよ
今悩んでいるあなたへ
どんなに辛くて苦しい時も
止まない雨がないように
いつかは終わりが来る
それがいつになるかはわからない
何故なら目の前が真っ暗だから
すぐそこにあるゴールテープに気づかずに
足を止めて人生を終わらせたり
ゴールテープにつまずいて転んだり
そんなこともあるだろう
ただ時間はあなたと共に
立ち止まって泣いてはくれない
どれだけ願っても時間は止まらない
あなたを差し置いてどんどん進んでいく
だけれど友達は、家族は
あなたと共に悲しんでくれる
あなたがまた立ち上がるまで
一緒にしゃがんで待っていてくれる
時間は止まってはくれないけれど
時間が止まったらあなたはずっと
辛くて苦しい時期にいることになる
時間は本当は止まってあげたいけれど
あなたのためにあなたを差し置いていく
忘れちゃいけないのは
優しい嘘もあるってこと
上部だけに騙されて物事を判断しちゃ
いけないってこと
今悩んでいるあなた
雨が止むまで雨宿りをして
早く家に帰りたいのにって
泣いているならば
傘をさして帰ればいい
傘がないなら買えばいい
お金がないなら大切な人と相合い傘をすればいい
視点を変えることで見える景色があるから
悲しみに溺れないで
前を向いて
いってらっしゃい
自分ではその時期にいることすらわからず
ただ真っ暗見えるその目先に絶望して
自分を、自分という存在を否定する
これを読んでいるあなたにも
そのような経験があるのでは?
私にはあった
中学校入学と同時に入部したバスケ部
入部理由好きな先輩がいたから
なんともバカらしい理由である
好きな先輩は3年生だったため
2ヶ月もしないうちに引退してしまった
そこからはただバスケが好きだったから
続ける理由にそれ以上もそれ以下もなかった
私は同学年の3人のなかで一番強かった
もちろん、試合にもたくさん出ていたし
シュートもたくさん決めていた
いつのまにか私が一番下になっていた
調子にのって手を抜いた訳じゃない
周りのみんなが私よりたくさん努力をして
たくさん涙を流した結果だ
試合に出ることも、シュートを決めることも
いつの間にか出来なくなっていた
今までできていたことが出来なくなる
いわゆるスランプと言うものの苦しさが
あなたに分かるだろうか
そこからはバスケというものが大嫌いだった
シュートもフェイクもドリブルもなにもかも
何度練習しても前みたいには出来なかった
羨ましかった
なにがって?
同学年の3人が
はじめから一番だった私は
あとは落ちるところまで落ちていくだけ
努力して技を磨いて強くなったとしても
「才能」
なんて言葉で片付けられてしまう
努力した量は流した涙の数は私もみんなも一緒なのに
それに比べてみんなは
出来なかった技が出来るようになると
試合に出ると
「すごいね!よく頑張った!」
「本当に努力家だねぇ~」
私とみんなの何が違うの
私が試合に出れなくなると
「なにあいつ、やる気なくなったの?」
「あいつももう終わりだな」
みんなは試合に出なくても
「大丈夫!次があるよ」
なんて優しい言葉をかけてもらえて
気付いたときにはバスケどころか
バスケ部のみんな
顧問の先生
応援してくれていた家族
そのすべてが嫌になっていた
ただ私には退部できない理由があった
バッシュ、ユニフォーム、ボール、部費など
バスケをするために必要なお金を
払ってもらっていたこと
総額10万はするだろう
私の家は貧乏だったため
共働きの両親が寝る間を惜しんで働いて
なんとか払いきっていた
親友からの期待
小学校からの親友は
陸上部に入っていたが
足の怪我によって止むを得ず退部
私が部活で活躍してくれているのが
唯一の自慢なんだ
と嬉しそうに話してくれた親友
その期待を裏切ることは
絶対にできない
退部できない理由は
プレッシャーに代わり
退部したい理由の1つになっていた
夏休みに入って
部活の練習は過酷さを増した
練習をしてるとき
「お前はもう必要ない」
そう言われてるような気がして
仲間と目が合うのがとてつもなく怖かった
話しかけられるのが怖くて
いつもビクビクしていた
そのころ顧問の先生にみんなの前で
怒られることが度々あった
「やる気あるの?」
「もういい、さがって」
耐えきれなくなった私は親友に退部したいと話した
何度も謝りながら
期待に添えなくてごめんと
何度も何度も謝った
親友はいつもより低い声で冷たくこう言った
「別に。悩んでほしくて期待してた訳じゃないし、
そこまで追い詰めちゃってごめんね」
電話は切れた
一瞬理解できなかった
風が吹いて寒さを感じたあと理解した
突き放されたのだと
家族にも退部について話したけれど
親友と同じように突き放されるだけだった
部活の帰り道同学年3人に話すことにした
みんなを羨んでいたこと、部活を退部したいこと、
退部できない理由があること、
瞳からは雫がこれでもかと溢れだしていた
3人は、目を合わせて頷いたあと
同時に口から同じ言葉を放った
「大丈夫、部活はやめても友達はやめないよ」
私にはこんなにいい友達がいるのに
何を悩んでいたんだろう
あぁ、そうか
部活を退部しなかったのは怖いからだったんだ
今まで一緒に歩んできた友達を失うのが
退部して悩みがなくなると同時に
なにもかもなくなってしまうのではないか
家族は私に失望するのではないかと怖かったんだ
その日から部活を退部したいと考えることは
なくなった
ある日部活終わりに呼び出された
強制退部を覚悟して顧問の元へ急いだ
「先生は期待してない人には怒らないから」
その言葉以外
なにも覚えていない
真っ暗だった目先に光が指した気がした
そのあと公園に行ってすぐにバスケの練習をした
シュートもフェイクもドリブルも
元通りに出来るようになっていた
次の試合にはスタメンとして試合に出れるようになっていた
仲間と目が合うたびに
「よくやった」
といわれているような気がして嬉しくなった
先生に怒られると
「よし!頑張るぞ!」
なんて余計に気合いが入っていた
後々聞いた話によると親友と家族は
優しく接すると私が本当に退部すると思い
冷たく突き放そうと
前々から話していたらしい
お陰で私はバスケ部という大好きな居場所を
失わずにすんだ
バスケは大好きだ
今も昔も
私に大切なことを教えてくれる
私を大切な友達に出逢わせてくれる
私を優しい顧問に巡り合わせてくれる
冬に当たる時期にいた私は
どうしたらいいかわからなかったけど
大丈夫
あなたらしく過ごすことで
気付いたときには
春になっているから
春は幸せだよ
今悩んでいるあなたへ
どんなに辛くて苦しい時も
止まない雨がないように
いつかは終わりが来る
それがいつになるかはわからない
何故なら目の前が真っ暗だから
すぐそこにあるゴールテープに気づかずに
足を止めて人生を終わらせたり
ゴールテープにつまずいて転んだり
そんなこともあるだろう
ただ時間はあなたと共に
立ち止まって泣いてはくれない
どれだけ願っても時間は止まらない
あなたを差し置いてどんどん進んでいく
だけれど友達は、家族は
あなたと共に悲しんでくれる
あなたがまた立ち上がるまで
一緒にしゃがんで待っていてくれる
時間は止まってはくれないけれど
時間が止まったらあなたはずっと
辛くて苦しい時期にいることになる
時間は本当は止まってあげたいけれど
あなたのためにあなたを差し置いていく
忘れちゃいけないのは
優しい嘘もあるってこと
上部だけに騙されて物事を判断しちゃ
いけないってこと
今悩んでいるあなた
雨が止むまで雨宿りをして
早く家に帰りたいのにって
泣いているならば
傘をさして帰ればいい
傘がないなら買えばいい
お金がないなら大切な人と相合い傘をすればいい
視点を変えることで見える景色があるから
悲しみに溺れないで
前を向いて
いってらっしゃい
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