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二度目の砦生活
夜の国の第二王子
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「状況はどうだ。」
私は明るい金色の長い髪に、赤みの強いトパーズ色の鋭い瞳を揺らしてこちらを見据える御仁の前に跪いた。
「ははっ。滞りなく魔の気配は強まり、我が軍勢の補強も完成されております。殿下のご心配には及びませぬ。」
赤い眼差しは私の顔を見据えて言った。
「前回の様な失態は許されぬ。今回は私が参戦するのだから、王の期待に応えねばならぬ。
ケブラ、楽にせよ。礼は不要だ。
…白の従騎士だが、砦への潜入はどの様な具合だ。」
「はっ、有り難き事。…まだ解明はされていませんが、こちらの手の内の者が捕縛されているのは間違いない様子。あの白の従騎士が関係している可能性もあります。実は白の従騎士が砦に居ない時期は潜入交信が出来たのです。
王都でのあやつの拉致の際も我々が話し出す前に、見破っていたと思われる節がございました。
白の能力のひとつの可能性も浮上しており、ますます目障り極まりないかと。」
私が苛立たしげに報告をすると、フォックス殿下はその鋭利な美しささえ感じる笑みを浮かべると言った。
「目障りだが、全く面白い。異世界からの者というのは、そこまで我々と違うものか。
ケブラ、そちは白の従騎士を見たのだな。あれはお前にはどう見えたのだったか。」
私は、しばし王都で拉致するために話しかけた際の白の従騎士を思い浮かべた。
「確かにこの世界には無い色と見栄えでした。…魅惑的といえばそう言えるやも知れませぬ。
ただ、身体は少年の様に未熟で我らが恐れる様な者ではありませんでした。
白の魔法が我らにとっては面倒とは言え、あやつ1人の事と存じます。」
「ふははは。堅物のケブラにさえ魅惑的と言わしめるとは。俄然興味が湧いてくるわ。何とかして生かして捕らえたいものだが。我が力を持ってすれば捕らえるのも容易。ただどう誘き出すかだが…。」
私は殿下の前にもう一度跪くと、顔を上げて言った。
「私に考えがございます。殿下のお力添えがあれば、あやつの捕縛も可能かと。」
殿下は目をきらめかせて言った。
「なんだ。遠慮せずに申せ。」
「あやつは大層大事にしている騎馬がおります。その馬を使っておびき出せるかと。闇の魔法はあやつに弾かれてしまいますので、殿下も共にその場に立ち会って頂きとうございます。」
殿下は顔を仄かに紅潮させて言った。
「ふははは。馬ごときであやつが釣れるやもとは。全く異世界の人間の考えは我らとは違うとみえる。良かろう。我もそこに行こうぞ。」
私は明るい金色の長い髪に、赤みの強いトパーズ色の鋭い瞳を揺らしてこちらを見据える御仁の前に跪いた。
「ははっ。滞りなく魔の気配は強まり、我が軍勢の補強も完成されております。殿下のご心配には及びませぬ。」
赤い眼差しは私の顔を見据えて言った。
「前回の様な失態は許されぬ。今回は私が参戦するのだから、王の期待に応えねばならぬ。
ケブラ、楽にせよ。礼は不要だ。
…白の従騎士だが、砦への潜入はどの様な具合だ。」
「はっ、有り難き事。…まだ解明はされていませんが、こちらの手の内の者が捕縛されているのは間違いない様子。あの白の従騎士が関係している可能性もあります。実は白の従騎士が砦に居ない時期は潜入交信が出来たのです。
王都でのあやつの拉致の際も我々が話し出す前に、見破っていたと思われる節がございました。
白の能力のひとつの可能性も浮上しており、ますます目障り極まりないかと。」
私が苛立たしげに報告をすると、フォックス殿下はその鋭利な美しささえ感じる笑みを浮かべると言った。
「目障りだが、全く面白い。異世界からの者というのは、そこまで我々と違うものか。
ケブラ、そちは白の従騎士を見たのだな。あれはお前にはどう見えたのだったか。」
私は、しばし王都で拉致するために話しかけた際の白の従騎士を思い浮かべた。
「確かにこの世界には無い色と見栄えでした。…魅惑的といえばそう言えるやも知れませぬ。
ただ、身体は少年の様に未熟で我らが恐れる様な者ではありませんでした。
白の魔法が我らにとっては面倒とは言え、あやつ1人の事と存じます。」
「ふははは。堅物のケブラにさえ魅惑的と言わしめるとは。俄然興味が湧いてくるわ。何とかして生かして捕らえたいものだが。我が力を持ってすれば捕らえるのも容易。ただどう誘き出すかだが…。」
私は殿下の前にもう一度跪くと、顔を上げて言った。
「私に考えがございます。殿下のお力添えがあれば、あやつの捕縛も可能かと。」
殿下は目をきらめかせて言った。
「なんだ。遠慮せずに申せ。」
「あやつは大層大事にしている騎馬がおります。その馬を使っておびき出せるかと。闇の魔法はあやつに弾かれてしまいますので、殿下も共にその場に立ち会って頂きとうございます。」
殿下は顔を仄かに紅潮させて言った。
「ふははは。馬ごときであやつが釣れるやもとは。全く異世界の人間の考えは我らとは違うとみえる。良かろう。我もそこに行こうぞ。」
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