62 / 74
59:深愛(レオンハルト視点)※時間が少し遡ります
しおりを挟む
ドン!!
大きな爆音と共に空間が揺らいだ気がした。
目を閉じる、そのまま死ぬと思った体はしかし、痛みを感じるままで痛みから解放されることはなかった。ゆっくりと目を開くとそこに居るはずのない人物の幻影が見えた。
いや、幻影ではない。これは多分、私が主、アンドレイ様から持たされた竜玉の力により投影されている映像に間違いない。
以前、アンドレイ様から竜玉の緊急システムについて説明されていたので合点がいった。
「アンドレイ様……」
『レオンハルト。僕はお前を誰よりも信じている。だから間違っても死ぬような選択は選ぶな』
凛と言い放つ姿はとても勇ましく美しい人なのだが、私はだけは知っている。
この人はあれだけルシオン殿下には甘い言葉を囁き、変態的な溺愛をする癖に、自分の恋愛についてはツンデレしてしまい初心すぎるということを。
だから、こんな風に私のために今やってきてくれたことがとても嬉しくてたまらない。だってこの人は普段は恥ずかしがって私に対して仕事以外で『信じている』とか『愛している』とか言えない人なのだから。
『……胸に穴をあけてなんでニコニコしている』
「いいえ。あまりにも貴方が可愛い人だなと思いまして」
その言葉にアンドレイ様のお顔が、赤く染まっていき、プイっとそっぽを向いてしまった。
あまりの可愛さに、いままでは、死ぬかもしれないと色々諦めていたが、こんなデカくて可愛い、でっかわいい人を残して死ぬなんて絶対に出来ないと改めて思ったし、恥じらってツンツンしている仮面を早急に剥いで泣かせたくなってきたので何とかここを切り抜けねばと強く心に誓った。
『……そういう減らず口は、ここから逃げおおせて僕のところに帰って来てから言え。まだ、騎士団の転送には時間がかかる。今、無理やり竜玉の緊急機能で遠隔的に爆撃したが、ギムレット、マティーニ、いや、レインとマティーニのふたりはお前ほどでは本来ないがふたりいることで相当厄介な魔法使いだからな』
「ええ。確かにひとりでは厄介です。けれど今はアンドレイ様とふたりです。あちらもマティーニは手負いですから条件が同じになりましたし、問題ないかと」
『……ふたりではない。僕は竜の血筋のものだ。例え遠隔でも通常の人間の倍近くの力を貸せるが、可愛い可愛いルシオンに今ドアストッパーという任務を任されているから一気にふたつのタスクをこなさないといけないので……あ、やばい、クソ、ちょっと力を使いすぎて中への侵入を許してしまったか……可愛いルシオン、ああ、また尻の中に戻ったらちゃんと頑張るから許しておくれ』
力が倍でふたつのタスクをこなしているのなら、半々に力が分散されるので、結局ふたりで正解なのではと、思ったがそれを口にするとこの人はいじけてしまうので一旦言わずに、その代わりに現状を再度確認する。
今の強引な攻撃のおかげで私を殺そうとしたマティーニは地面に伏している、そしてこちらを睨むように様子を伺っているレイン様。
レイン様の目には、アンドレイ様は見えていないので多分突然謎の爆発をした状態に見えていて、しかも、それが私の魔法だと考えている可能性が非常に高いと思われる。
(彼らは竜玉の存在もどれほど万能か知らないだろうし、アンドレイ様から預かってから私が股間に肌身離さず被せて、正確には竜玉に挿れて持ち歩いているということを知るはずないだろう……)
『竜玉はあくまで挿入するものであり、間違えても挿入されるものじゃない』
頭の中で考えていたことにとっても不服そうに答えたアンドレイ様だったが、私はそれをスルーする。
(アンドレイ様、今の膠着状態もそこまで長くは持ちません。ちなみに転送には後どれくらかかりそうですか??)
