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僕はパンダ族
庭を走る何か
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ロービンとアーチストが心配そうな顔で見つめている事に気づいた僕は、にっこり微笑んで言った。
「窓からの景色が素晴らしいなと思いまして、感動していました。ロービンさま、アーチストさま、おはようございます。
あ、ロービンさま、昨日は塗り薬をありがとうございました。お陰ですっかりアザも消えました。あの生薬は、気味が悪い分効果絶大なんですね。僕、多分寝てしまったのでしょう?すみませんでした。」
僕が塗り薬の事を話し始めると、アーチストはジロリとロービンを見た。ロービンはひと言構わないと言うと、さっさと先にテラスへと歩き出してしまった。
僕がロービンの後ろ姿をキョトンと見つめていると、アーチストが君が使ったのはピンク色だったかいと小さな声で尋ねた。僕は頷いて、あれを思い出して眉をしかめながら、気持ち悪くて自分で使うのはとても無理だったので、ロービンが塗ってくれた事を話した。
アーチストは妙に機嫌良く僕の話を聞いていたけれど、僕がうっかり寝落ちしてしまったところまで話した時に、ちょうどテラスに到着したんだ。ロービンはもう席に着いて紅茶を飲んでいた。僕はテラスから望む、美しく手入れされた広い庭園を茫然と眺めた。THE お城だ。ここは、僕のイメージするイギリスのお貴族さまのお城だ!
お貴族さまの飼うペットはボルゾイとか高そうな犬と相場が決まっているけど、この世界では何を飼うのかな?僕がそんな余計なことを考えたせいなのか、庭を何かが走っていた。
ロービンがピーィと指笛を高らかに鳴らした。するとその何かは向きを変え、真っ直ぐロービン目指して凄い勢いで走ってきた。僕は慌ててアーチストの後ろに隠れた。いやいや、まさかね?
ロービンの足元にシュウシュウ唸りながら纏わりつくそれは、コモドオオトカゲによく似ていた。僕もテレビでしか見たことはないけれど、確かめっちゃ凶暴だったそれにそっくりだった。
その大きなトカゲをロービンはパンパンと叩くと、首輪に付いている赤い石に指を押しつけて何か呟いた。そしてアーチストの後ろに隠れていた僕を手招きした。
「マモル、ちょっとこっちにおいで。」
僕はアーチストの背中のシャツを掴みながら、顔だけ覗かせて首をぶんぶん振って言った。
「だめです!噛まれます!無理!怖い!」
僕はちょっとしたパニックになっていたみたいだ。するとアーチストが僕の手をぎゅっと握ってロービンのところまで引き摺っていったんだ。…酷い。アーチストの馬鹿!
「窓からの景色が素晴らしいなと思いまして、感動していました。ロービンさま、アーチストさま、おはようございます。
あ、ロービンさま、昨日は塗り薬をありがとうございました。お陰ですっかりアザも消えました。あの生薬は、気味が悪い分効果絶大なんですね。僕、多分寝てしまったのでしょう?すみませんでした。」
僕が塗り薬の事を話し始めると、アーチストはジロリとロービンを見た。ロービンはひと言構わないと言うと、さっさと先にテラスへと歩き出してしまった。
僕がロービンの後ろ姿をキョトンと見つめていると、アーチストが君が使ったのはピンク色だったかいと小さな声で尋ねた。僕は頷いて、あれを思い出して眉をしかめながら、気持ち悪くて自分で使うのはとても無理だったので、ロービンが塗ってくれた事を話した。
アーチストは妙に機嫌良く僕の話を聞いていたけれど、僕がうっかり寝落ちしてしまったところまで話した時に、ちょうどテラスに到着したんだ。ロービンはもう席に着いて紅茶を飲んでいた。僕はテラスから望む、美しく手入れされた広い庭園を茫然と眺めた。THE お城だ。ここは、僕のイメージするイギリスのお貴族さまのお城だ!
お貴族さまの飼うペットはボルゾイとか高そうな犬と相場が決まっているけど、この世界では何を飼うのかな?僕がそんな余計なことを考えたせいなのか、庭を何かが走っていた。
ロービンがピーィと指笛を高らかに鳴らした。するとその何かは向きを変え、真っ直ぐロービン目指して凄い勢いで走ってきた。僕は慌ててアーチストの後ろに隠れた。いやいや、まさかね?
ロービンの足元にシュウシュウ唸りながら纏わりつくそれは、コモドオオトカゲによく似ていた。僕もテレビでしか見たことはないけれど、確かめっちゃ凶暴だったそれにそっくりだった。
その大きなトカゲをロービンはパンパンと叩くと、首輪に付いている赤い石に指を押しつけて何か呟いた。そしてアーチストの後ろに隠れていた僕を手招きした。
「マモル、ちょっとこっちにおいで。」
僕はアーチストの背中のシャツを掴みながら、顔だけ覗かせて首をぶんぶん振って言った。
「だめです!噛まれます!無理!怖い!」
僕はちょっとしたパニックになっていたみたいだ。するとアーチストが僕の手をぎゅっと握ってロービンのところまで引き摺っていったんだ。…酷い。アーチストの馬鹿!
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