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54:『強迫』は用法用量を守って正しくつかうべきだった(マグダラ男爵令息視点)
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「尻の中に異物を挿れてるとか変態でしょう。ほら、こいつ性欲お化けでレイモンド様以外ともいっぱい浮気しまくってたんだよ、だから……」
『強迫』の魔法でレイモンド様は完全にアホ元王子の『浮気』という単語に対して敏感に反応するようになっている。だから僕は多めにその単語を使い印象を操作している。
この方法については、『強迫』によく似た魔法である『暗示』の使い手であるマティーニから教えてもらった。曰く、『不自然だと思うほどに、そのことを意識させるように仕向けることで魔法の成功率が上がる。ただ、ひとつだけ気を付けないといけないことがある……』
マティーニの言葉を思い出していた時、突然、黙っていたレイモンド様が完全に据わった目をしながら低い声で言った。
「……許さない」
(やった、これでアホ王子も終わりだ)
そもそも人様の屋敷の廊下で脱〇するようなヤツは、元王子以前に人間として問題があると思うので、僕が抱いている長年の恨みや辛みを抜きにしてもひどい目にあえばいいと思って、レイモンド様にさらに媚びを売る様に上目遣いで見つめる。
「そうです、こんな浮気野郎は見限って……」
これで完全にレイモンド様を落とせると、涙を浮かべながら胸を押し当てた時、いきなり激しい衝撃が体に走った。ありえないが何故かレイモンド様が、僕を思い切り吹っ飛ばしたのだ。
「グエッ」
弾き飛ばされて床に背中をしたたかに打って、思わずありえない声を上げてしまった。そんな僕を、全てを氷漬けにするような冷たい目でレイモンド様が見つめている。
「あ、あの、どうして……」
恐る恐る顔を上げた僕が見たのは、無表情でこちらを見つめているレイモンド様だった。その様子から間違いなく『強迫』は効いているはずだ。
しかし、次の言葉に凍り付くことになる。
「許さない、愛するルシオンを誑かしたのはお前か??」
(えっ、なんで??魔法はかかっているはずなのに……)
怨念すら感じるほどの凄みのある声で言われて、背筋が凍りついた。さらにレイモンド様は恐ろしい言葉を続けた。
「ルシオン、すまない。私がこんなところに閉じ込められる無様な失態を犯したせいで、こんなゴミクソハムシにズボンを脱がされたのかい??」
(いや、こいつは自分からズボンを脱いで廊下で脱〇しようとしていたのだが)
そう言いたかったが、さっきから『強迫』強化のために『浮気』の言葉を連続して言っていたのに、ここでいきなり廊下で脱〇するためにそいつはズボンを自主的に脱いだといっても逆に怪しいだろう。
(ならばここは……)
「……すまぬ、レイ。拙者が不甲斐ないばかりに……」
少し考えたのがまずかった。その隙にアホうん〇元王子がなんかどうとでも取れそうな解答を口にしてしまった。しかも、顔だけは物凄く儚げに見える変態元王子は少し涙目になりながらそんなことを答えたのだ。
その姿に自分の今までの行いなんか吹っ飛んで思わず叫ぶ。
「違う!!僕はこんな脱〇野郎なんて興味なんかない!!」
ただ、叫んだ瞬間、目に見えない力が僕を容赦なくフッ飛ばした。それにより部屋の壁に思い切りぶつかりそのまま墜落した服の襟を鬼のような形相のレイモンド様が乱暴に掴むと目の高さまで持ち上げられた。
間近で見て気付いたが、レイモンド様の目は完全に『強迫』による狂気を発症している。しかし、それが完全に裏目に出てしまっている。
「ルシオンはう〇こなんかしない、なぜならルシオンだからう〇こなんかしない、同じようにルシオンは浮気もしない、なぜならルシオンだから浮気しない」
完全に狂人でしかない小泉構文を披露しているレイモンド様に、背筋が冷たくなるのがわかる。今にも僕の息の根を止めそうなレイモンド様を見ながらマティーニの言葉が頭に再度浮かぶ。
『不自然だと思うほどに、そのことを意識させるように仕向けることで魔法の成功率が上がる。ただ、ひとつだけ気を付けないといけないことがある。『暗示』と違い『強迫』は相手の心の弱い部分に作用させないといけない魔法だ。だからこそ慎重に『弱み』を見極めないといけない。特に『弱み』とよく似ているが似て非なるものである『地雷』に使ってしまうと目も当てられない事態になる可能性があるので注意なさい』
正直、『地雷』の意味はよく分からなかったが今まではその人が嫌がっていることを、『強迫』することでうまくいっていたので、今回もそのはずだったのに、明らかに失敗している。
そして、嫌な事実に気付いた。もしかしてレイモンド様は浮気した恋人よりその浮気相手を憎むタイプなのではないかと、だとしたら矛先は僕に向いてしまっていないか?
