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三好家の末っ子

デートの余波

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僕は何だか凄くドキドキした。デートって単純に友達と遊びに行くのとはちょっと違うな。スキンシップが多いし、何かそれも顔が赤面する類いだ。月曜日に学校で悠太郎に会った時に、挙動不審になりそうだ。

僕はちょっと呆然としてたみたいで、夕食の時間に涼兄に問い詰められた。

「どうしたんだ、理玖。今日は随分ぼうっとしてるな。」

母さんはクスクス笑いを噛み殺しながら僕を見つめていたけれど、黙ってられなかったみたいで暴露してしまった。


「理玖は今日、例のデート体験日だったのよ?悠太郎君が随分張り切ったみたいで、理玖はすっかり参っちゃったみたいね?」

すると涼兄は指先をコツコツ鳴らして言った。

「小学生でデートする必要あるのか?…特に理玖は、必要ないだろ?」

僕はぼやけた意識を覚醒させて、喧嘩腰に言った。

「涼兄は小学生の時、デートしなかったの?!ミコトがみんなデートくらいしてるって言ったんだけど。」


涼兄は咳払いするとチラッと物言いたげな母さんを見て、急に大きな声で言った。

「俺はデートじゃなくて遊びに行っただけだ。理玖は悠太郎とどんなデートしたんだ?…まさかキスとかしてないだろうな。」

涼兄と母さんの目が僕に集まった。僕はモゴモゴと口いっぱいに食事を詰め込むと何も喋りませんとアピール。丁度その時、ダイニングのドアが開いて、眉をしかめた彗兄が帰ってきた。


「…理玖と一緒に帰ってきたのって誰なんだ?お隣さんがさっき、理玖君頬っぺたにチューされてましたよって教えてくれたんだけど。」

僕は食べ物が喉に詰まって、慌ててお水をゴクゴクと飲み干した。そして飲み干して人心地ついた僕の前に三人の険しい眼差し…。結局、デートの大体のところは白状する羽目になって、僕は精神がズタボロになって部屋に戻った。

多分、僕はもうデートしない。こんな公開処刑されるんなら、もう二度とごめんだ。


ベッドに転がりながら、でもデートって思いの外楽しいと思った。ある意味イチャイチャしながら遊びに行くのは、普通に遊ぶ時よりもドキドキする。僕はこのドキドキがどこかで感じたドキドキと一緒だなと思ったけれど、それをどこで感じたのか分からなかった。

その夜、僕はふわふわした気持ちでピンク色の夢を見た。誰かは分からなかったけれど、ぎゅっと抱きしめられた。僕はどこかで嗅いだことのある甘い匂いにもっとぎゅってして欲しくなった。夢の中で唇に柔らかいものが触れて、僕はもっとドキドキしてしまった。


翌朝、僕のパンツが濡れていた。僕はその日初めて夢精したんだ。
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