【完結済み】男装姫はお役御免になったので自由に生きるつもりがなぜか過保護なストーカーだらけになりました

ひよこ麺

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45.後悔しないためにも

「まさか、ルーナと自分が番だと思ったのか??」

真っ赤になったノクスに呆れたように、アルバスが言ったが図星だったようでノクスは黙ってしまった。

「あのな、確かに龍や獣系の神の血が強く出ているものは番を感じるらしいが、王国貴族にはそこまでの血の濃さはないはずだ。確かに先祖返りと言われているお前だけど流石に分からないと思うぞ。むしろ自分は番だから匂いを嗅いじゃったんだと己の変態性を正当化するな、お前も僕もれっきとした変態だ。なんから人類はみな変態であり……」

なんかのスイッチが入ったアルバスが変態について語りだした。

話が長くなりそうだと思い止めようとした時、

「黙れ、アルバス」

叔父様が威圧的にそう言った。

「イエス・ユア・マジェスティ」

するとなぜか聞いたことのない言語を話しながらアルバスはその場に跪いた。

「公の場では跪くなと言ったはずだが?」

「申し訳ありません」

まるで上官に従うように恭しい態度のアルバスに叔父様に絞められたんだなと理解しながらなぜか見てはいけないものを見た気がしてソッと目を逸らしながら話を戻した。

「ウェイが強いなら、フラビンさんがなんとかできますかね……」

「いや、フラビンだけはあまり派手に動かさない方が良いかもしれない。フラビンが、王族かもしれないと言われている中、偽物と思われている王族と接触するのはあまり得策じゃない」

アルバスが先ほど変態について熱く語っていたとは思えないまともな答えを返した。

「そして、帝国が表立って動けば最悪戦争になる。実際、現在、王国と帝国は国境が封鎖されていて緊張状態だ。僕やノクスが動くべきだろう」

その言葉に、私は考えをまとめるために目を閉じた。

確かに、王国には良い記憶はない。しかし、私はないものとされても王子として国民からは慕われていた。その国民が捕らえられた状態で混乱する王国をほっといて良いのだろうかと。

(私は、全てを捨て自由を選んだ。けれど、それは私が選べたからだ。選べずに混乱に巻き込まれた人々を私は放置して良いのだろうか??)

今のまま生きるなら、それが最善だ。私は平和に帝国で生きていつか幸せな結婚もできるかもしれない。

なぜか結婚で軍服ノクスが浮かんだ気がするけど気のせいだ。

けれど、その時にもきっと王国のことが変に浮かんでしまう気がした。だから、

「私もいきたい」

「……だめだ。ルーナはそもそも王国には入れない。帝国で見守っていれば……」

叔父様の言葉は正しい。けれど私は止まらなかった。

「いえ、私は行かなければいけません。国民を救うためにも、後悔しないためにも。そのためならまた男装することも厭わないです」

今の状態では入れないが、男装すれば一縷の希望がある。

それに、私は兄と双子だ。兄のふりをするくらいは余裕で出来る。

「……わかった。危険が迫ったらすぐにこれで連絡しなさい」

私の決意に、叔父様は最新型の長距離タイプの通信機を私達に渡した。

「国境は地下通路からなら抜けられる。姉が嫁いだ時に、いつでも姉を救えるようにと王城まで兄上が掘らせたものがある」

とんでもない機密を聞いた気がしたが、善は急げ私達は地下通路から王城へ向かうことになった。
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