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第9話 しっかりやっておいで!
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――あくる日の朝。
春にはなったがまだまだ寒い。老体にはこれが堪えるんだよ。
そんな中だけどレイの見送りには村中の人々が集まっている。
我が弟子ながら随分と慕われたもんだね。
結局レイの母親が言った通りになったわけかい。たいしたもんだね。
あたしゃ悪い想像ばかりしてたってのに、本当に誰も漏らさなかったんだねぇ。この村の口は固いよ。
……はぁ。本当にもう行っちまうのかい。
当のレイは年下の子供たちに集られている。
「なーレイ~。本当にお土産忘れんなよー!」
「いや、あんまり高い物は買えな……」
「レイ兄ちゃんレイ兄ちゃん!他の場所行ったら絵を描いてきてよ!」
「いや、僕はお絵描き得意じゃな……」
「レイお兄ちゃん行っちゃやだ!結婚してくれるって言ったのに!!」
「そんな約束した覚えないんですけど!?」
子供たちが親に引き離されて次は年の近い者たちだ。
「……お前に土産のセンスとか期待してないから」
「ひどくない!?」
「帰ったら冒険譚、聞かせてくれるんだろ?」
「そんなにワクワクドキドキな冒険じゃなくて平和に帰ってきたいなぁ」
「土産とかはいいから無事に帰って来いよ」
「もち!でもお土産は買ってくるよ。激辛とかそういうやつ!」
「尚更いらねー!」
最後は村長みたいだね。
「レイのことだから無事で帰ってくるとは思っていますが、オババを心配させないようにしてくださいね」
「はい!」
「あと、私はお土産、楽しみにしてますよ」
ニヤリと笑って村長は背を向ける。
あとは出発するのみなのにレイは中々出て行かない。
「ほらオババ。レイもオババを待っていますよ」
いつの間に背後に回ったのか村長にトンッと背を押される。
「あたしゃいいよ。昨日さんざん話したし、みんなの前でこっぱずかしいし」
「そんなこと言わずに。一言でもいいの、でっ」
レイの前まで押し出された。
本当にこっぱずかしいんだけどねぇ。
さて、何を言ったもんかね。
あらかじめ考えておいたわけでもないし本当に思い浮かばないよ。
――いや。
「しっかりやっておいで!」
「はい!師匠!!」
レイは大きく返事をして旅立っていった。
その後ろ姿が小さくなったころ、堪え切れなくなったあたしは腰が抜けたように地面にへたり込んだ。
指先が震えて、地面を掴んでもうまく力が入らない。
他の村人たちは困惑している。
たぶん、レイが戻ってこないことをわかっている村人はそう多くない。
いつの間に、あたしにとってレイの存在がこんなに大きくなっていたのか。
「せめて、どうか、あたしの弟子が幸せでありますように」
あたしは地面にへたり込んだままさめざめと泣くしかできなかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ただいま戻りました、師匠!」
ようやく心が落ち着いてきた数か月後、レイはしれっと帰ってきやがった!
思わず椅子から転げ落ちちまったじゃないかい!
「うわ!大丈夫ですか?師匠」
声も出ないあたしを心配して駆け寄ってくるレイ。
なんだろうねぇ。
やっぱりレイの母の息子なんだろうねぇ。
はぁ……。
______________________________________
★あとがき★
村長の情報は本編では出てきていないので少しだけここに書いておきます
この世界では珍しい女性村長です
40代の美女ですが未婚です
モデルは鳴潮の辛夷(シンイ)さんです
辛夷さん実装おなしゃす
あとパドリーノも実装おなしゃす
春にはなったがまだまだ寒い。老体にはこれが堪えるんだよ。
そんな中だけどレイの見送りには村中の人々が集まっている。
我が弟子ながら随分と慕われたもんだね。
結局レイの母親が言った通りになったわけかい。たいしたもんだね。
あたしゃ悪い想像ばかりしてたってのに、本当に誰も漏らさなかったんだねぇ。この村の口は固いよ。
……はぁ。本当にもう行っちまうのかい。
当のレイは年下の子供たちに集られている。
「なーレイ~。本当にお土産忘れんなよー!」
「いや、あんまり高い物は買えな……」
「レイ兄ちゃんレイ兄ちゃん!他の場所行ったら絵を描いてきてよ!」
「いや、僕はお絵描き得意じゃな……」
「レイお兄ちゃん行っちゃやだ!結婚してくれるって言ったのに!!」
「そんな約束した覚えないんですけど!?」
子供たちが親に引き離されて次は年の近い者たちだ。
「……お前に土産のセンスとか期待してないから」
「ひどくない!?」
「帰ったら冒険譚、聞かせてくれるんだろ?」
「そんなにワクワクドキドキな冒険じゃなくて平和に帰ってきたいなぁ」
「土産とかはいいから無事に帰って来いよ」
「もち!でもお土産は買ってくるよ。激辛とかそういうやつ!」
「尚更いらねー!」
最後は村長みたいだね。
「レイのことだから無事で帰ってくるとは思っていますが、オババを心配させないようにしてくださいね」
「はい!」
「あと、私はお土産、楽しみにしてますよ」
ニヤリと笑って村長は背を向ける。
あとは出発するのみなのにレイは中々出て行かない。
「ほらオババ。レイもオババを待っていますよ」
いつの間に背後に回ったのか村長にトンッと背を押される。
「あたしゃいいよ。昨日さんざん話したし、みんなの前でこっぱずかしいし」
「そんなこと言わずに。一言でもいいの、でっ」
レイの前まで押し出された。
本当にこっぱずかしいんだけどねぇ。
さて、何を言ったもんかね。
あらかじめ考えておいたわけでもないし本当に思い浮かばないよ。
――いや。
「しっかりやっておいで!」
「はい!師匠!!」
レイは大きく返事をして旅立っていった。
その後ろ姿が小さくなったころ、堪え切れなくなったあたしは腰が抜けたように地面にへたり込んだ。
指先が震えて、地面を掴んでもうまく力が入らない。
他の村人たちは困惑している。
たぶん、レイが戻ってこないことをわかっている村人はそう多くない。
いつの間に、あたしにとってレイの存在がこんなに大きくなっていたのか。
「せめて、どうか、あたしの弟子が幸せでありますように」
あたしは地面にへたり込んだままさめざめと泣くしかできなかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ただいま戻りました、師匠!」
ようやく心が落ち着いてきた数か月後、レイはしれっと帰ってきやがった!
思わず椅子から転げ落ちちまったじゃないかい!
「うわ!大丈夫ですか?師匠」
声も出ないあたしを心配して駆け寄ってくるレイ。
なんだろうねぇ。
やっぱりレイの母の息子なんだろうねぇ。
はぁ……。
______________________________________
★あとがき★
村長の情報は本編では出てきていないので少しだけここに書いておきます
この世界では珍しい女性村長です
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あとパドリーノも実装おなしゃす
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