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機械技師:2

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そう、彼女は戦闘を一切しない。

最初こそは仕方なくプレイヤーランクを上げる為に、野良パーティーで戦闘をしていたらしいが。

機械技師メカニックマンの資格を得られるランクに為ると、一切の戦闘を拒み。

ひたすらに、機械技師メカニックマンの技能だけを上げて行った。

それでも彼女が寄生だけで、此処まで高レベルのプレイヤーランクを上げる事が出来たのは。

彼女シズル機械技師メカニックマンとしての腕が有望で、鋼の騎士団スティール・ナイツを筆頭に、各大手の戦艦ギルドハウスからの引く手も数多。

彼女に改造カスタマイズして欲しいが為に、戦闘をしないで取得経験値を稼がせると言う条件で改造カスタマイズして貰っているほどだ。

そして、ここからが勝負所だ。

「レイ。」

竜騎兵ドラグーンCPUメインコンピューターであるレイを呼ぶ。

『なに?』

何もない空間から、突然レイの姿が現れる。

普段は彼女レイは目立つから、竜騎兵ドラグーンの所に戻って貰っているが。

こうやって、逢う事を望み名前を呼ぶと、俺の前に現れてくれる。

「ほうぅ。 その子が噂のCPUメインコンピューターかい?」

「ええ。 俺の愛機の竜騎兵ドラグーンCPUメインコンピューターでのレイです。」


鋼の騎士団スティール・ナイツ艦長ギルドマスターの妹さんのCPUメインコンピューターと同じタイプかぁ……。

 と言うか。 彼女かおりの姿?」

驚きの表情で俺を見ながら言うシズル。

「あぁ……。  まぁ、これにはちょっとした事情が在るのだけど。 説明するには……。」

『はずれぇ~。 クウはどっちかと言えば、私の後継機に当たるタイプね。 私の方が性能は上なんだからね。

香織かおりの姿に似ているのは、竜騎兵ドラグーンのメモリーの中で、一番多かった人物の姿を模写しているからよ。』

レイが俺の言葉をさえっぎって。 小さな胸を張りながら自慢全開の暴露全開でシズルに答えてくれやがった。

ハズイ……。

「ふむ。 メモリーどうのこうのは置いておいてあげよう。

それより、香織の愛機のCPUメインコンピューターで在るクウの姉的存在で、クウよりも性能が良いと言うのか?

いや、確かに。 クウと比べれば、感情表現が豊かなのには驚いているが。

それでも、香織の愛機である【戦姫ヴァルキリー】はユニーク機体だぞ。
香織以外でのユニーク機体の所持者なんて、私も他の機械技師メカニックマン仲間も聞いたことが無いのだが?

つい最近にでも、新しいユニークの機体が出てきたのか?

と、言うよりも。

CPUメインコンピューターのレイが、君の声に応えて出てきたのだから、君が所持して居るのか? しているのだなっ!?」


メモリーの事に触れないでくれるのは、素直に嬉しいのですが。

しかし、興奮して居るのか。

シズルさんの鬼気迫る興奮状態にビビったのか、レイが俺の頭の後ろに回りこむ。

当然、シズルさんの視線がレイを追い求めながら、俺の顔に近寄って来る。


「シズルさん! 顔が近いですっ!」

「そんな事はどうでも良い。 さぁ、話しなさいっ!!」

興奮しても言葉遣いが丁寧なのは有り難いが、シズルさんみたいな超美人の女性の顔が、如何に電子仮像アバターだと言え、それこそ鼻先が触れ合う程に迫ると、色々な意味合いでマズいんですっ!


「落ち着てくださいっ!」

取り敢えず、シズルさんの肩に手を掛けて、強引に押し戻して距離を開ける。

「逃げたりしませんから。 店の仮ミッションルームは設置してますよね?」

「勿論だ。 機械技師メカニックマンが持っていなかったら話に為らないからな。」

「使用させて頂いても?」

「少し待っててくれ。 店を閉めてくるから。」
    
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