異世界に飛ばされた僕の従騎士生活

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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新しい生活

カークsideシン君の復活

「カーク!あれ見ろよ。フォーカス様の従騎士じゃないか?」

俺は仲間の声に顔をあげて弓場の先で馬駆ける従騎士の姿を見た。
薄雲色の馬に乗り、黒髪をなびかせながら馬を走らせる姿は一枚の絵のように思えた。

しばらく駆け回っていたが、ふと踵を返してこちらに早駆けでやって来た。


「シン君!もう大丈夫か?」

シン君の馬フーガが俺を威嚇しようと前脚を振り上げるので、身体をかわそうと後退りながら声を掛けた。

フーガは仔馬の頃から気が荒くて有名で、誰が乗りこなすかと話題になってた若い馬だ。
兵士長が言うにはフーガはシン君を一目で気に入り、自分から寄っていって撫でろと催促したらしい。

シン君もフーガは大人しくて綺麗で可愛い馬だと溺愛してるが、俺たちにとってはどこが大人しくて可愛いんだとツッコミどころ満載だ。実際、フーガに蹴られた兵士が何人もいるんだ。

とはいえ、気性は荒くても身体能力はピカイチのフーガは弓上手なシン君にピッタリだ。

綺麗な灰色の馬と優美な黒騎士さながらのシン君の取り合わせはイイ。うん、とてもイイ…。


俺がそんな事を思いながら見つめていると、シン君はサッと優雅に鞍から降りて俺たちの前に立った。

「皆さん、ご心配おかけしました。僕、力の使い方がまだ未熟で、フォーカス様にも迷惑かけちゃって。
でももう大丈夫です。完全復活しました!

やっぱり、馬上は気持ちいいですね。フーガは本当に素晴らしい馬です。」

そう言うと、輝くような満面の笑みを浮かべて、フーガを撫でてその馬面に口づけた。


フーガはなにか勝ち誇った様にいななくと、こちらを向いて歯を剥き出した。

…明らかに俺たちをバカにした様な顔をしてるな、こいつ。
シン君、こいつはシン君の前でだけいい子ぶってる馬なんだよ。くそ、そんな事言ったらあっという間に蹴られそうだ。

俺たちはフーガから更に後ずさって、シン君に聞いた。

「今日は弓やるのかい?俺たちは今から始めるところだけど。」

「はい。フォーカス様からお許しが出たので、もう少しフーガに乗ってからやります。後で行きますので、よろしくお願いしますね?」

俺たちはシン君の可愛いさにぼうっとして、デレデレと手を振りながら見送った。


「…ほう。お前たちは随分呑気で時間も守れないのだな。さっさとだらしない顔を引っ込めて訓練に入れ!」

いつの間にか青筋を立てながら後ろに立ってた兵士長に怒鳴られながら、俺は今日もシン君に良いところを見せようと張り切ったんだ。
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