アザレアの敗残兵

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0話 一輪の花

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血の生臭さと硝煙だけが立ち昇る。足元には酒を交わした戦友と敵兵の亡骸だけが転がっていた。

ポツポツ と降り出した雨は血液を滲ませ、掻き消す。

男を守る為に我が身を盾としたその少女は静かに息を引き取った。

氷の様に冷たくなっていく少女の身体をゆっくりと地に置く。

声にならない様な悲痛な叫びを上げた。猛獣の断末魔の様な、そんな声で。雨音は男の叫びをも掻き消した。

てんてんと降る雨水が潰れた右目に染みる

生き物等住んでいないような荒れ果てた大地、死体が散乱する戦地。その男の足元には──




───アザレアの花が咲いていた。
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