焔の死ニ人

Column

文字の大きさ
2 / 2

1話 訓練兵

しおりを挟む
──貴様らはゴミである!!


炎天下の中フレデリック教官が恫喝をする。

「「「私達はゴミ以下であります!!」」

それに呼応する訓練兵達。強談威迫、DV教官、時代錯誤も良い所だ、現場から逃げ帰って教官なんて地位に成り下がった肝の小さな男だこんなやり方しか知らないのだろう。

「何だお前その不満そうな顔は、貴様は何だ!!」

「フレデリック・ラフィット中級騎士殿直轄第十三期生グリム・エルトダウン訓練兵、私達はゴミ以下であります!!」

「そうか、ならば貴様らの様なゴミを私が鍛えて王国の為に死ねる立派なゴミにしてやろう」。

「「はい、ありがとう御座います!!」」

  ─ 1 ─

「はぁはぁ、グリム災難だったな」。

「まぁな、はぁ、いつも目の敵にされるし、はぁ…馴れてるよ」。

フレデリック・ラフィット中級騎士直轄、訓練兵団第十三期生は教官の命により外周をさせられていた。。

「見ろよ、あの教官、上官に媚びへつらえてるぜ、クソッ、ムカつくな」。

指の先にはペコペコと上官に向かって頭を下げるフレデリックの姿があった。

「そりゃあな、訓練生に威張って、上官に媚びるだけで金も名誉も手に入るんだ簡単なもんさ」。

「まぁ俺も騎士号とって楽に暮らしたいだけだし、教官の事どうも言えないけどな、グリムはここ出た後どうすんだよ、診療所でも継ぐのかい?」

「俺は────上級騎士を目指す」。

クライスはぎょっとして思わず足を止めた。

「は!?お前正気かよ、あんな死線真っ只中のとこに自ら飛び込むってか?お人好しも良い所だろ、別にお国の為に死んでやる必要なんか無いんだぜ?」

上級騎士──それは魔獣の討伐や大規模犯罪集団の摘発等を役目とする騎士の中でも最上位に位置する称であった。伴う危険性は中級騎士を遥かに凌ぎ、裏では『騎士の墓場』と恐れられていた。

「そんな腫れ物を見る様な目すんなよ、足止めてるとまた教官にどやされるぞ」

「わ、悪い、少し同様した」。

俺には目的がある。

紅の夜

家族、友人、村、全てを焼かれたあの日、俺は心に深く誓い、刻んだ。あの忌々しい〈黒死教〉を一人残らず殺して復讐を果たす。上級騎士団に入隊する事はその目的を果たす為の一番の近道であった。

「辞めとけよ、お前に何があるのかとか知らないし執拗に聞く気も無いけど俺、お前の殉職話とか絶対に聞きたくないぞ」。

「……あぁ、分かってるよ」。

「何だよ、その玉虫色の返事はちゃんと約束しろよ」。


訓練兵であるグリムが上級騎士を目指すに連れて必要なのはまず『手柄』を立てることであった。まともな訓練所で訓練できるならまだしもこのDV教官の元、意味の無い筋力トレーニングばかり、こんな所で油を売っている場合などでは無かった。




    
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

使い捨て聖女の反乱

あんど もあ
ファンタジー
聖女のアネットは、王子の婚約者となり、瘴気の浄化に忙しい日々だ。 やっと浄化を終えると、案の定アネットは聖女の地位をはく奪されて王都から出ていくよう命じられるが…。 ※タイトルが大げさですがコメディです。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

真実の愛ならこれくらいできますわよね?

かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの でもそれは裏切られてしまったわ・・・ 夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。 ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

思いを込めてあなたに贈る

あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。

処理中です...