妊娠したのはごめんなさい、でも結婚はしません!

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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極上のお気に入り※

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 会食の予定が急遽入ったとは言え、今週末薫との約束を楽しみにしていた蒼一郎は朝からイラつきを隠せない。薫と美味しい寿司を食べたくて、普段要望が無い薫を驚かせようとようやく押さえた拘りの店だっただけに残念で堪らない。

 早めに予定を入れたく無いと言う薫の希望で、毎回直前に会う約束を取り付けるメッセージを送るのにもだいぶ慣れて来た。

 一方でこのやり方は、忙しい蒼一郎にとってはありがたい面もある。前日になって急遽予定が変わる事など少なく無いからだ。自分の仕事の流れを理解している薫ならではの優しさの様な気もしてくる。


 もっとも反対に薫が捕まらない時もある訳で、そんな時はいったい誰と会っているのだろうかと考えない事もない。けれども薫はあっけらかんと、そんな疑惑を吹き飛ばすかの様に笑うのだ。

 会社の人たちとバーベキューに行っていたとか、親戚が上京してたとか、こちらに全く疑念を挟む余地を与えない。

「ふふ、蒼一郎って案外独占欲が強いんだね。僕が考える愛人てのは、そうやって詮索される様な尻軽じゃないよ。だいたい蒼一郎に満足できなかったら、とっくに関係解消してると思わない?

 …僕は複雑なのはごめんなんだ。」


 薫は時々こんな風に少し表情が陰ることがある。詳しく聞いたわけではないけれど、過去に嫌な経験をしたのかもしれない。プライベートでは、時に毒舌で生意気な面があるのが顔と似合っていなくて、蒼一郎はそんな所も薫を気に入っている点だった。

 急いで自宅に到着すると、浴室から薫の気配がする。約束の時間より早めに来ていた事に笑みが浮かぶ。連絡の返事が素っ気ない既読だけのせいで、本当に来てくれるのか確信が持てないせいだ。

 都合が悪ければそう言ってくるので、多分大丈夫なのだと思いつつ、それでも実際に薫の存在を感じてホッとする。


 風呂上がりの薫からバスタオルを奪って濡れた身体を拭いてやるのは、普段素っ気ない薫を愛人モードにする為に蒼一郎が見出した方法だった。

 世話を焼かれる事を必要としない薫だからこそ、こうして手を掛けてやる事で身に纏っている空気が緩むのを感じる。今まで蒼一郎が付き合って来た相手は自分から甘えて来る事が多かったからこそ、こんなちょっとした事が新鮮に思える。

 しなやかな身体がバスローブに巻き取られる前にお披露目された、薫の丸くて白い尻を目の端に映して、蒼一郎はこれから始まる長い夜を期待して思わずニンマリした。


 未だにそんな蒼一郎を少し睨んで照れ隠しする薫が、演技でもなく素なのがまた驚きなのだ。初めて身体を重ねた日の開かれ具合は、薫の口から明らかにされた禁欲的とでも言う様な生活が証明した様なものだった。

 あの見かけで誘惑を振り切って来たのが不自然に思えるけれど、本人曰くは面倒だからのひと言で終わってしまう。かと言って触れればまるで水を得た魚の様に本能を見せつけるかの如く乱れるのだから、何ともアンバランスで魅力的だった。


 シャワーを浴びながらそんな事を考えていたせいか、身体はすっかり目覚めてしまった。前回から日が空いたのも手伝って、蒼一郎は気もそぞろに腰にタオルを巻いたままリビングへと向かった。

 窓際でシャンパングラスを傾けながら夜景を眺めている薫に近づくと、薫がゆっくり振り返った。

「蒼一郎も何か飲む?」

 蒼一郎は薫に両腕を回しながら、手のグラスに口元を差し出した。


 クスリと喉奥で笑う音を聞きながら、薫から飲ませて貰うスパークリングワインはやはり甘い。

「甘いな…。」

「ふふ、自分で買ったくせに。」

 グラスを取り上げて側のテーブルに置くと、蒼一郎は薫と視線を絡ませ合って唇を合わせた。さっきと違って貪欲なその唇はお互いの息を飲み込みながら舌を撫で合って、吸い尽くす。

 くぐもった薫の甘い呻き声が聞こえると、蒼一郎はますますがっちりと薫を腕の中に縛り付けて逃げ出せない様に閉じ込めた。


 細身ながら筋肉がバランス良くついた身体は、鍛えられた気配を感じる。スポーツでもしていたのかと話す暇もない程に、お互いの欲望をぶつけ合ってばかりだと蒼一郎は可笑しな気持ちになった。

 けれど時間が無い中、相性の良い薫とこうして向き合ってしまうと、馬鹿みたいに欲望に溺れてしまうのだからしょうがなかった。

 腕の中でぐったりと力を抜く薫をベッド迄連れ出して、腰掛けた蒼一郎は興奮で震える指を自覚しながら目の前に立った薫のバスローブを解き放った。


 目の前で主張する赤く色づいた胸の印は大きく膨らんで見える。こんな風に色っぽい胸元は薫以外は見た事がなかった。蒼一郎は指先でゆっくりと撫で回して、その硬さを増した突起が指に反発するのを楽しんだ。

