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43:尻の異物とレイ救出大作戦02
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「ルシオン殿下、屋敷で殿下だとバレてしまうとまずいので私が貴方にちょっとした認識阻害の魔法を掛けさせて頂きます」
そう言って、レオンハルト殿が手をかざすとほんのりあたたかい感じがした。そして自分では全くわからないが何かが変わったらしい。
その状態で地図の通りにしばらく歩くと、イスカルオテ侯爵家の私有地にあたる森の中にその屋敷は佇んでいた。
「これは、思った以上の豪邸でござるな……」
「そうですね。しかし、今ではとても古い前時代的な建物ですね」
レオンハルト殿にはそう言われたが拙者的には前世に、幼い頃、拙者の母上が好きで呼んだベル〇らの聖地のひとつであるベルサイユ宮殿をもう少し小ぶりにしたような佇まいにワクワクが止まらない。
「そ、そうでござるか。個人的には中々素晴らしいと思うが……」
「……確かに今やほぼこのタイプの建造物はありませんからね。もしお気に召す様なら、この作戦が終わり落ち着きましたらリゲル辺境伯閣下にこのような建物が欲しいとおねだりしたらきっとお喜びになると思います」
さりげなく叔父上に恐ろしく高額なおねだりを笑顔で薦めてくる辺りレオンハルト殿も中々腹黒いやもしれないと味方の意外な一面に怯えていると、レオンハルト殿は屋敷の正面玄関をスルーして、裏側の使用人が通るだろう扉に手を掛けた。
「あ、あの中に人が居たりは……」
「今の時間はここにはおりませんよ。その辺りは全て確認済みでございます」
使用人が通る扉を開いて中に入ると、そこは大きなキッチンでござった。しかし、今やほぼ使われていないのかその半分は埃をかぶっているようだった。
「とりあえず見取り図は分かっておりますので、家の中を探しましょう」
「……その姿隠しの魔法などを使わない状態で探すでござるか??」
こういう隠密行動時には本来であれば姿隠しのような魔法を使うべきである。しかし、レオンハルト殿はそれを使うつもりはないようだったので思わず聞き返す。するとレオンハルト殿はポンと手を叩いた。
「申し訳ございません。説明が漏れておりました。この屋敷ではいくつかの魔法を感知するものが掛かっておりまして、姿隠しの魔法は使えないのでございます。その他に瞬間移動も使えないことが分かっております。また、この屋敷内にはカルナック公爵家の密偵の協力者がおりますのでまずは彼と合流するのが先かと」
「なるほど。目的について承知した。拙者はとりあえずこの家の使用人のフリをしながら屋敷を探索すれば良いということでござるな」
やることがわかり、レオンハルト殿とキッチンを出た。屋敷の中はめぼしい主が居ないため酷く静まり返っていた。
(このどこかにレイが居る……)
そう考えながら、まず合流すべき協力者を探すために怪しまれないように姿勢を正して屋敷を回っていた時だった。
ガシャン!!
いきなり、食器が割れるような音がした。そしてその後に続くように男の悲鳴のような泣き叫ぶような声が聞こえた。声がする方へ向かうと屋敷の中でもひときわ豪華に見える扉の中から聞こえてくるようだった。
「どうして、どうしてだ!!」
その声から感じたのは悲壮感であり何か大変なことがあったのかと思わず、その部屋の前で立ち止まった。
「……だめです、ここから立ち去りましょう」
拙者が何をしようとしたか分かったのか、レオンハルト殿が首を横に振りながらこの場から立ち去らせようとした。しかし……。
「その、何か良くないことがあったのかもしれない、だとしたら手助けをしてやるべきかなと思うのだが……」
「ここが、辺境伯領やカルナック公爵家でしたら賛成ですが、今は敵地でございます。なので……」
レオンハルト殿が拙者を説得しようとしたときドアの中の男が再び叫んだ。
「どうして、どうしてだめなんだ!!レイ、俺のレイ!!」
部屋の中の男は確かに『レイ』と叫んだ。まさか、この部屋の中にレイがいるやもしれない。そう思うと男の常軌を逸だつした状態からもレイが危険に晒されている可能性がある。
「レイが居る、だとしたら拙者はいかぬでござる!!」
「だめです。殿下!!」
ドアを開けようとした瞬間、レオンハルト殿の叫びと共にいきなり電撃が走った。これは比喩ではない。いきなりいままで鎮まっていた尻の中の竜玉が律動したのだ。
「ちょっ……なぁ……んれぇ」
『だめだよ、可愛い可愛いルシオン。あんまりおいたをして危険に首を突っ込まないでおくれ。もし可愛いルシオンが無茶をしてけつあなが確定するようなことがあったらと考えると心配で心配で尻がムズムズしてしまう』
そう、叔父上の声が律動する尻の中の竜玉から響いてきた。いや、これどういう仕組みなのか後で戻ったら小一時間は問い詰めないといけない。
「叔父上、尻の中で話さないで頂きたい」