(これはまずい、今からでも軌道修正を……)
「あの、レイ、拙者も排泄はするでござる。ただ、今回は排泄はしていない」
「嘘つくな!!お前しゃべるなんかを……グエッ!!」
脱〇の事実を亡きものにしようとした狡猾なクソ元王子に思わず買い言葉を言いかけた時、息ができなほどに首がしまった。
「ルシオンはう〇こなんかしない、なぜならルシオンだからう〇こなんかしない同じように…(以降繰り返し)」
小泉構文(2回目)botみたいなことを言いながら僕の首を容赦なく締めるレイモンド様。呼吸が出来なくなり口をハクハクと開くが気道が塞がり全く意味がない。遠のく意識の中でこんなやりとりが聞こえた。
「レイ、だめでござるよ。そんなに締めたら死んでしまう」
「こんなゴミクソハムシにも優しいんだねルシオン。ああ、その慈愛が憎い。私以外にそんなものは抱かないでおくれ……」
レイモンド様はヤバいヤンデレだと理解して自分の過ちを悟った時、意識が途絶えた。
『強迫』の魔法でレイモンド様は完全にアホ元王子の『浮気』という単語に対して敏感に反応するようになっている。だから僕は多めにその単語を使い印象を操作している。
この方法については、『強迫』によく似た魔法である『暗示』の使い手であるマティーニから教えてもらった。曰く、『不自然だと思うほどに、そのことを意識させるように仕向けることで魔法の成功率が上がる。ただ、ひとつだけ気を付けないといけないことがある……』
マティーニの言葉を思い出していた時、突然、黙っていたレイモンド様が完全に据わった目をしながら低い声で言った。
「……許さない」
(やった、これでアホ王子も終わりだ)
そもそも人様の屋敷の廊下で脱〇するようなヤツは、元王子以前に人間として問題があると思うので、僕が抱いている長年の恨みや辛みを抜きにしてもひどい目にあえばいいと思って、レイモンド様にさらに媚びを売る様に上目遣いで見つめる。
「そうです、こんな浮気野郎は見限って……」
これで完全にレイモンド様を落とせると、涙を浮かべながら胸を押し当てた時、いきなり激しい衝撃が体に走った。ありえないが何故かレイモンド様が、僕を思い切り吹っ飛ばしたのだ。
「グエッ」
弾き飛ばされて床に背中をしたたかに打って、思わずありえない声を上げてしまった。そんな僕を、全てを氷漬けにするような冷たい目でレイモンド様が見つめている。
「あ、あの、どうして……」
恐る恐る顔を上げた僕が見たのは、無表情でこちらを見つめているレイモンド様だった。その様子から間違いなく『強迫』は効いているはずだ。
しかし、次の言葉に凍り付くことになる。
「許さない、愛するルシオンを誑かしたのはお前か??」
(えっ、なんで??魔法はかかっているはずなのに……)
怨念すら感じるほどの凄みのある声で言われて、背筋が凍りついた。さらにレイモンド様は恐ろしい言葉を続けた。
「ルシオン、すまない。私がこんなところに閉じ込められる無様な失態を犯したせいで、こんなゴミクソハムシにズボンを脱がされたのかい??」
(いや、こいつは自分からズボンを脱いで廊下で脱〇しようとしていたのだが)
そう言いたかったが、さっきから『強迫』強化のために『浮気』の言葉を連続して言っていたのに、ここでいきなり廊下で脱〇するためにそいつはズボンを自主的に脱いだといっても逆に怪しいだろう。
