貴方の手が好きだっただけだよ?

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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朝は膝上でおはよう

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目覚めた時、僕はひとりだった。

窓から見える景色は、もはや朝とは呼べない陽の光だった。僕はベッドに横たわりながら、ぼんやりと淡い青空を見つめて、今日もいい天気だなとひとりごちた。

起きあがろうとした僕は、普段使わない筋肉が軋んで、腰が怠くて、何ならお尻が腫れてる気がして…。昨日の痴態を思い出して、またもや声にならない悲鳴を上げた。

あんなにベタついていたのにさっぱりしていて、身体から良い香りがするのは、お風呂入れて貰っちゃったんだろうな…。全然記憶が無いけども…。


エラードさまの雄々しい表情とか、重たいエラードさまのアレとか、僕が凄くキスねだったこととか、愛撫とか、アイブとか、あいぶとか。全然記憶があるんだけど!

僕は何だか嬉しい気持ちで、口元がニマニマしてしまう。はぁ。自分でも、もう誤魔化しきれない。僕はエラードさまが好きなんだ。だって今この瞬間でもキスしたい。キスされたい。


恋愛偏差値が低いから、舞い上がっているんだろうか?こんな気持ちは、あんまりにも快感が過ぎて脳内で錯覚してるだけなんだろうか?でも恋愛は誤解の積み重ねだって、誰かが言ってた。

エラードさまは…、僕のこと好き、なのかな?こちらの世界の人は好きだから身体の関係になるのかな?それともソレはそれなのかな?そーなら、僕的には、ショック過ぎる…


僕がベッドで転がりながら悶々と考えてると、ドアがノックされてエラードさまが入って来た!僕はどうしていいか分からずに、シーツに包まって顔だけ出してエラードさまを見つめていた。

エラードさまは僕の側に腰掛けると、僕の頭を撫でてから、屈んで僕の唇にチュってキスした。
んっ、エラードさまのキスが終わらない…。僕の唇を丹念に舌でなぞって、僕はふわふわした気分になって、思わず甘く息を吐いた。

「ナオヤ、おはよう。昨夜は無理させた。…起き上がれそうか?」


エラードさまは、僕を優しい顔で見つめると甘く囁いた。あぁ、何だか心臓がドキドキし過ぎて苦しいくらいだ。

「…エラードさま、おはようございます。さっき起きようとしたんですけど…。」

僕はそう言って起き上がった。うわっ、腰に力が入らない。僕が慌ててると、エラードさまはサッと僕をお姫様抱っこして水回りへ連れて行った。僕がヨロヨロとお手洗いを済ませると、待ち構えていたエラード様にまたもや抱き上げられて、ソファへ連れて行かれて。


僕はなぜかエラードさまの膝の上に抱き抱えられて、ベッドメイクが終わるのを待っている…。セバスチャンやマリーさんが忙しく立ち動いてるので、僕は恥ずかしくてエラードさまの胸に顔を埋めるしか無い。あぁ、いい匂い…。
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