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変わるもの、変わらないもの
篤哉sideあの少年
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俺は居ても立っても居られなかった。なぜか俺の番に会わないといけないと思った。とはいえ、自分もまだ身動き出来ない状況なのは確かだ。丁度その時ドクターの回診があったので、俺はドクターに尋ねた。
「あのっ、車椅子使って病院内を動いても大丈夫ですか?」
ドクターは俺の顔を見つめると言った。
「まだ術後で腫れも有るでしょうが、リハビリもしていかなくてはいけませんね。看護師と一緒なら多少は良いでしょう。…三好君は隣の病室です。
まだ、意識が戻ってませんが、三好君は東君の番ですから顔を見るくらいは大丈夫ですよ。必ず理学療法士と看護師に付き添ってもらって下さい。…東君の記憶も戻り易くなるかもしれませんね。」
俺は微笑むドクターに感謝してお礼を言うと、午後の部屋での理学療法士とのリハビリ後、車椅子で『俺の番』である三好理玖くんの病室へ行くことにした。
ソワソワする気持ちを抱えたままリハビリを終えた俺は、理学療法士と看護師に手伝ってもらい慎重に車椅子に乗り移った。ゆっくりと移動しながら、廊下から直ぐ隣の部屋のスライドドアを見つめた。
何だか怖い気がした。もしあの夢で見た少年じゃなかったら?番になった涼介の弟のことをまるっきり憶えていない俺は、自分でもホントあり得ないと感じるんだ。会いたいけど、怖い。
そんな気持ちを置き去りに、看護師はドアを開けて俺を部屋へ押し込んだ。
その瞬間、フワッと香る甘い匂いに俺は顔を強張らせた。この匂いは知ってる。懐かしくも、胸を高鳴らせる匂いだ。閉じられたカーテンが看護師の手で開けられると、そこにはやはり、あの夢で会った少年が目を閉じて横たわっていた。
規則正しく鳴る機械音に包まれて、ゆっくりと胸が上下するあの少年の顔は青ざめていて、儚げに見えた。俺は妙に緊張して喉仏をごくりと動かした。
「…理玖…くん。」
俺の口から出たその単語は何だか懐かしさを感じる様な、不思議な心持ちにさせた。もっと近づいて理玖くんの顔を近くで見たかった。
けれど骨折した脚を乗せるための車椅子ではベッドに近づけなかった。看護師がもう部屋に戻りましょうと誘導したので、俺は後ろ髪を引かれる思いで、渋々頷いた。その時ベッドサイドのモニターがアラームを鳴り響かせた。
ハッとしてモニターを見つめると、心拍の上昇を示していた。俺が理玖くんの顔を見ると、変わらない静かな顔で目を閉じたままだった。
モニターをチェックした看護師が俺と理玖くんの顔を交互に見ると、誰に言うともなく呟いた。
「三好君は、きっと番である東君の事がわかったんでしょうね。こんなに心拍が上がるなんて、個室に移ってからは報告が無かった様に思います。三好君も早く東君の顔を見たいでしょうに…。」
「あのっ、車椅子使って病院内を動いても大丈夫ですか?」
ドクターは俺の顔を見つめると言った。
「まだ術後で腫れも有るでしょうが、リハビリもしていかなくてはいけませんね。看護師と一緒なら多少は良いでしょう。…三好君は隣の病室です。
まだ、意識が戻ってませんが、三好君は東君の番ですから顔を見るくらいは大丈夫ですよ。必ず理学療法士と看護師に付き添ってもらって下さい。…東君の記憶も戻り易くなるかもしれませんね。」
俺は微笑むドクターに感謝してお礼を言うと、午後の部屋での理学療法士とのリハビリ後、車椅子で『俺の番』である三好理玖くんの病室へ行くことにした。
ソワソワする気持ちを抱えたままリハビリを終えた俺は、理学療法士と看護師に手伝ってもらい慎重に車椅子に乗り移った。ゆっくりと移動しながら、廊下から直ぐ隣の部屋のスライドドアを見つめた。
何だか怖い気がした。もしあの夢で見た少年じゃなかったら?番になった涼介の弟のことをまるっきり憶えていない俺は、自分でもホントあり得ないと感じるんだ。会いたいけど、怖い。
そんな気持ちを置き去りに、看護師はドアを開けて俺を部屋へ押し込んだ。
その瞬間、フワッと香る甘い匂いに俺は顔を強張らせた。この匂いは知ってる。懐かしくも、胸を高鳴らせる匂いだ。閉じられたカーテンが看護師の手で開けられると、そこにはやはり、あの夢で会った少年が目を閉じて横たわっていた。
規則正しく鳴る機械音に包まれて、ゆっくりと胸が上下するあの少年の顔は青ざめていて、儚げに見えた。俺は妙に緊張して喉仏をごくりと動かした。
「…理玖…くん。」
俺の口から出たその単語は何だか懐かしさを感じる様な、不思議な心持ちにさせた。もっと近づいて理玖くんの顔を近くで見たかった。
けれど骨折した脚を乗せるための車椅子ではベッドに近づけなかった。看護師がもう部屋に戻りましょうと誘導したので、俺は後ろ髪を引かれる思いで、渋々頷いた。その時ベッドサイドのモニターがアラームを鳴り響かせた。
ハッとしてモニターを見つめると、心拍の上昇を示していた。俺が理玖くんの顔を見ると、変わらない静かな顔で目を閉じたままだった。
モニターをチェックした看護師が俺と理玖くんの顔を交互に見ると、誰に言うともなく呟いた。
「三好君は、きっと番である東君の事がわかったんでしょうね。こんなに心拍が上がるなんて、個室に移ってからは報告が無かった様に思います。三好君も早く東君の顔を見たいでしょうに…。」
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