(ならばここは……)
「……すまぬ、レイ。拙者が不甲斐ないばかりに……」
少し考えたのがまずかった。その隙にアホうん〇元王子がなんかどうとでも取れそうな解答を口にしてしまった。しかも、顔だけは物凄く儚げに見える変態元王子は少し涙目になりながらそんなことを答えたのだ。
その姿に自分の今までの行いなんか吹っ飛んで思わず叫ぶ。
「違う!!僕はこんな脱〇野郎なんて興味なんかない!!」
ただ、叫んだ瞬間、目に見えない力が僕を容赦なくフッ飛ばした。それにより部屋の壁に思い切りぶつかりそのまま墜落した服の襟を鬼のような形相のレイモンド様が乱暴に掴むと目の高さまで持ち上げられた。
間近で見て気付いたが、レイモンド様の目は完全に『強迫』による狂気を発症している。しかし、それが完全に裏目に出てしまっている。
「ルシオンはう〇こなんかしない、なぜならルシオンだからう〇こなんかしない、同じようにルシオンは浮気もしない、なぜならルシオンだから浮気しない」
完全に狂人でしかない小泉構文を披露しているレイモンド様に、背筋が冷たくなるのがわかる。今にも僕の息の根を止めそうなレイモンド様を見ながらマティーニの言葉が頭に再度浮かぶ。
『不自然だと思うほどに、そのことを意識させるように仕向けることで魔法の成功率が上がる。ただ、ひとつだけ気を付けないといけないことがある。『暗示』と違い『強迫』は相手の心の弱い部分に作用させないといけない魔法だ。だからこそ慎重に『弱み』を見極めないといけない。特に『弱み』とよく似ているが似て非なるものである『地雷』に使ってしまうと目も当てられない事態になる可能性があるので注意なさい』
正直、『地雷』の意味はよく分からなかったが今まではその人が嫌がっていることを、『強迫』することでうまくいっていたので、今回もそのはずだったのに、明らかに失敗している。
そして、嫌な事実に気付いた。もしかしてレイモンド様は浮気した恋人よりその浮気相手を憎むタイプなのではないかと、だとしたら矛先は僕に向いてしまっていないか?
(これはまずい、今からでも軌道修正を……)
「あの、レイ、拙者も排泄はするでござる。ただ、今回は排泄はしていない」
「嘘つくな!!お前しゃべるなんかを……グエッ!!」
脱〇の事実を亡きものにしようとした狡猾なクソ元王子に思わず買い言葉を言いかけた時、息ができなほどに首がしまった。
「ルシオンはう〇こなんかしない、なぜならルシオンだからう〇こなんかしない同じように…(以降繰り返し)」
小泉構文(2回目)botみたいなことを言いながら僕の首を容赦なく締めるレイモンド様。呼吸が出来なくなり口をハクハクと開くが気道が塞がり全く意味がない。遠のく意識の中でこんなやりとりが聞こえた。
「レイ、だめでござるよ。そんなに締めたら死んでしまう」
「こんなゴミクソハムシにも優しいんだねルシオン。ああ、その慈愛が憎い。私以外にそんなものは抱かないでおくれ……」
レイモンド様はヤバいヤンデレだと理解して自分の過ちを悟った時、意識が途絶えた。
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