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親友が恋人に変わる時

大学生活

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人生をひっくり返すような高校生活が終わって、そんな中でも生徒会長という重責をやり遂げた俺は、大学生になった。
俺たち付属組は、そのまま英明学園大学へと進学した。

小学部からの付属組はそのまま進学する奴らが多い。というかほとんどだ。もちろん大学からの学生も半分くらいを占めるので、新顔も多く新鮮だ。


とはいえ俺たちは気安さから、ついつい顔馴染みのメンバーでつるみがちだけどな。結局俺は進路の幅広さから、経済学部を選んだ。篤哉は経営学部、壱太は商学部で、着々と将来の準備を始めている。

実際大学入ったら家の仕事もやる事になるって二人とも言ってた。後継は大変だな。蓮は俺と同じ経済学部。こいつは長男のはずだが、あまり後を継ぐとかいう話はしない。アルファの弟がいるから下手すればそっちに任せる気でいるんじゃないかな。

俺はチラッと、今も隣の席で講義を受けてる蓮を見て小声で尋ねた。


「蓮はサークル決めたか?」

蓮は首を振って俺を流し見た。

「…俺はお前のボディガードに忙しいからな。涼介と一緒のところなら入るかな。」

俺は蓮のあからさまな物言いに、顔が赤くなった気がした。

「…な、なんだよ。真面目に言ってんのに…。」


最近蓮が、らしくなくグイグイ来るから正直困ってる。しかも二人きりの時ならともかく、そうじゃない時に言ってくるから…。もう、今は声掛けるのはやめようとため息をつきながら前を向いた。

チラチラとこちらを見る学生がいるのに気がついた。さっきのボディガードの話じゃないが、俺は蓮だって人気がある事を知っている。

誰とでも愛想良く話す方じゃない蓮だけど、恵まれたガタイの良さと、正統派の漢らしい風貌はある意味人を惹きつけるんだ。少しでも話をすればこいつが優しい奴だってのは分かるし。


俺はボディガードが必要なのはどっちだよと、少し不貞腐れた気分で見てくる奴らを睨みつけた。授業が終わって、ドヤドヤと学生たちが賑やかに出て行くのを横目で見ながら、俺は直ぐに動く気になれなくてのんびりとパソコンをバックに片付けていた。

数人の見慣れない女子たちが、俺たちの側に寄ってきて言った。

「ねぇ、私たちこれからお昼に行くんだけど、三好君と虻川君、一緒にどうかしら?」


よく見れば見目良く自信のありそうな彼女たちは、話しぶりからもきっとアルファなんだろう。面倒臭い事になったなと眉を顰めると、蓮がにっこり笑って言った。

「悪いけど、先約入ってるから。」

柔らかな物言いなのに、取り付く島がないそのトーンに、彼女たちも脈が無いと諦めてくれたみたいだ。俺は立ち上がって、立ち去る彼女たちの後ろ姿を見送って言った。


「お前も容赦ないな。ま、だからって俺も面倒だったから良いんだけど。」

すると蓮はガランとした教室の廊下側の死角へと俺を引っ張り込むと、グッと抱き寄せて言った。

「俺はボディガードしただけだ。それと涼介とキスしたかったし。」

そう言うと優しい口づけを俺に落とした。ああ、ホント調子狂う。でも俺自身、こんな蓮を全然嫌じゃないから余計困るんだ。

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