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友情の証

リチャードside煽られて

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マモルの柔らかな手を揉み解すことが、こんなにも官能的だとは思わなかった。想像以上にハンドマッサージなるものは、やられる方も、やる方も何ともゾクゾクするものだった。

ヌチャヌチャと立てる音は何とも卑猥だ。その上目の前でうっとりと目を閉じて、時々眉をしかめながら少し開いた唇から、吐息を微かな呻き声と共に発するマモル。


私は先ほどマモルが無意識に言ったセリフに、思わず煽られて股の間が熱くなった事を思い出した。

『リチャードさんのは大きくて逞しいから、僕、壊されちゃいそう…。痛くない様に、優しくお願いしますね?』

マモルは手のことを言っただけなのに、全然違う閨の事を言ってるかの様で、流石の私も動揺を隠せなかった。一方で、マモルがあちこちでこんな風に無自覚に周囲を煽っているとしたら、それはそれで頭の痛い事だ。


実際、公開演習の勝者たちにご褒美でマッサージしたと言ってたではないか。くそっ。16、7歳程度の一番馬鹿みたいにがっついている野獣たちがマッサージでどうなったかは推して知るべしだ。

マモルの様子では特に酷い目には遭っていない様だけれど…。

「あぁ、リチャードさん…。凄い気持ちいい…。」


マモルの甘く強請るような囁きに、私はすっかり兆してしまった。心なしかマモルは少し赤らんだ顔が汗ばんでいて、それは私の想像力を更に掻き立てた。

私はこれ以上は限界を感じて、何も考えずに指のマッサージに移った。しかしそこでも私は、マモルのシンボルについて想像してしまって、自分で自分を追い込んでしまった。


「…リチャードさん?」

考え込みすぎて私の手が止まっていたのか、マモルは心配そうに私を覗き込んだ。

「もう大丈夫ですよ。はぁ、凄い気持ち良かったです。リチャードさんはマッサージのセンスが有りますね。僕より全然上手ですよ?」

そう言って私から手を引き抜くと、ボウルに手を浸してタオルで水気を拭った。


私は、やってない方のマモルの手を掴むと、酷く掠れてしまった声で言った。

「こちらはまだだ。…両方やらなきゃ。」

マモルは少し戸惑った顔で私を見つめていたけれど、急に顔を赤らめて言った。

「…何だかリチャードさん、いつもと違うから僕ソワソワしちゃいます…。じゃあ、お言葉に甘えてお願いしちゃおうかな?」

そう言って恥ずかしそうに微笑むマモルに、ますます煽られてしまった。

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