「ううん…、凄い気持ち良い…。」

 薫はうっとりと瞼を重くしながら、その細めた隙間から黒い瞳孔を蒼一郎に向けた。蒼一郎は見せつける様に目を合わせながら、薫の赤く尖ったそれを咥えた。


 甘い呻き声が部屋に響く中、蒼一郎は口の中で薫の突起を転がしながら、身体をぶるりと震わせる薫の下半身に手を伸ばす。すっかり持ち上がった薫自身を空いた手で優しく撫でると、薫は我慢出来ない様子で下半身を蒼一郎の手に押し付けて来た。

 期待通りに手の中でゆっくりしごくと、ぬるみのあるそれはますます水気を増して手の中でいやらしい音を立て始めた。

「…ぐちょぐちょだな。」

「んぅふ、久しぶり、だから…。」

「一人でもしなかったのか?」

「ん…。蒼一郎がいい、から…。」


 ベッドでは妙に素直になる薫は、ある種饒舌になる。普段素っ気ない程にクールなので、ベッドでの豹変ぶりに蒼一郎はますます燃え上がってしまう。まして自分としたいから禁欲してたと可愛い事を言われては、蒼一郎も張り切るしかなかった。

 ドサリと薫をベッドに押し倒すと、薫が嬉し気に蒼一郎の股間に目をやった。

「…蒼一郎も凄いね?」

 そう言いながら手を伸ばした薫は、遠慮なく猛々しく反り上がったそれを掴むと、浅い息を吐きながら魅入られた様子で手を動かし始めた。緩急つけながら巧みに弄られて、蒼一郎も胸の先が硬くなる。


 しばらく薫の好きにさせていた蒼一郎だが、流石にこのまま出すつもりもなくて、悪戯な薫の手を掴んで剛直から遠ざけると、不満気な薫の唇を奪った。

「さあ、私にも可愛がらせてくれ。」

 そう言って蒼一郎が身を起こすと、薫は色っぽく流し目を送りながら自分から両脚を抱えて開いて見せた。その仕草に蒼一郎の股間は一際ズクリと持ち上がって、張り詰めたそれを濡らしてしまう。


 蒼一郎が形の良い薫の昂ぶりに舌を這わせながら、一方でジェルを塗り込める様に指を優しく動かすと、薫は首を反らしてその快感を味わった。重ねた指が薫の中に呑み込まれる度に薫のハスキーな嬌声は高くなって、まるで楽器のようだと蒼一郎は笑みを浮かべた。

 自分と愛人関係になってから最初に感じた頑なさは今はもう感じない。それどころか指が解すにつれ薫の窪みは熟れた果肉の様に柔らかくねっとりと指に絡みつく様だ。

 この中に自分の猛々しく反り上がった股間を突き立てる事を想像して、蒼一郎は無意識に腰を揺らめかした。


 薫がヒクヒクと身体を震わせるのを見下ろしながら、蒼一郎はもう一度魅力的な赤い突起に吸い付いてから、薫に覆い被さって囁いた。

「挿れるぞ…。」

「うん…、早く挿れて…。僕もう待てないよ、…あっ、うぁっ、ああっ、あぁ…!」

 抵抗をねじ伏せる様に腰を突き出して反り上がった昂りを突き立てれば、薫の中が蒼一郎のそれを柔らかくも締め付けて思わず息を詰めてしまう。腰を揺さぶって馴染ませる様に奥まで届かせれば、動く度に薫が甘く呻いてますます離さないとばかりに絡みついた。


 この圧倒的な唯一無二の感触に、蒼一郎が一瞬で魅了されたといっても良かった。薫がいわゆる名器であるのは間違いないだろうけれど、これに耐えて薫をとことん悦ばせる事が出来る人間もそう居ないだろう。

 蒼一郎はまるで頼まれていないのにそれが使命とばかりに、額に汗を滲ませながら薫をゆっくりと何度も抉った。

 感じやすい場所を蒼一郎の張り出した先端で撫で回されて、薫もまたその絶頂の崖っぷちを耐えてるのか、蒼一郎にしがみついた指先は強くなり後で赤い指跡がつくのだろう。


 時間が残っていないのを感じた蒼一郎はやおら身体を引き起こすと、薫の片足を肩に掛けて結合を深くして腰を容赦なく振り立てた。ビクビクと締め付ける薫の絶頂の中、蒼一郎自身も快感の頂き目指して無我夢中になって追い込み弾けた。

 瞼がピクピクするのを感じながら、蒼一郎は余韻を楽しむかの様にゆっくりと自分の長いそれで薫の中を撫で付ける。まるで孕ませようとしている様だと自身を揶揄いながら、蒼一郎はドサリと薫の隣に横たわった。

 ぐったりと目を閉じて肩で息をしている薫が目を覚ますのを待ちながら、蒼一郎は薫の顔を曇らせる原因を知りたいと思い始めていた。この極上の身体だけ与えられるだけでは、蒼一郎はもう満足出来なくなっているのかもしれなかった。

















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