染具羅譜(ゾグラフ)家の引越し

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朝が弱い

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「お父さーん・お兄ちゃーん・りーん早く起きてー!!朝ごはんできるよー」

うちの家族は、朝が弱い。父と兄がボーっとしながら起きてきた。父、年男はねずみ色のスウェットに『めざし』と書いてあるTシャツ。兄、陸は黒のスウェットに『ししゃも』と書いてあるTシャツを着て、辛うじて動いて居間まで来た。が、半目で座り込んでる。朝が弱い者は、このボーっとする時間が必要だ。
どこで、そのTシャツを買ったのか?どこで売っていたのか?不明だが、二人のお気に入り。こんなTシャツを着ていても、魂が半分抜けかかっていても、二人は男女ともに、モテる。身長180センチ。手足が長く、人目を引く容姿をしている。所謂イケメンだ。父は最年少で、会社重役となり、会社で『憧れの上司ナンバーワン』になったと、小躍りしながら帰ってきたことは記憶に新しい・・・・そして兄も今年から父と同じ会社へ入社している。学生のころは、生徒会長になったりリーダーシップを発揮していた。さわやかイケメン親子と評判だが、今の顔を見せてやりたい・・・・・

「お父さん!お兄ちゃん!顔洗って支度して!会社遅れるよ!僕、彬を起こしにいくから早くしてね!!」
「「ふぁーい・・・・」」
わかっているのか?いないのか?気の抜けた返事をしている父と兄をほっとき僕は、自分の部屋へ向かった。

末っ子の彬は、僕と一緒の部屋で寝ている。
「ミー!彬 起こしてー」
カーテンを開けながら、黒猫のミーに彬を起こしてもらう。
彬の柔らかなほっぺを、プニプニの肉球でペチペチ叩いてる。
「う~ん・・・」
毎朝、ペチペチ攻撃を受けているので、起きたようだ。
「寝ぼすけ彬・・・おはよー!朝だよ。」
グズってる彬を抱っこして起こした。彬のパジャマはクマさんです。カワイイです。7歳の彬だけど、とても小さい。学校のクラスで一番小さい。僕は彬を抱っこしたまま居間へ戻った。

「りんちゃーん。おはようーパパちゃんのところへおいでー」
「りーん。にいちゃのところが、いいよなー」
猫なで声の、めざしとししゃもが、彬を取り合う。
「お父さんたち、早く支度してって言ったでしょ!!」

 朝っぱらから大騒ぎをするのは、どの家庭でも同じ。お母さんが忙しいのも仕方がない。ただ、この家族にはお母さんはいない。その代わり、15歳 次男 宙が、家事全般を担っている。平凡が服着て歩いていると、自負している男子高校生。身長165センチちょい手前。スーパーのチラシをこよなく愛し、タイムセールという名の戦場へ赴き、日夜、猛者(おばちゃん)と戦っている。お母さんポジションである。

「彬・・・おっき 厭。起きようね。マンマ 厭。ごはん食べようね―」
「うーん・・・ねむいー・・・」

 彬を抱っこしている時点でもう手遅れだとおもうが、宙は、彬を溺愛している。宙だけではなく、父も兄も溺愛している。それだけではなく、彬が関わるすべての人が、溺愛する。
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