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アイラ:4

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「ん~・・・。 俺の操縦に機体の強度がついてこれなくてね。

CPUメイン・コンピューターの助言では、ランク7辺りのフレーム硬度がないと、1ミッションで1回しか使えないらしいんだ。」

「えっと・・・。 ごめん。意味が分かんない・・・。

ってか、どういう乗り方をしたら、CPUメイン・コンピューターから、そんな助言が出るのか逆に知りたいんだけど・・・。」

何か変なものを見るような目で、俺から視線を外さずにアイラが見つめる。

アイラの言葉に、もはや恒例となりつつある、俺命名:アクセルターンの戦闘記録映像を公開表示でアイラに見せる。

そして、記録映像を見終わったアイラ。

口を半開きにして、ポカーンとした表情に為っている。

ちなみにだが。 アイザック、桂子さん、建太の3人も、同じような表情に為っていた。

唯一、香織さんだけは、なぜか俺を睨む見ような目で見てたけど・・・。


俺、嫌われているのだろうか?

などと考えていたら。


「なに・・・この、あらゆる規則性を無視った動き方は・・・。」

呆れかえったような、嘆息交じりの言葉を吐き出すアイラ。


「そんなに変かな?」

恐々と尋ねると。


「変なんてものではないわね。 変態ね、変態。

普通の思考では、思いつかないし。 やろうともしないわ。

確かに、こんな無茶苦茶な動かし方をしてたら、内部機構の耐久値が持たないわね・・・・・・・・。」

アイラの話よれば、内部構造のダメージ等も機体の修理費用として算出されるらしい。

確かに、言われてみれば。 同じ機体の香織さんとほぼ同じダメージなのに、俺の方が3割ほど高かった気がする。


「なるほどね・・・。 確かに、この変な動きに耐えられる強度のフレームってランク7以上は必要かも知れないわね。」

「しょうがない。 当分の間は、一発芸として活用しますか。

手間とらせてゴメンね。それじゃ。」

アイラの所から離れようとすると。

「あっ! 待ちなさいよっ!」

アイラに呼び止められた。

「ん?」

俺が振り返りアイラを見ると。

「フレンド登録しとかない?」

笑顔でアイラが言ってくる。

「良いよ。」

そう言って、俺はステータスウィンドウを開いて、フレンド申請をアイラに飛ばす。

「OK。 宜しくね。悠夜。」

右手を差し出して言ってくるアイラ。

「こちらこそ、よろしく。」

アイラの手を握る俺。
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