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29:君を壊したい歪んだ気持ちとノイズ(ミハイル視点)
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過去の記憶を追想していると、胸に苦いものがせり上がってくるのが分かった。
その記憶の中で、俺に微笑んでいるレイはどれもあくまで友人に向けるような顔しかしていないのだから。
(なら、今のレイに会いに行った方がいい)
今のレイは、もうすぐ俺のお嫁さんになるレイは、俺を友人のような目では見てこない。むしろまるで全ての憎しみを煮詰めたようなそんな挑発的な目で睨んでくる。
しかし、それが俺にはたまらないのだ。
今までただの友人という、レイにとって代わりがきく人間だったのが今ではその生殺与奪の権利を持っている。それが堪らないのだ。
勿論、何があってもレイを俺が殺すことはない。むしろ人形のようになったレイの体を全て根こそぎ暴きたい。
あの誇り高いアメジスト色の瞳を、心を、全てを俺の手で壊したい。
そうして、俺以外のことなど愛することも見ることもできないようにしてしまいたい……。
(レイレイレイレイレイレイ……)
昂ぶる感情をなんとか抑えたのは、今はまだその時ではないと思ったからだ。例に自身で俺のものになるように準備期間を与えて今日で2日目だ。
後1日すればレイはなすすべがないことを理解して、俺の手に堕とせるのだ。
そうすれば、レイの固く閉ざされた菊門を俺の剛直で押し拓いて、そうしてレイが鳴いて叫んでもその愛おしい最奥に俺を植え付ける。
そこまで考えたら、それだけで興奮して昂ぶりそうになる。
レイが処女なのはわかっているので、はじめての男として、そして夫としてそのナカを永遠に愛し続け、そしてふたりの間には魔力量の多い子供が生まれると幸せな家族計画を考えて苦々しくせり上がっていた感情を元に戻した。
「ミハイル様」
いきなり自室に入ってきて聞きなれた声を掛けられたことで、一瞬、不機嫌になりかけたがこいつがここにそれほど急いで入ってくるというのには理由があるだろうと振り返る。
「アルトか……なんだ」
「ヌルが帝国側に逃げた」
その言葉は俺が予想していたものの中では、最悪のものだった。
あのヌルは、レイとの幸せの障壁となるのでなんとしても処分したかった。それなのに、よりにもよって考えうる中で一番最悪なところに逃げ込んでくれた。
いくら俺が宰相の息子であっても、だからこそ帝国に手を出すことはできない。ましてや帝国側には、あのヌルが廃嫡されたという話はかん口令を敷いていて漏れないようにしていた。
これは、あいつを処分した後は適当に病気を偽装して急死した帝国に告げるつもりだったからだ。つまり生きた状態で帝国とコンタクトをとれていること自体がまずいのだ。
「最悪、ヌルが帝国側に全てを打ち明けるようなことがあれば王妃を使うしかなくなるな……」
王妃、この国に嫁いできた隣国の皇族。もし国同士が緊張状態になったなら人質になることが確定している存在。けれど、もちろんそれは最終手段だ。なぜなら、悔しいが王国は帝国からの輸入にかなり依存している。特に生活の糧ともいえる農作物や資源の多くは帝国からの輸入に頼っているという実情がある。
だから、もし王妃の命を盾に取ったとしたらその前にそれを止められる可能性があり、そうなると王侯貴族だけではなく国民の生活すら危ぶまれる。
(我々、貴族はこの国の守護神の加護で高魔力を有している。その我々が無辜の民を不幸にすることだけは許されない)
そう考えた自分の思考に思わず笑ってしまいそうになる。自分は既にレイとの幸福を最大限の目標に掲げて結果的に無辜の民のことより先に我欲を優先したのに、それでもそんな思考が浮かんだことに思わず自身を嘲笑したくなる。
「そうですね……ただ、それは最後の切り札として取っておきたいところです。それより、小公爵は貴方の手に堕ちたのですか??」
「……今準備をしている」
そう答えた時、何か大切なことを忘れているような気がした。それが何かは分からないが、とても大切な何かだった気がする。
「そうですか。ヌルの件であまり時間はなくなりましたので早めに成してくださいね」
と形容しがたい笑顔でアルトから告げられた。そしてそれと同時に何故かものすごく早急にレイを犯さないといけないという気持ちがせり上がる。
「レイを手に入れたい……」
(駄目だ。まだ、レイと約束しただろう??)
心の中でふたつの声がせめぎ合う。それはレイとの約束を守れと言う声と、欲望に従えと言う二律背反なものであったが、自分の中の葛藤にもかかわらずとても苦しかった。
まるで、自分の中にもうひとり誰かがいるようなそんな感覚で……。
『従え、言うことを聞け、お前は×××××を××したいだろう??』
脳内にノイズが掛かった映像のようなものが浮かび誰かが何かを言っている、これはなんだと思いそれを深く覗こうとした瞬間。
バチリ!!
