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ミッションボス:8

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上空で、激しく動き回りながら、竜騎兵ドラグーンとアイゼン・エンジェルが切り結んでいる。


「飛べたんだな・・・・」

サムソンが、小さく言葉を漏らす。

「すごい・・・」

桂子けいこも、上空の竜騎兵ドラグーンを見て言う。


桂子けいこと、サムソン以外のメンバーは、竜騎兵ドラグーンが飛行可能ユニットだという事は知っている。


「さて・・・どうしたものか・・・」


上空での2機の戦闘に、アイザックは、どうしたら良いのか思案中だった。

下手に地上からの援護射撃でもして、竜騎兵ドラグーンに当たってしまわないとも言えない。


それを聞いた、健太と桂子の2人は。

「うん、たぶん問題ないと思う。」

健太けんた

「うん。私も、そう思うよ。」

桂子けいこ

2人揃って、地上から援護射撃をしても問題はないだろうと声を揃えて言う。


「いやいやいや、あの速度で飛び回っているんだぞ?」

サムソンが驚いたように言う。

「なら、聞いてみる?」

そう言って、桂子が竜騎兵ドラグーンに回線を繋ぐ。



「はっ?」

流石にアイザックも間抜けな声を出す。


あの高速戦闘の最中に話しかける?



悠夜ゆうやくん。 地上からの援護射撃はしてもいいの?」

各機のモニターに、悠夜ゆうやの顔が映し出される。



「えっ? 作戦立案中じゃなかったの?

動きがないから、てっきり作戦でも立てているのかと思ったけど?」


悠夜から帰ってきた言葉には、余裕さえも伺える口調だった。

「おう。お前の動きが激しすぎて、皆が地上からの援護射撃を躊躇してるんだけど。」

健太けんたが言う。


「回避行動は、全部レイに任せているから大丈夫だとは思うけど?」

『うん。 余裕、余裕。

今の所は、悠夜の攻撃に、私の回避処理パターンが追い付いていないけど。

あと、40秒も戦闘してれば、悠夜の攻撃パターンもメモリ出来るから、最小限の動きで回避行動がとれるんだけどね。』
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