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出会い:1
しおりを挟む兵舎に戻ると、桂子さんの姿は見えなかった。
まだ、チュートリアル中らしい。
代わりと言っては何だが、建太の姿が見えたので声をかける。
「建太。」
現実世界(リアル)と同じく、建太も本名だった。
「おっ! 悠夜。」
俺の声に気が付いて、建太がこっちに寄って来る。
「今、チュートリアルを終わったところか?」
「あぁ。そっちは?」
「俺は帰宅してすぐにログインして、4つほどミッションをクリアしたところさ。」
「飯食ったのか?」
「んにゃ、食ってない。そろそろ、腹が空いてきた・・・。」
GALAXY SOUL-銀河の騎士。面白い事に仕様として、現実世界(リアル)での空腹感を、そのままダイレクトにゲームの中でも伝わってくる仕様だ。
ゲームの中でも食事はあるのだけど。ゲーム内の食事の意味合いとしては、主に食べて味を楽しむだけの仕様だ。
「一度、ログアウトして飯を食ってこいよ。
桂子さんも、チュート中だし。」
「うい。 食ってくる。ついでに、風呂も入ってくるわ。」
「待て!その前にフレンド登録するぞ。
ログインしたら、すぐに連絡が取れるように。」
「おう!」
そう言って、俺と建太はステータスウィンドウを開いて、お互いのフレンド欄に登録を済ませる。
フレンド登録が終わると、カウンターに向かってNPCに話しかけて、建太がログアウトした。
さて、どうしたものか考えていると。
「ちょっと良いかな?」
男性の声に反応して振り向けば、1組の男女が立っていた。
「あ、失礼。」
そう言って、通路の脇による。
「あ、そうじゃなくって。1人でプレイしてるの?って聞こうとしたんだ。」
なんだ、俺はてっきり、通路のど真ん中で突っ立っていたので、邪魔になったのかと思った。
「知り合いが、チュートリアル中なので。1人ではありません。」
改めて、男性に視線を向けると、ネームプレートにはアイザック。
女性のネームプレートには香織と表示されている。
アイザックさんの方は、見た目20代半ばで。身長180くらいで、スマートな体系に短髪。
だけど、決してモヤシっ子と言う訳ではなく、適度についた筋肉が物語っている。
はい、そしてかなりのイケメンです。
香織さんは、同年代か少し上?
腰までの長い髪を後ろで結んで整えているポニーテール。
スレンダーな体型に、楕円形のフチなし眼鏡を掛けていて、物凄く整った顔立ちをしている。
どストライクです・・・。
応援ありがとうございます!
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