しかし、そう気付いた瞬間何かが爆発して、俺はあることしか考えられなくなった。
「早くレイを犯さないと……」
その記憶の中で、俺に微笑んでいるレイはどれもあくまで友人に向けるような顔しかしていないのだから。
(なら、今のレイに会いに行った方がいい)
今のレイは、もうすぐ俺のお嫁さんになるレイは、俺を友人のような目では見てこない。むしろまるで全ての憎しみを煮詰めたようなそんな挑発的な目で睨んでくる。
しかし、それが俺にはたまらないのだ。
今までただの友人という、レイにとって代わりがきく人間だったのが今ではその生殺与奪の権利を持っている。それが堪らないのだ。
勿論、何があってもレイを俺が殺すことはない。むしろ人形のようになったレイの体を全て根こそぎ暴きたい。
あの誇り高いアメジスト色の瞳を、心を、全てを俺の手で壊したい。
そうして、俺以外のことなど愛することも見ることもできないようにしてしまいたい……。
(レイレイレイレイレイレイ……)
昂ぶる感情をなんとか抑えたのは、今はまだその時ではないと思ったからだ。例に自身で俺のものになるように準備期間を与えて今日で2日目だ。
後1日すればレイはなすすべがないことを理解して、俺の手に堕とせるのだ。
そうすれば、レイの固く閉ざされた菊門を俺の剛直で押し拓いて、そうしてレイが鳴いて叫んでもその愛おしい最奥に俺を植え付ける。
そこまで考えたら、それだけで興奮して昂ぶりそうになる。
レイが処女なのはわかっているので、はじめての男として、そして夫としてそのナカを永遠に愛し続け、そしてふたりの間には魔力量の多い子供が生まれると幸せな家族計画を考えて苦々しくせり上がっていた感情を元に戻した。
「ミハイル様」
いきなり自室に入ってきて聞きなれた声を掛けられたことで、一瞬、不機嫌になりかけたがこいつがここにそれほど急いで入ってくるというのには理由があるだろうと振り返る。
「アルトか……なんだ」
「ヌルが帝国側に逃げた」
その言葉は俺が予想していたものの中では、最悪のものだった。
あのヌルは、レイとの幸せの障壁となるのでなんとしても処分したかった。それなのに、よりにもよって考えうる中で一番最悪なところに逃げ込んでくれた。
いくら俺が宰相の息子であっても、だからこそ帝国に手を出すことはできない。ましてや帝国側には、あのヌルが廃嫡されたという話はかん口令を敷いていて漏れないようにしていた。
これは、あいつを処分した後は適当に病気を偽装して急死した帝国に告げるつもりだったからだ。つまり生きた状態で帝国とコンタクトをとれていること自体がまずいのだ。
「最悪、ヌルが帝国側に全てを打ち明けるようなことがあれば王妃を使うしかなくなるな……」
王妃、この国に嫁いできた隣国の皇族。もし国同士が緊張状態になったなら人質になることが確定している存在。けれど、もちろんそれは最終手段だ。なぜなら、悔しいが王国は帝国からの輸入にかなり依存している。特に生活の糧ともいえる農作物や資源の多くは帝国からの輸入に頼っているという実情がある。
だから、もし王妃の命を盾に取ったとしたらその前にそれを止められる可能性があり、そうなると王侯貴族だけではなく国民の生活すら危ぶまれる。
(我々、貴族はこの国の守護神の加護で高魔力を有している。その我々が無辜の民を不幸にすることだけは許されない)
そう考えた自分の思考に思わず笑ってしまいそうになる。自分は既にレイとの幸福を最大限の目標に掲げて結果的に無辜の民のことより先に我欲を優先したのに、それでもそんな思考が浮かんだことに思わず自身を嘲笑したくなる。
「そうですね……ただ、それは最後の切り札として取っておきたいところです。それより、小公爵は貴方の手に堕ちたのですか??」
「……今準備をしている」
そう答えた時、何か大切なことを忘れているような気がした。それが何かは分からないが、とても大切な何かだった気がする。
「そうですか。ヌルの件であまり時間はなくなりましたので早めに成してくださいね」
と形容しがたい笑顔でアルトから告げられた。そしてそれと同時に何故かものすごく早急にレイを犯さないといけないという気持ちがせり上がる。
「レイを手に入れたい……」
(駄目だ。まだ、レイと約束しただろう??)
心の中でふたつの声がせめぎ合う。それはレイとの約束を守れと言う声と、欲望に従えと言う二律背反なものであったが、自分の中の葛藤にもかかわらずとても苦しかった。
まるで、自分の中にもうひとり誰かがいるようなそんな感覚で……。
『従え、言うことを聞け、お前は×××××を××したいだろう??』
脳内にノイズが掛かった映像のようなものが浮かび誰かが何かを言っている、これはなんだと思いそれを深く覗こうとした瞬間。
バチリ!!
しかし、そう気付いた瞬間何かが爆発して、俺はあることしか考えられなくなった。
「早くレイを犯さないと……」
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