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動乱 編

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「いくら何でも、おかしいですよね?」

中島が呟く。

芳乃よしの達が異層結界を張ってから50分が過ぎた。

そして、芳乃よしの達と連絡が取れなくなって40分が経過していた。

向こうからの呼び出しも無ければ。 此方こちらからの呼びかけにも応答が無い。

確かに、長時間の戦闘ともなれば。 半日とかの場合も在るが。

それは、飽く迄も高ランクの依頼の場合で。

芳乃よしの達に請け負って貰ったのはランク3。

それに、どのランクでも長期戦に為りそうな時や、危なくなった時には緊急連絡が入って来る。

芳乃よしのだけならともかく。 アリシアやミスティーが一緒なのに、この時間のかかり方はおかしい。

彼女たちの能力ちからは、五天と同じか。 それ以上。

そんな彼女たちが居て、問題が起こってしまった。

つまり。ランク4どころか、ランク5に匹敵する事態が起こってしまった。

中島は急いでスマホを取り出すと、苺花まいかの所にコールした。

「はい。苺花まいかです。 中島君。どうかしましたか?」

苺花まいかさんですか。 そちらにハデスさんか、ルシファーさんは御在宅でしょうか?」

「ええ。2人なら丁度、ルーの部屋で話して合っていますけど。」

「それは良かった。 実は、ちょっと問題が起こってしまったようでして・・・。」

中島は、事の経緯いきさつ苺花まいかに話す。

中嶋から話を聞きながら、レイに頼んでルシファーとハデスを呼びに行って貰う。

「・・・と言う訳でして。」

途中からスピーカーにして、全員に話が聞こえるようにする。

「分かった。 俺が出向こう。」

中島の話を聞いて、ハデスが名乗りを上げた。

「すいません。 なにぶん、私たちでは手の出しようが無くて。」

「構わん。 世話に為って居る。 時は一刻を争うようだ。 転移を使う。 後の処理は任せるぞ。」

「分かりました。 多少の混乱は、こちらで何とかしましょう。 お願いします。」

「ハデス。」

「安心しろ苺花まいか。 アリシアとミスティーとのパスは切れていない。

 二人には、芳乃よしのを死んでも守れと言ってある。

それに、レイにも異常が無いと言いう事は。 芳乃よしのも無事だと言う事だ。

 と、言う事で。 ルー。 こっちは任せたぞ。」

「了解。 貴方こそ、足元を掬われない様にしてくださいね。」

「うむ。 何やら、別の思惑が絡んでいそうだしな。」

「ええ。 私たちや、精霊の目を誤魔化すほどの相手です。 十分に、お気をつけて。」

「心得ている。 では、行ってくる。 転移。」

次の瞬間にはハデスの姿が消えていた。
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