『ルシオンがけつあな確定するようなことをしないなら黙るよ。可愛い可愛いルシオンに突っ込んでよいのはおじしゃまだけだからね』
「いや、叔父上でもなんか突っ込むのは勘弁していただきたい。そして、どうして、レイが居るやもしれないのに止めるのですか??」
そう言って、レオンハルト殿が手をかざすとほんのりあたたかい感じがした。そして自分では全くわからないが何かが変わったらしい。
その状態で地図の通りにしばらく歩くと、イスカルオテ侯爵家の私有地にあたる森の中にその屋敷は佇んでいた。
「これは、思った以上の豪邸でござるな……」
「そうですね。しかし、今ではとても古い前時代的な建物ですね」
レオンハルト殿にはそう言われたが拙者的には前世に、幼い頃、拙者の母上が好きで呼んだベル〇らの聖地のひとつであるベルサイユ宮殿をもう少し小ぶりにしたような佇まいにワクワクが止まらない。
「そ、そうでござるか。個人的には中々素晴らしいと思うが……」
「……確かに今やほぼこのタイプの建造物はありませんからね。もしお気に召す様なら、この作戦が終わり落ち着きましたらリゲル辺境伯閣下にこのような建物が欲しいとおねだりしたらきっとお喜びになると思います」
さりげなく叔父上に恐ろしく高額なおねだりを笑顔で薦めてくる辺りレオンハルト殿も中々腹黒いやもしれないと味方の意外な一面に怯えていると、レオンハルト殿は屋敷の正面玄関をスルーして、裏側の使用人が通るだろう扉に手を掛けた。
「あ、あの中に人が居たりは……」
「今の時間はここにはおりませんよ。その辺りは全て確認済みでございます」
使用人が通る扉を開いて中に入ると、そこは大きなキッチンでござった。しかし、今やほぼ使われていないのかその半分は埃をかぶっているようだった。
「とりあえず見取り図は分かっておりますので、家の中を探しましょう」
「……その姿隠しの魔法などを使わない状態で探すでござるか??」
こういう隠密行動時には本来であれば姿隠しのような魔法を使うべきである。しかし、レオンハルト殿はそれを使うつもりはないようだったので思わず聞き返す。するとレオンハルト殿はポンと手を叩いた。
「申し訳ございません。説明が漏れておりました。この屋敷ではいくつかの魔法を感知するものが掛かっておりまして、姿隠しの魔法は使えないのでございます。その他に瞬間移動も使えないことが分かっております。また、この屋敷内にはカルナック公爵家の密偵の協力者がおりますのでまずは彼と合流するのが先かと」
「なるほど。目的について承知した。拙者はとりあえずこの家の使用人のフリをしながら屋敷を探索すれば良いということでござるな」
やることがわかり、レオンハルト殿とキッチンを出た。屋敷の中はめぼしい主が居ないため酷く静まり返っていた。
(このどこかにレイが居る……)
そう考えながら、まず合流すべき協力者を探すために怪しまれないように姿勢を正して屋敷を回っていた時だった。
ガシャン!!
いきなり、食器が割れるような音がした。そしてその後に続くように男の悲鳴のような泣き叫ぶような声が聞こえた。声がする方へ向かうと屋敷の中でもひときわ豪華に見える扉の中から聞こえてくるようだった。
「どうして、どうしてだ!!」
その声から感じたのは悲壮感であり何か大変なことがあったのかと思わず、その部屋の前で立ち止まった。
「……だめです、ここから立ち去りましょう」
拙者が何をしようとしたか分かったのか、レオンハルト殿が首を横に振りながらこの場から立ち去らせようとした。しかし……。
「その、何か良くないことがあったのかもしれない、だとしたら手助けをしてやるべきかなと思うのだが……」
「ここが、辺境伯領やカルナック公爵家でしたら賛成ですが、今は敵地でございます。なので……」
レオンハルト殿が拙者を説得しようとしたときドアの中の男が再び叫んだ。
「どうして、どうしてだめなんだ!!レイ、俺のレイ!!」
部屋の中の男は確かに『レイ』と叫んだ。まさか、この部屋の中にレイがいるやもしれない。そう思うと男の常軌を逸だつした状態からもレイが危険に晒されている可能性がある。
「レイが居る、だとしたら拙者はいかぬでござる!!」
「だめです。殿下!!」
ドアを開けようとした瞬間、レオンハルト殿の叫びと共にいきなり電撃が走った。これは比喩ではない。いきなりいままで鎮まっていた尻の中の竜玉が律動したのだ。
「ちょっ……なぁ……んれぇ」
『だめだよ、可愛い可愛いルシオン。あんまりおいたをして危険に首を突っ込まないでおくれ。もし可愛いルシオンが無茶をしてけつあなが確定するようなことがあったらと考えると心配で心配で尻がムズムズしてしまう』
そう、叔父上の声が律動する尻の中の竜玉から響いてきた。いや、これどういう仕組みなのか後で戻ったら小一時間は問い詰めないといけない。
「叔父上、尻の中で話さないで頂きたい」
『ルシオンがけつあな確定するようなことをしないなら黙るよ。可愛い可愛いルシオンに突っ込んでよいのはおじしゃまだけだからね』
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