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家出
螺旋の先
目をつぶってユニコーンの角に触れた瞬間、僕は渦巻く青い世界へ、ジェットコースターに乗っている様な凄い力で吸い込まれていった。
悲鳴も上げられない恐ろしい眩暈が終わった時、僕は恐る恐るうずくまった地面に手をついて、ゆっくりと目を開けた。まだ微かにふらつく身体を感じながら、僕は頭上を見上げた。
僕は渦巻きの中を回りながら落ちてきた気がしたからだ。案の定、遥か彼方の頭上に空の様な空間が小さく空いていた。立っている場所に近づくにつれて周囲の螺旋の岩肌が青く濃くなっていた。
まるでユニコーンの角の中の様だと思ったのは、案外間違っていないのかもしれない。僕が立っている場所は見える範囲で青く霞んでいた。
ふと、こちらに何者かがゆっくりと近づいて来た。それは真っ白としか形容できない人間の様に見えるモノだった。近づくにつれて、真っ白な長い髪に青白い肌、深海の青さを感じる瞳は鋭く、白い美しい衣装を着た見上げる様な背の高い美丈夫だと分かった。
僕は2mほどの距離に近づいた美丈夫を、じっと見つめていたけれど、何も言われないので思い切って尋ねた。
「…ユニコーンさん?」
美丈夫は、血の気が無い薄い唇を緩ませて答えた。
「ほう、ここに来ても特にダメージも無いと見える。さすが竜の見初めた人間ぞ。」
そう言われて、僕は自分の身体のあちこちを撫でて確認した。もしかして手足が千切れていても分からなくなってるかもしれないと焦ったからだ。
大丈夫。全部揃ってる。僕が安心してユニコーンさんを見上げると、さっきよりも面白そうなものを見るような眼差しで僕を見つめていた。
「かははは。何だ、手足が千切れてるかと思ったのか?さっきのアレは冗談だ。契約の度に血飛沫が上がっては、我も興ざめじゃ。契約に適応しない者は、ここに辿り着くことも叶わぬ。
そして身体はそのままだが、意識は混濁してしまう事はある。お前のように、ここに落ちてきてその様にまともでいられる方が珍しいのだ。…竜も其方を私に託すわけだ。
ひとつ尋ねよう。其方は竜の生態を知っておるか?…竜の命は千年ぞ。一方そちの命はせいぜい…。ふむしばらく人間に会わないうちに寿命が伸びている様だが、それでも90年ほどだろう。
其方は竜の願いが分かるか?まだ竜人化してもせいぜい8歳ほどの、あの孤独な竜の願いをな。」
悲鳴も上げられない恐ろしい眩暈が終わった時、僕は恐る恐るうずくまった地面に手をついて、ゆっくりと目を開けた。まだ微かにふらつく身体を感じながら、僕は頭上を見上げた。
僕は渦巻きの中を回りながら落ちてきた気がしたからだ。案の定、遥か彼方の頭上に空の様な空間が小さく空いていた。立っている場所に近づくにつれて周囲の螺旋の岩肌が青く濃くなっていた。
まるでユニコーンの角の中の様だと思ったのは、案外間違っていないのかもしれない。僕が立っている場所は見える範囲で青く霞んでいた。
ふと、こちらに何者かがゆっくりと近づいて来た。それは真っ白としか形容できない人間の様に見えるモノだった。近づくにつれて、真っ白な長い髪に青白い肌、深海の青さを感じる瞳は鋭く、白い美しい衣装を着た見上げる様な背の高い美丈夫だと分かった。
僕は2mほどの距離に近づいた美丈夫を、じっと見つめていたけれど、何も言われないので思い切って尋ねた。
「…ユニコーンさん?」
美丈夫は、血の気が無い薄い唇を緩ませて答えた。
「ほう、ここに来ても特にダメージも無いと見える。さすが竜の見初めた人間ぞ。」
そう言われて、僕は自分の身体のあちこちを撫でて確認した。もしかして手足が千切れていても分からなくなってるかもしれないと焦ったからだ。
大丈夫。全部揃ってる。僕が安心してユニコーンさんを見上げると、さっきよりも面白そうなものを見るような眼差しで僕を見つめていた。
「かははは。何だ、手足が千切れてるかと思ったのか?さっきのアレは冗談だ。契約の度に血飛沫が上がっては、我も興ざめじゃ。契約に適応しない者は、ここに辿り着くことも叶わぬ。
そして身体はそのままだが、意識は混濁してしまう事はある。お前のように、ここに落ちてきてその様にまともでいられる方が珍しいのだ。…竜も其方を私に託すわけだ。
ひとつ尋ねよう。其方は竜の生態を知っておるか?…竜の命は千年ぞ。一方そちの命はせいぜい…。ふむしばらく人間に会わないうちに寿命が伸びている様だが、それでも90年ほどだろう。
其方は竜の願いが分かるか?まだ竜人化してもせいぜい8歳ほどの、あの孤独な竜の願いをな。」
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