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はじめての戦
戦況の行方
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僕の裏切りを知らせる高めの叫び声は思いの外響いた。
隊長たちが剣を構えて振り返った時に、寝返りの兵士達は切りかかる寸前だった。
味方の陣での斬り合いは多勢に無勢で、あっという間に隊長らの勝利に終わった。
僕が斬り合いの終わった陣にフーガを駆け寄せると、騎馬の騎士が寄ってきて言った。
「従騎士殿、見事なり!寝返り良く見切ったな!
聞け!戦況は有利!気を緩めず進め!」
騎士がときの声をあげると、後方の陣は地を震わす様な雄叫びを上げて前進した。
日が沈むのを待たずに敵陣は敗走して、味方の勝利に終わった。
僕は周囲の兵士や騎士達からの声がけに応えながら、前方に居るだろうフォーカス様を探しに陣を移動していた。
周囲に目を配りながら端を逆行して進んで行くと、前方から駆け足で馬を走らせた騎士が近づいて来た。
夕日の赤い光を背負った逞しい黒騎士は、鷲型の兜を被って駆けてきた。
「フォーカス様!」
僕は強張っていた身体の力が抜ける様な心持ちだったが、まだ砦の外だったので気を抜けないと奥歯を噛み締めた。
「シン!良く戦った。無事で何より!」
「はい!フォーカス様もご無事で、安堵いたしました!」
僕は震える声を叱咤してフォーカス様の馬体の側にフーガを寄せた。
「…シン、泣くな。生きて会えたではないか。」
フォーカス様が優しく声をかけると、僕はポロポロと涙が頬を伝うのを感じながら前を向いて答えた。
「…泣いておりません。これは汗です。」
フォーカス様が隣で笑った気がしたけれど、僕は会えて嬉しいやら、泣いてしまって恥ずかしいやらでもう隣を見ることができなかった。
砦に戻ると、勝利に沸いた兵士や騎士たちで大騒ぎだった。
砦の高台に立った黒騎士団長が勝利宣言をすると、地響きの様な雄叫びが砦を揺らした。
戦況の報告、検証は次の日にするらしく、砦の人間は無礼講で飲んで食べた。
僕は、要人たちの宴席に参加して、フォーカス様のお側に控えた。
こうして一堂に集まると要人に付き従う従騎士、あるいは騎士たちが案外沢山居ることに気づいた。
普段はフォーカス様の従騎士としての仕事や、弓の訓練ばかりで、他の騎士達との交流はほとんど無い。
僕は興味深い思いで皆の動向を眺めていた。
「シン、そんなに凝視したら皆の気がそぞろになる。
シンは普段フォーカスに隔離されてるから、こうしてシンと同じ立場の仲間と会いまみえた事がないのだろう。
フォーカスよ、少しはシンを解き放ってやれ。フハッハハハ。」
お酒が入った団長がご機嫌になって僕を揶揄ったので、僕は顔が熱くなって俯いた。
「団長、シンに余計な事を吹き込むのはよして下さい。ただでさえシンは他人を無意識にたぶらかすんです。
これ以上ヤキモキさせられるのはごめんです。」
真面目な顔でとんでもない事を言うフォーカス様に、場の皆がドッと笑った。
隊長たちが剣を構えて振り返った時に、寝返りの兵士達は切りかかる寸前だった。
味方の陣での斬り合いは多勢に無勢で、あっという間に隊長らの勝利に終わった。
僕が斬り合いの終わった陣にフーガを駆け寄せると、騎馬の騎士が寄ってきて言った。
「従騎士殿、見事なり!寝返り良く見切ったな!
聞け!戦況は有利!気を緩めず進め!」
騎士がときの声をあげると、後方の陣は地を震わす様な雄叫びを上げて前進した。
日が沈むのを待たずに敵陣は敗走して、味方の勝利に終わった。
僕は周囲の兵士や騎士達からの声がけに応えながら、前方に居るだろうフォーカス様を探しに陣を移動していた。
周囲に目を配りながら端を逆行して進んで行くと、前方から駆け足で馬を走らせた騎士が近づいて来た。
夕日の赤い光を背負った逞しい黒騎士は、鷲型の兜を被って駆けてきた。
「フォーカス様!」
僕は強張っていた身体の力が抜ける様な心持ちだったが、まだ砦の外だったので気を抜けないと奥歯を噛み締めた。
「シン!良く戦った。無事で何より!」
「はい!フォーカス様もご無事で、安堵いたしました!」
僕は震える声を叱咤してフォーカス様の馬体の側にフーガを寄せた。
「…シン、泣くな。生きて会えたではないか。」
フォーカス様が優しく声をかけると、僕はポロポロと涙が頬を伝うのを感じながら前を向いて答えた。
「…泣いておりません。これは汗です。」
フォーカス様が隣で笑った気がしたけれど、僕は会えて嬉しいやら、泣いてしまって恥ずかしいやらでもう隣を見ることができなかった。
砦に戻ると、勝利に沸いた兵士や騎士たちで大騒ぎだった。
砦の高台に立った黒騎士団長が勝利宣言をすると、地響きの様な雄叫びが砦を揺らした。
戦況の報告、検証は次の日にするらしく、砦の人間は無礼講で飲んで食べた。
僕は、要人たちの宴席に参加して、フォーカス様のお側に控えた。
こうして一堂に集まると要人に付き従う従騎士、あるいは騎士たちが案外沢山居ることに気づいた。
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僕は興味深い思いで皆の動向を眺めていた。
「シン、そんなに凝視したら皆の気がそぞろになる。
シンは普段フォーカスに隔離されてるから、こうしてシンと同じ立場の仲間と会いまみえた事がないのだろう。
フォーカスよ、少しはシンを解き放ってやれ。フハッハハハ。」
お酒が入った団長がご機嫌になって僕を揶揄ったので、僕は顔が熱くなって俯いた。
「団長、シンに余計な事を吹き込むのはよして下さい。ただでさえシンは他人を無意識にたぶらかすんです。
これ以上ヤキモキさせられるのはごめんです。」
真面目な顔でとんでもない事を言うフォーカス様に、場の皆がドッと笑った。
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