『3分だ』
考えていたより短い時間にほくそ笑む。
「なら……なんとかやり遂げますよ」
(ああ。そうでなくては。ただ、お前は今、回復魔法にリソースを食っている。その状態では逃げるのが精いっぱいだろう??なので僕が遠隔で爆撃をして陽動する)
アンドレイ様は並外れた怪力を持ってはいるが魔法は一切使えない。なので直接竜玉から転送で物理的に爆撃をしてくれるということだ。
(承知しました)
『……必ず、僕の元へ帰れ。これは上官としての命令だ。そう、あくまで命令だからな!!』
「本当にどうして、私の愛する人が素直になれないかをベットでみっちりしっかり聞かないといけませんね」
体が今まで感じたことのないほど痛む。心臓に穴が開いているのだから当たり前だがそれでも私は愛する人のためならその痛みに耐えることができた。
そして、愛する人のために死ぬことは簡単だけれど、愛する人のために生きることの方が難しいのだと身をもって知った。
「なに独り言を言ってるの、死に直面して幻覚でもみてるのかな。まぁ、関係ないけど。マティーニ」
「ええ。安心してください。先ほどは突然で対応できませんでしたが、私がこの男を仕留めます」
いつの間にか立ち上がったマティーニと視線が合った。
(やるしかない、いや、やり切って見せよう)
大きな爆音と共に空間が揺らいだ気がした。
目を閉じる、そのまま死ぬと思った体はしかし、痛みを感じるままで痛みから解放されることはなかった。ゆっくりと目を開くとそこに居るはずのない人物の幻影が見えた。
いや、幻影ではない。これは多分、私が主、アンドレイ様から持たされた竜玉の力により投影されている映像に間違いない。
以前、アンドレイ様から竜玉の緊急システムについて説明されていたので合点がいった。
「アンドレイ様……」
『レオンハルト。僕はお前を誰よりも信じている。だから間違っても死ぬような選択は選ぶな』
凛と言い放つ姿はとても勇ましく美しい人なのだが、私はだけは知っている。
この人はあれだけルシオン殿下には甘い言葉を囁き、変態的な溺愛をする癖に、自分の恋愛についてはツンデレしてしまい初心すぎるということを。
だから、こんな風に私のために今やってきてくれたことがとても嬉しくてたまらない。だってこの人は普段は恥ずかしがって私に対して仕事以外で『信じている』とか『愛している』とか言えない人なのだから。
『……胸に穴をあけてなんでニコニコしている』
「いいえ。あまりにも貴方が可愛い人だなと思いまして」
その言葉にアンドレイ様のお顔が、赤く染まっていき、プイっとそっぽを向いてしまった。
あまりの可愛さに、いままでは、死ぬかもしれないと色々諦めていたが、こんなデカくて可愛い、でっかわいい人を残して死ぬなんて絶対に出来ないと改めて思ったし、恥じらってツンツンしている仮面を早急に剥いで泣かせたくなってきたので何とかここを切り抜けねばと強く心に誓った。
『……そういう減らず口は、ここから逃げおおせて僕のところに帰って来てから言え。まだ、騎士団の転送には時間がかかる。今、無理やり竜玉の緊急機能で遠隔的に爆撃したが、ギムレット、マティーニ、いや、レインとマティーニのふたりはお前ほどでは本来ないがふたりいることで相当厄介な魔法使いだからな』
「ええ。確かにひとりでは厄介です。けれど今はアンドレイ様とふたりです。あちらもマティーニは手負いですから条件が同じになりましたし、問題ないかと」
『……ふたりではない。僕は竜の血筋のものだ。例え遠隔でも通常の人間の倍近くの力を貸せるが、可愛い可愛いルシオンに今ドアストッパーという任務を任されているから一気にふたつのタスクをこなさないといけないので……あ、やばい、クソ、ちょっと力を使いすぎて中への侵入を許してしまったか……可愛いルシオン、ああ、また尻の中に戻ったらちゃんと頑張るから許しておくれ』
力が倍でふたつのタスクをこなしているのなら、半々に力が分散されるので、結局ふたりで正解なのではと、思ったがそれを口にするとこの人はいじけてしまうので一旦言わずに、その代わりに現状を再度確認する。
今の強引な攻撃のおかげで私を殺そうとしたマティーニは地面に伏している、そしてこちらを睨むように様子を伺っているレイン様。
レイン様の目には、アンドレイ様は見えていないので多分突然謎の爆発をした状態に見えていて、しかも、それが私の魔法だと考えている可能性が非常に高いと思われる。
(彼らは竜玉の存在もどれほど万能か知らないだろうし、アンドレイ様から預かってから私が股間に肌身離さず被せて、正確には竜玉に挿れて持ち歩いているということを知るはずないだろう……)
『竜玉はあくまで挿入するものであり、間違えても挿入されるものじゃない』
頭の中で考えていたことにとっても不服そうに答えたアンドレイ様だったが、私はそれをスルーする。
(アンドレイ様、今の膠着状態もそこまで長くは持ちません。ちなみに転送には後どれくらかかりそうですか??)
