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はじめての戦
決戦前夜の戸惑い
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数日前から騒ついていた砦は、決戦を明日に控えた今日は妙な静けさを感じさせていた。僕はフォーカス様の鎧の装備やあれこれの確認を必要もないのに、何度も繰り返していた。
僕の鎧は黒い武具にフォーカス様が今日の為に用意してくれたキラキラする白い鎖帷子で、モノトーン従騎士スタイルだ。とても気に入っている。フォーカス様の前で着て見せた時は、その後の可愛がりが大変だったから随分と気に入ったみたいだ。はは。着心地は案外見かけよりは良くて、フォーカス様の心遣いを感じた。
兜はフォーカス様の前方に突き出た鷹の顔の様なスタイルとは違い、シンプルなものだった。弓隊は邪魔にならない様にこのスタイルが多いのだと兵士長が教えてくれた。
落ち着かない。いくら装備を確認しようが、鎖帷子の強度を確認しようが…。明日、僕は戦場の人となる。それがあまりにも非現実的で、一年前の僕が聞いたら笑っちゃうだろう。
…ほんと、笑えない。僕は考えてもしょうがない事をぐるぐると考え込んでいたらしい。いつの間にかフォーカス様が居て、僕を後ろから抱きしめていた。
「…シン、落ち着かないか。初めての戦闘だ、致し方ない。…皆が通る道だ。」
僕はフォーカス様の腕をそっと握って尋ねた。
「フォーカス様はおいくつの時に初陣だったのですか。」
「…兄上に連れられて、15の時だったな。」
「お兄様がいらっしゃるのですね。15才だなんて、僕より随分幼いです。」
「クク、15才でもシンよりは逞しかった。…兄上は二年前に戦死した。」
僕はフォーカス様の方に向き合ってフォーカス様の顔を見上げた。
「ごめんなさい。僕知らなくて。」
フォーカス様は少し困った顔をして言った。
「謝ることはない。ここでは命の取り合いは普通のことだ。たまたま死んで、たまたま生き残る。だが、生き残る可能性を高くする事は出来るはずだ。それが私たちの訓練で、力で、戦略で。そして生き残って再び会って腕の中に抱きしめたいと人を恋い願う強い気持ちだ。
私は生き残ってこの砦に戻ってくる確信を、今回ほど感じたことがない。必ず勝ってシンの元に戻ることを誓おう。…そしてシンもまた私の元に戻ってくると約束してくれないか。」
僕はフォーカス様の真っ直ぐで迷いのない気持ちに心を強く揺さぶられて、さっきまでの迷いはすっかり無くなっていた。
「はい。僕もフォーカス様のお側に必ず生きて戻ります。」
フォーカス様は僕の言葉を聞くととても嬉しそうな微笑みを浮かべて、優しく僕に口づけた。
僕の鎧は黒い武具にフォーカス様が今日の為に用意してくれたキラキラする白い鎖帷子で、モノトーン従騎士スタイルだ。とても気に入っている。フォーカス様の前で着て見せた時は、その後の可愛がりが大変だったから随分と気に入ったみたいだ。はは。着心地は案外見かけよりは良くて、フォーカス様の心遣いを感じた。
兜はフォーカス様の前方に突き出た鷹の顔の様なスタイルとは違い、シンプルなものだった。弓隊は邪魔にならない様にこのスタイルが多いのだと兵士長が教えてくれた。
落ち着かない。いくら装備を確認しようが、鎖帷子の強度を確認しようが…。明日、僕は戦場の人となる。それがあまりにも非現実的で、一年前の僕が聞いたら笑っちゃうだろう。
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僕はフォーカス様の腕をそっと握って尋ねた。
「フォーカス様はおいくつの時に初陣だったのですか。」
「…兄上に連れられて、15の時だったな。」
「お兄様がいらっしゃるのですね。15才だなんて、僕より随分幼いです。」
「クク、15才でもシンよりは逞しかった。…兄上は二年前に戦死した。」
僕はフォーカス様の方に向き合ってフォーカス様の顔を見上げた。
「ごめんなさい。僕知らなくて。」
フォーカス様は少し困った顔をして言った。
「謝ることはない。ここでは命の取り合いは普通のことだ。たまたま死んで、たまたま生き残る。だが、生き残る可能性を高くする事は出来るはずだ。それが私たちの訓練で、力で、戦略で。そして生き残って再び会って腕の中に抱きしめたいと人を恋い願う強い気持ちだ。
私は生き残ってこの砦に戻ってくる確信を、今回ほど感じたことがない。必ず勝ってシンの元に戻ることを誓おう。…そしてシンもまた私の元に戻ってくると約束してくれないか。」
僕はフォーカス様の真っ直ぐで迷いのない気持ちに心を強く揺さぶられて、さっきまでの迷いはすっかり無くなっていた。
「はい。僕もフォーカス様のお側に必ず生きて戻ります。」
フォーカス様は僕の言葉を聞くととても嬉しそうな微笑みを浮かべて、優しく僕に口づけた。
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