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僕はパンダ族
ロービンside大叔父の登場
私とアーチストと護衛副兵士長は、迎えにきた執事に連れられて機嫌良くも、ヨロヨロしながら立ち去っていくマモルを黙って見送っていた。口火を切ったのはアーチストだった。
「なぁ、どういうことなんだ?あんな短い時間でマモルはトカゲに乗れるようになったとでもいうのか?」
私と副兵士長は顔を見合わせて戸惑い気味に頷いた。私はアーチストに説明した。
「私も見てなければそんなの信じられなかったさ。相変わらず乗る前、マモルはトカゲ自体を怖がっていたんだ。でも実際乗ったらどうだ。あっという間に乗りこなした。しかもそれだけじゃ無い。
トカゲ乗りの1番の関門は知ってるだろう?トカゲと心を交わす事だ。それが出来なければ例え乗れたとしても、気を抜けばあっという間に振り落とされる。トカゲは容赦ないからな。だからある程度の時間をかけてトカゲに慣れる必要があるんだ。
私は体力的に限界だったマモルがふらつきながら降りた時に、トカゲに弾かれると思って助けに行こうとしたんだ。でもふらつくマモルをトカゲが腕を出して支えたんだ。そんなの見たことあるか?
しかも、そんなトカゲにマモルは首筋をパンパンと叩くと何か話しかけてた。それから鼻の頭を優しく撫でたんだ。王都のトカゲ騎乗の達人でも初めて乗ったトカゲにそれが出来るのは何人いる事か。
私は流石にトカゲに蹴られると思ったさ。でもトカゲは蹴るどころか、舌を伸ばしてマモルの手を舐めた。目の前で起こった事が信じられないよ。」
副兵士長も頷きながら、言った。
「私でも、慣れた相棒のトカゲに舐められた事はありませんね。あれは一種の庇護を示すんです。あのトカゲはマモルを自分が守るべき者として認識したって事です。…つくづくパンダ族というのは、他の獣人とは一線を画してますね。」
アーチストは、只々信じられない顔で私たちの話を聞いていた。すると後ろから不意に声が掛かった。
「随分興味深い話だな。それが例のパンダ族の少年の話かい?ふむ、実際お目にかかりたいね。」
私が驚いて声の主へと視線を動かすと、そこにはいつも通りに年齢不詳な大叔父が立っていた。大叔父は母方のお祖父様の歳の離れた弟で、遠い親戚筋のリットン伯爵を継いでいる。妻も子供も持たずに、研究一筋なので誰かがリットン伯爵家を継ぐ事になるだろう。
しかし大叔父は研究ばかりで世俗に染まっていないせいなのか、50歳だというのに見た目は随分若く見える。私の父が41歳だけれど、ほとんど同世代に見えるのだ。そんな大叔父が、マモルの事に食いついてきた。私はなぜか妙に嫌な予感がしたんだ。
「なぁ、どういうことなんだ?あんな短い時間でマモルはトカゲに乗れるようになったとでもいうのか?」
私と副兵士長は顔を見合わせて戸惑い気味に頷いた。私はアーチストに説明した。
「私も見てなければそんなの信じられなかったさ。相変わらず乗る前、マモルはトカゲ自体を怖がっていたんだ。でも実際乗ったらどうだ。あっという間に乗りこなした。しかもそれだけじゃ無い。
トカゲ乗りの1番の関門は知ってるだろう?トカゲと心を交わす事だ。それが出来なければ例え乗れたとしても、気を抜けばあっという間に振り落とされる。トカゲは容赦ないからな。だからある程度の時間をかけてトカゲに慣れる必要があるんだ。
私は体力的に限界だったマモルがふらつきながら降りた時に、トカゲに弾かれると思って助けに行こうとしたんだ。でもふらつくマモルをトカゲが腕を出して支えたんだ。そんなの見たことあるか?
しかも、そんなトカゲにマモルは首筋をパンパンと叩くと何か話しかけてた。それから鼻の頭を優しく撫でたんだ。王都のトカゲ騎乗の達人でも初めて乗ったトカゲにそれが出来るのは何人いる事か。
私は流石にトカゲに蹴られると思ったさ。でもトカゲは蹴るどころか、舌を伸ばしてマモルの手を舐めた。目の前で起こった事が信じられないよ。」
副兵士長も頷きながら、言った。
「私でも、慣れた相棒のトカゲに舐められた事はありませんね。あれは一種の庇護を示すんです。あのトカゲはマモルを自分が守るべき者として認識したって事です。…つくづくパンダ族というのは、他の獣人とは一線を画してますね。」
アーチストは、只々信じられない顔で私たちの話を聞いていた。すると後ろから不意に声が掛かった。
「随分興味深い話だな。それが例のパンダ族の少年の話かい?ふむ、実際お目にかかりたいね。」
私が驚いて声の主へと視線を動かすと、そこにはいつも通りに年齢不詳な大叔父が立っていた。大叔父は母方のお祖父様の歳の離れた弟で、遠い親戚筋のリットン伯爵を継いでいる。妻も子供も持たずに、研究一筋なので誰かがリットン伯爵家を継ぐ事になるだろう。
しかし大叔父は研究ばかりで世俗に染まっていないせいなのか、50歳だというのに見た目は随分若く見える。私の父が41歳だけれど、ほとんど同世代に見えるのだ。そんな大叔父が、マモルの事に食いついてきた。私はなぜか妙に嫌な予感がしたんだ。
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