『3分だ』
考えていたより短い時間にほくそ笑む。
「なら……なんとかやり遂げますよ」
(ああ。そうでなくては。ただ、お前は今、回復魔法にリソースを食っている。その状態では逃げるのが精いっぱいだろう??なので僕が遠隔で爆撃をして陽動する)
アンドレイ様は並外れた怪力を持ってはいるが魔法は一切使えない。なので直接竜玉から転送で物理的に爆撃をしてくれるということだ。
(承知しました)
『……必ず、僕の元へ帰れ。これは上官としての命令だ。そう、あくまで命令だからな!!』
「本当にどうして、私の愛する人が素直になれないかをベットでみっちりしっかり聞かないといけませんね」
体が今まで感じたことのないほど痛む。心臓に穴が開いているのだから当たり前だがそれでも私は愛する人のためならその痛みに耐えることができた。
そして、愛する人のために死ぬことは簡単だけれど、愛する人のために生きることの方が難しいのだと身をもって知った。
「なに独り言を言ってるの、死に直面して幻覚でもみてるのかな。まぁ、関係ないけど。マティーニ」
「ええ。安心してください。先ほどは突然で対応できませんでしたが、私がこの男を仕留めます」
いつの間にか立ち上がったマティーニと視線が合った。
(やるしかない、いや、やり切って見せよう)
0
あなたにおすすめの小説
ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない
Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。
かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。
後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。
群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って……
冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
売れ残りの神子と悪魔の子
のらねことすていぬ
BL
神子として異世界トリップしてきた元サラリーマン呉木(くれき)。この世界では神子は毎年召喚され、必ず騎士に「貰われて」その庇護下に入る、まるで結婚のような契約制度のある世界だった。だけど呉木は何年経っても彼を欲しいという騎士が現れなかった。そんな中、偶然美しい少年と出会い彼に惹かれてしまうが、彼はとても自分には釣り合わない相手で……。
※年下王子×おじさん神子
転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった
angel
BL
つまらないことで死んでしまったボクを不憫に思った神様が1つのゲームを持ちかけてきた。
『転生先で王様になれたら元の体に戻してあげる』と。
生まれ変わったボクは美貌の第一王子で兄弟もなく、将来王様になることが約束されていた。
「イージーゲームすぎね?」とは思ったが、この好条件をありがたく受け止め
現世に戻れるまでノラリクラリと王子様生活を楽しむはずだった…。
完結しました。
僕(Ω)は貴方(α)の家政夫(β)ですから!
Kokonuca.
BL
Ωというだけで職もアパートもなくした都筑は、つい魔がさしてβと偽って住み込みの家政夫を始める。
勤め先の家に住んでいたのは、天使のように可愛らしいルカと家族に興味を示さない冷徹な父親…だったはずなのに、なんだか餌付けできそうな気配が…?
本編は完結しています、こぼれ話を不定期で更新していきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる