46 / 68
45.後悔しないためにも
「まさか、ルーナと自分が番だと思ったのか??」
真っ赤になったノクスに呆れたように、アルバスが言ったが図星だったようでノクスは黙ってしまった。
「あのな、確かに龍や獣系の神の血が強く出ているものは番を感じるらしいが、王国貴族にはそこまでの血の濃さはないはずだ。確かに先祖返りと言われているお前だけど流石に分からないと思うぞ。むしろ自分は番だから匂いを嗅いじゃったんだと己の変態性を正当化するな、お前も僕もれっきとした変態だ。なんから人類はみな変態であり……」
なんかのスイッチが入ったアルバスが変態について語りだした。
話が長くなりそうだと思い止めようとした時、
「黙れ、アルバス」
叔父様が威圧的にそう言った。
「イエス・ユア・マジェスティ」
するとなぜか聞いたことのない言語を話しながらアルバスはその場に跪いた。
「公の場では跪くなと言ったはずだが?」
「申し訳ありません」
まるで上官に従うように恭しい態度のアルバスに叔父様に絞められたんだなと理解しながらなぜか見てはいけないものを見た気がしてソッと目を逸らしながら話を戻した。
「ウェイが強いなら、フラビンさんがなんとかできますかね……」
「いや、フラビンだけはあまり派手に動かさない方が良いかもしれない。フラビンが、王族かもしれないと言われている中、偽物と思われている王族と接触するのはあまり得策じゃない」
アルバスが先ほど変態について熱く語っていたとは思えないまともな答えを返した。
「そして、帝国が表立って動けば最悪戦争になる。実際、現在、王国と帝国は国境が封鎖されていて緊張状態だ。僕やノクスが動くべきだろう」
その言葉に、私は考えをまとめるために目を閉じた。
確かに、王国には良い記憶はない。しかし、私はないものとされても王子として国民からは慕われていた。その国民が捕らえられた状態で混乱する王国をほっといて良いのだろうかと。
(私は、全てを捨て自由を選んだ。けれど、それは私が選べたからだ。選べずに混乱に巻き込まれた人々を私は放置して良いのだろうか??)
今のまま生きるなら、それが最善だ。私は平和に帝国で生きていつか幸せな結婚もできるかもしれない。
なぜか結婚で軍服ノクスが浮かんだ気がするけど気のせいだ。
けれど、その時にもきっと王国のことが変に浮かんでしまう気がした。だから、
「私もいきたい」
「……だめだ。ルーナはそもそも王国には入れない。帝国で見守っていれば……」
叔父様の言葉は正しい。けれど私は止まらなかった。
「いえ、私は行かなければいけません。国民を救うためにも、後悔しないためにも。そのためならまた男装することも厭わないです」
今の状態では入れないが、男装すれば一縷の希望がある。
それに、私は兄と双子だ。兄のふりをするくらいは余裕で出来る。
「……わかった。危険が迫ったらすぐにこれで連絡しなさい」
私の決意に、叔父様は最新型の長距離タイプの通信機を私達に渡した。
「国境は地下通路からなら抜けられる。姉が嫁いだ時に、いつでも姉を救えるようにと王城まで兄上が掘らせたものがある」
とんでもない機密を聞いた気がしたが、善は急げ私達は地下通路から王城へ向かうことになった。
真っ赤になったノクスに呆れたように、アルバスが言ったが図星だったようでノクスは黙ってしまった。
「あのな、確かに龍や獣系の神の血が強く出ているものは番を感じるらしいが、王国貴族にはそこまでの血の濃さはないはずだ。確かに先祖返りと言われているお前だけど流石に分からないと思うぞ。むしろ自分は番だから匂いを嗅いじゃったんだと己の変態性を正当化するな、お前も僕もれっきとした変態だ。なんから人類はみな変態であり……」
なんかのスイッチが入ったアルバスが変態について語りだした。
話が長くなりそうだと思い止めようとした時、
「黙れ、アルバス」
叔父様が威圧的にそう言った。
「イエス・ユア・マジェスティ」
するとなぜか聞いたことのない言語を話しながらアルバスはその場に跪いた。
「公の場では跪くなと言ったはずだが?」
「申し訳ありません」
まるで上官に従うように恭しい態度のアルバスに叔父様に絞められたんだなと理解しながらなぜか見てはいけないものを見た気がしてソッと目を逸らしながら話を戻した。
「ウェイが強いなら、フラビンさんがなんとかできますかね……」
「いや、フラビンだけはあまり派手に動かさない方が良いかもしれない。フラビンが、王族かもしれないと言われている中、偽物と思われている王族と接触するのはあまり得策じゃない」
アルバスが先ほど変態について熱く語っていたとは思えないまともな答えを返した。
「そして、帝国が表立って動けば最悪戦争になる。実際、現在、王国と帝国は国境が封鎖されていて緊張状態だ。僕やノクスが動くべきだろう」
その言葉に、私は考えをまとめるために目を閉じた。
確かに、王国には良い記憶はない。しかし、私はないものとされても王子として国民からは慕われていた。その国民が捕らえられた状態で混乱する王国をほっといて良いのだろうかと。
(私は、全てを捨て自由を選んだ。けれど、それは私が選べたからだ。選べずに混乱に巻き込まれた人々を私は放置して良いのだろうか??)
今のまま生きるなら、それが最善だ。私は平和に帝国で生きていつか幸せな結婚もできるかもしれない。
なぜか結婚で軍服ノクスが浮かんだ気がするけど気のせいだ。
けれど、その時にもきっと王国のことが変に浮かんでしまう気がした。だから、
「私もいきたい」
「……だめだ。ルーナはそもそも王国には入れない。帝国で見守っていれば……」
叔父様の言葉は正しい。けれど私は止まらなかった。
「いえ、私は行かなければいけません。国民を救うためにも、後悔しないためにも。そのためならまた男装することも厭わないです」
今の状態では入れないが、男装すれば一縷の希望がある。
それに、私は兄と双子だ。兄のふりをするくらいは余裕で出来る。
「……わかった。危険が迫ったらすぐにこれで連絡しなさい」
私の決意に、叔父様は最新型の長距離タイプの通信機を私達に渡した。
「国境は地下通路からなら抜けられる。姉が嫁いだ時に、いつでも姉を救えるようにと王城まで兄上が掘らせたものがある」
とんでもない機密を聞いた気がしたが、善は急げ私達は地下通路から王城へ向かうことになった。
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
【完結】確かにモブ…私モブのはずなんです!
水江 蓮
恋愛
前世の記憶を持つミュリエルは、自分の好きだった乙女ゲームに転生していることに気がついた。
しかもモブに!
自分は第三者から推しを愛でれると思っていたのに…
あれ?
何か様子がおかしいな…?
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!
158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・
2話完結を目指してます!
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。