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第13話 メリア式、地獄の矯正訓練
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メリアとご飯を食べたのち、お皿をまとめて重ねて端に寄せる。
ウェイトレスさんがテーブルを片付ける時にお皿を重ねているのは確認ずみだ。
メリアは僕がお皿を重ねて寄せるのを首をかしげて不思議そうに見ている。
「何をやっているんですか?」
「いや、なんか前世の習慣で」
メリアは「ぜんせ?」とまた首をかしげている。
そう、こっちの世界では生まれ変わりという概念はないんだ。
「こうしておくと後片付けをする人が運びやすいでしょう?」
「そんなことしてる人初めて見ましたよ」
まぁ誇り高き日本人ですし。
チップをそっと食器の影に忍ばせながら僕は本題を切り出した。
チップ文化なんてないんだけどね。
「それはそうとお願いというか相談があるのですが」
「はいはい、なんでしょー?」
僕はさっきのような恐怖を何とかして克服したかった。
メリアは冷静だったし、しかも王国兵だ。
なら克服する方法がわかるのではないか?
そう思ってメリアに尋ねてみた。
「ん-。そうですね。じゃあ今から上着を羽織ってちょっと外に出ましょうか」
何をするんだろう?
言われてローブを取りに行く。
宿屋の入り口で待っていると、最初に出会ったときと同じ装備のメリアが降りてきた。
「村の中だとちょっとアレですし、外に出ましょうか」
そう告げてスタスタと歩き出すメリアを慌てて追いかける。
村の裏手の森に着くと僕の立つ位置に指示を出してきた。
「そう、もうちょっと右へ。はい、そこで止まってください」
指示通りに位置を調整する。
「では今から始めます。怪我をしないように動かないでくださいね。ああ、そうそう。もし体に当てちゃっても責任は取りませんからね」
言うが早いか矢を射ってきた!
「ひっ!?」
僕のすぐ上を矢が通りすぎて後ろにある木に刺さった。
慌ててメリアを見ると矢じりがこちらを狙っている。
それを見た瞬間、先ほどの恐怖が蘇ってくる。
世界がぐにゃりと曲がり、浮遊感に包まれる。
怖い。怖いに決まってる。
……けど、さっきよりは――まだ、マシだ。
深呼吸、深呼吸。僕は胸の奥で必死に言い聞かせる。
「恐怖を克服したいなら慣れるしかありません。本当は私の仕事じゃないんですけど、克服してもらった方が護衛しやすいですからね。これから毎日恐怖と向き合ってくださいね」
メリアは持っている弓を下ろし、ニッコリと笑いかけてきた。
僕からお願いしたことなのに加えて、そう言われれば断ることもできるはずがない。
僕は引きつった笑顔を浮かべるしかできない。
すると――
ヒュン!トス!
また僕の上すれすれを矢が飛んでいき木に刺さる。
そしてもう一度メリアを見るとやはり矢じりがこちらを向いている。
「まだ終わりなんて一言も言ってないと思うんですけど。気を抜きすぎなんじゃないですか?」
目が、目が完全に本気だ!
ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!
心臓がハンマーのように暴れ出す。
だめだ深呼吸、深呼吸……。
フーッ……。フーッ……。
な、なんかこの人めっちゃスパルタじゃない!?
しかも狙い、毎回頭の上なんですけど!?
責任取りませんとか言ってたけど、これ普通にヘッドショットコースだよね!?
――頼む人、間違えたかも。
その後、メリアの矢筒が空になるまで、
僕の恐怖耐性トレーニング(という名のスパルタ射撃ショー)は続いた。
訓練が終わる頃には、身体も精神もボロボロ。
それでも礼を言って宿へ戻り、裏手の井戸でなんとか湯浴みを済ませてからベッドへ倒れ込む。
悪夢は見なかった。
けど、鳥のドーンコーラスすら聞こえないほど、ぐっすり眠った僕だった。
ウェイトレスさんがテーブルを片付ける時にお皿を重ねているのは確認ずみだ。
メリアは僕がお皿を重ねて寄せるのを首をかしげて不思議そうに見ている。
「何をやっているんですか?」
「いや、なんか前世の習慣で」
メリアは「ぜんせ?」とまた首をかしげている。
そう、こっちの世界では生まれ変わりという概念はないんだ。
「こうしておくと後片付けをする人が運びやすいでしょう?」
「そんなことしてる人初めて見ましたよ」
まぁ誇り高き日本人ですし。
チップをそっと食器の影に忍ばせながら僕は本題を切り出した。
チップ文化なんてないんだけどね。
「それはそうとお願いというか相談があるのですが」
「はいはい、なんでしょー?」
僕はさっきのような恐怖を何とかして克服したかった。
メリアは冷静だったし、しかも王国兵だ。
なら克服する方法がわかるのではないか?
そう思ってメリアに尋ねてみた。
「ん-。そうですね。じゃあ今から上着を羽織ってちょっと外に出ましょうか」
何をするんだろう?
言われてローブを取りに行く。
宿屋の入り口で待っていると、最初に出会ったときと同じ装備のメリアが降りてきた。
「村の中だとちょっとアレですし、外に出ましょうか」
そう告げてスタスタと歩き出すメリアを慌てて追いかける。
村の裏手の森に着くと僕の立つ位置に指示を出してきた。
「そう、もうちょっと右へ。はい、そこで止まってください」
指示通りに位置を調整する。
「では今から始めます。怪我をしないように動かないでくださいね。ああ、そうそう。もし体に当てちゃっても責任は取りませんからね」
言うが早いか矢を射ってきた!
「ひっ!?」
僕のすぐ上を矢が通りすぎて後ろにある木に刺さった。
慌ててメリアを見ると矢じりがこちらを狙っている。
それを見た瞬間、先ほどの恐怖が蘇ってくる。
世界がぐにゃりと曲がり、浮遊感に包まれる。
怖い。怖いに決まってる。
……けど、さっきよりは――まだ、マシだ。
深呼吸、深呼吸。僕は胸の奥で必死に言い聞かせる。
「恐怖を克服したいなら慣れるしかありません。本当は私の仕事じゃないんですけど、克服してもらった方が護衛しやすいですからね。これから毎日恐怖と向き合ってくださいね」
メリアは持っている弓を下ろし、ニッコリと笑いかけてきた。
僕からお願いしたことなのに加えて、そう言われれば断ることもできるはずがない。
僕は引きつった笑顔を浮かべるしかできない。
すると――
ヒュン!トス!
また僕の上すれすれを矢が飛んでいき木に刺さる。
そしてもう一度メリアを見るとやはり矢じりがこちらを向いている。
「まだ終わりなんて一言も言ってないと思うんですけど。気を抜きすぎなんじゃないですか?」
目が、目が完全に本気だ!
ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!
心臓がハンマーのように暴れ出す。
だめだ深呼吸、深呼吸……。
フーッ……。フーッ……。
な、なんかこの人めっちゃスパルタじゃない!?
しかも狙い、毎回頭の上なんですけど!?
責任取りませんとか言ってたけど、これ普通にヘッドショットコースだよね!?
――頼む人、間違えたかも。
その後、メリアの矢筒が空になるまで、
僕の恐怖耐性トレーニング(という名のスパルタ射撃ショー)は続いた。
訓練が終わる頃には、身体も精神もボロボロ。
それでも礼を言って宿へ戻り、裏手の井戸でなんとか湯浴みを済ませてからベッドへ倒れ込む。
悪夢は見なかった。
けど、鳥のドーンコーラスすら聞こえないほど、ぐっすり眠った僕だった。
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