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赤い耳(ピアス お揃い)
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綾人の耳に2週間前から光る新しい小さなピアス。いつもの輪っかとかじゃなくて凝ったモチーフ。俺は綾人と話す度に無意識にそのピアスに目がいってしまう。だけどそのピアスについて聞く勇気は出なかった。聞いたらきっと、俺の聞きたくない答えをその唇から放たれる気がして。
幼馴染の綾人はいつも俺の側にいて、面倒を見てやって、綾人の事なら何も知らない事なんてなかった。でも、別々の大学に通う様になったら当然知らない事ばかりが増えていく。その事に妙にガッカリしていた。
「琢磨、今帰り?やった、一緒の電車なんて、高校以来だよな。」
そう言って明るく笑う綾人は無意識なんだろう、いつもの様にモチーフのピアスに指を触れた。俺はその度に何だか胸がチクってする。最近はその意味を自分でも感じ始めていて、気づいたらいきなり失恋とかどんな天罰だよと顔を顰めてしまう。
「…あのさ、これから時間ある?明日琢磨誕生日だろ?明日はどうしても抜けられない用事が出来ちゃって、プレゼント買ってあるの渡したかったんだ。今日会えて良かった、ほんと。」
綾人に連れられて少し暗くなった公園のベンチに座って、差し出された小さな箱を開けると、そこには綾人の耳に見え隠れしていたものとデザイン違いのものが鎮座していた。
綾人がピアスのついた耳を赤く染めて前を見ながら呟いた。
「お揃いみたいなもん…。良かったら付けて。」
俺はこのまま、この恋に走り出していいって事なのかな。
幼馴染の綾人はいつも俺の側にいて、面倒を見てやって、綾人の事なら何も知らない事なんてなかった。でも、別々の大学に通う様になったら当然知らない事ばかりが増えていく。その事に妙にガッカリしていた。
「琢磨、今帰り?やった、一緒の電車なんて、高校以来だよな。」
そう言って明るく笑う綾人は無意識なんだろう、いつもの様にモチーフのピアスに指を触れた。俺はその度に何だか胸がチクってする。最近はその意味を自分でも感じ始めていて、気づいたらいきなり失恋とかどんな天罰だよと顔を顰めてしまう。
「…あのさ、これから時間ある?明日琢磨誕生日だろ?明日はどうしても抜けられない用事が出来ちゃって、プレゼント買ってあるの渡したかったんだ。今日会えて良かった、ほんと。」
綾人に連れられて少し暗くなった公園のベンチに座って、差し出された小さな箱を開けると、そこには綾人の耳に見え隠れしていたものとデザイン違いのものが鎮座していた。
綾人がピアスのついた耳を赤く染めて前を見ながら呟いた。
「お揃いみたいなもん…。良かったら付けて。」
俺はこのまま、この恋に走り出していいって事なのかな。
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