僕が獣人?いいえ、人間です。内緒ですけど。

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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僕はパンダ族

トカゲは楽しい

結論から言うと、トカゲに乗るのは楽しかった。僕は一度観光地でやった乗馬体験を参考にイメージして乗ったんだけど、トカゲの動きの方が浮く感じが無くて、それなのにスピードが速いので不思議な感じだった。

トカゲの背中の鞍が初心者用の背面も付いてるタイプだった事もあって、落トカゲする怖さもほとんど無かった。このトカゲさん、見かけよりずっとおとなしいみたいだ。


しかもクタクタになって、トカゲさんから降りることをようやく許されて、地面でふらついた際、トカゲさんはそっと腕?脚?を出して僕を支えてくれた気がする。僕はトカゲさんの大きな丸い目を覗き込んで、首元をパンパンと叩いて言った。

「トカゲさん、僕に付き合ってくれてありがとね。君に乗るのは凄く楽しかったよ。君が僕を乗せるのは大変だっただろうけど、今度はもっと上手に頑張って乗るからね。ありがと。」


そう言って、トカゲの鼻先を優しく撫でた。トカゲは細い舌をニュルリと伸ばすと僕の手を舐めた。僕はトカゲさんが懐いてくれた嬉しさとくすぐったさ、トカゲに乗れた安堵感、達成感で気分がハイになっていたんだろう。馬鹿みたいに笑っていたんだ。

そんな僕を呆然と副兵士長とロービンが見てたなんて、全く気づかなかった。クタクタになった僕は、股関節が筋肉痛でそれこそ生まれたての子鹿のような歩き方で、黙りこくったロービンに手を引かれて戻った。

訓練場の入り口でヨボヨボの僕を見たアーチストには大笑いされたけど、この短い時間でトカゲに乗れたと聞くと、びっくりされた。え?僕ってもしかして凄いの?やば。異世界適応力、半端ない。


僕はニヤニヤしながら、自分の部屋へ着替えに戻った。正直、疲れ切って食欲がなかったので、少し昼寝をしたいと思った。シャワーを浴びてスッキリした僕は、用意されていたローブを羽織ると一直線にベッドへ飛び込んだ。

その時僕は汗をかいたのですっきりしたくて、髪を洗っていたんだ。僕は浮かれてたし、疲れていたし、あっという間に夢の中だった。だから、すっかりつけ耳のことなんて意識のはるか彼方に置き去りだった。そう、もし誰かが部屋に入って来なければ誰にも気づかれることなく、全く問題がないはずだったんだ。


ぐっすり眠り込んだ僕が、夢の中で楽しくトカゲさんに乗っている頃、部屋に入って来た人物は僕を見下ろしてそっと髪を撫でた。そして頬に手を伸ばすと、ゆっくり髪を持ち上げて僕の毛の生えていないツルツルの耳をじっと見つめていたんだ。

僕は全然気がつかなかったけどね?



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