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第五章 変化の兆し
変化の兆し2
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変化はときに突然、否応なく訪れる。不可避な運命というものがあるのだとしたら、それはいったいどんな姿をしているのだろう。
ずぶ濡れになった僕たちは、さすがに寒くなってしまって、この近所に住んでいるクラスメイトの山田に助けを求めることにした。山田の家は自営で酒屋をやっていて、店にはお菓子類なども置いてあるので、たまに僕らも学校帰りに寄っているのである。もちろん買うのは菓子だけで、酒はこんな銘柄が並んでいるのか眺めさせてもらっているだけだ。
幸い山田は家にいたようで、携帯で電話をかけるとすぐに連絡が取れた。
「はあ? なにしてんだよ。朔はともかく茜ちゃんや冷静が売りの京まで」
「悪い。お詫びになにか奢るから」
「まあ、いいけどさ。京にはいつも勉強関係では世話になってるから。けど、お前ら遊びもほどほどにしろよ~」
まさか宿題さぼりの常習犯である山田にそんなことを言われる日が来るとは、人生わからないものだ。
「とりあえず、風邪を引くといけないから早く山田のところへ行こう」
「そうだね。ちょっとはじけすぎちゃった」
「まあ、楽しかったけどな」
興奮冷めやらぬ様子の二人の顔は充足感に満ちている。僕もわけのわからない高揚感に身が包まれていた。
僕たちが浜辺を去ろうと上の道路に続く階段を登っているときだった。
道路の東側のかなり遠くのほうに誰かが立っていて、じっとこちらを見ているような気がした。なんとなく不審に思ってそちらを見つめていると、その人物はすぐにどこかへと立ち去っていった。
なんだったのだろう。
そのときはそう思ったが、こちらを見ていたように感じたのはきっと気のせいだろうとすぐに思い直し、さっさと山田の家に向かうことにした。
「タオルに着替えここ置いておくね。シャワーの使い方わかる? おばさんまた店のほう行ってくるから、なにかあったら大きい声で呼んでね。隆志も遠慮なく使ってね」
山田酒店に着くと、事前に話を通してくれていたようで、クラスメートの山田隆志とともにその母親が僕らの面倒をテキパキとみてくれた。ずぶ濡れでさすがに寒くなってしまった僕らは、そんなおばさんの好意をありがたく受け取り、暖房を効かせた和室で着替えさせてもらった。その間、茜だけは先に風呂場でシャワーを貸してもらっていた。
「俺の服だから、朔はまだしも京にはちょっと短いけど」
「それは仕方ない。少しの間だけ我慢するさ」
「ある意味屈辱的だな……」
山田がぼそりとそんな呟きを漏らしたが、どういう意味かはわからなかった。
「悪いな。おばさんも店のことで忙しいのに、いろいろ面倒かけて」
「別にいいってことよ。結構世話好きだからあの人」
「そうならいいけど……」
「それに、実は母ちゃんお前のこと結構気に入ってるからさ。さっき京が来るって話したらテンションあがってたんだぜ」
「そ、そうなのか? それは……礼を言っておくべきかな」
「ぶっ、変なところで真面目だな、お前」
とりあえず寒さは山田のお陰もあり落ち着いた。山田はまだなにか用事の途中だったようで、一旦店のほうへと戻っていったので、和室には僕と朔だけが残された形となっていた。
朔の様子を見ると、先程まで紫色になっていた唇は通常の色に戻り、血色もよくなってきているようだ。
「ちょっとはしゃぎすぎたな、朔」
僕がそう話しかけると、朔はにんまりと笑顔を見せた。
「まさか京も参加してくるとは思わなかったけどな」
「勢いあまって術者の作戦に引っかかったってところだ。普段だったらあんなこと僕は絶対しないけどな」
「いい経験だったじゃないか。俺に感謝したまえ」
「誰がするか。逆に謝罪しろ。特に山田家に対して」
「はいはい」
相変わらずのお気楽な物言いに、呆れて苦笑するしかない。どこまでも得な性格だと思う。
「ところで京。昨日の賭けのことなんだけどな」
突然の話題の転換に、僕は心臓が喉から飛び出そうになった。一気に全身が緊張を帯びる。
「うまくいきそうか?」
朔がこちらに目を向けた。すっと最前のおちゃらけた雰囲気を消し、真面目な顔つきを見せる。
「……まだなんともだな」
やっとそう答え、深く息を吸い込む。
「ふうん。まあ、期限は明日まで一応あるしな。約束、破るなよ」
「……ああ」
そうは言ったものの、明日までにちゃんと告白ができるかどうか、自分自身わからなかった。
世界が終わるかもしれないという危機に直面し、今のうちに心残りを残さないよう行動するべきだ、というのはわからないでもない。けれど、世界が終わるというのに告白をすることに意味はあるのだろうかという気持ちもある。
未来がないかもしれない。相手に戸惑いを持たせて終わるかもしれない。
それはただの自己満足なのではないのか。
ただ己の想いを昇華させたいという、それだけの行為なのではないだろうか。
――それに。
「朔は? 朔にも想いを伝えたい相手というのがあるんじゃないのか?」
口を突いて言葉が飛び出した。
「お前も、世界が終わる前に誰かに伝えたいことがあるんじゃないのか……?」
きょとんと、朔は僕の顔を見つめていた。
「俺が?」
「ああ。お前にも好きな女の子くらいいるだろ?」
「そりゃまあ、男として生まれた以上は、女の子は大好きだぜ」
「そういう意味じゃなく、特定の誰か一人に特別な想いをだな……」
だんだんいらいらとしてきて、この際はっきり言ってやろうかと思えてきた。
「たとえば京みたいに?」
一瞬息が止まる。朔はなんの裏も感じさせず、そんなことを言う。
「京がこれから告白しようとしている相手のような存在が、俺にもいるのかってことだろ?」
「そうだよ。わかってるならまどろっこしい言い方するなよ」
「それならいるよ」
今度はさらりと。なんでもないことみたいに。
「好きな人ならいる」
鼓動が大きく鳴った。いつかの放課後の教室で見た朔の横顔を思い出す。
「なあ、お前の好きな相手っていうのは……」
「はー、さっぱりした」
僕の後方から、襖の開く音とともにそんな声が入ってきた。紺色のジャージ姿で肩にかけたタオルで髪の毛を拭きながら茜がやってきたのだ。
「山田くんの妹さんのジャージ借りたけど、ぴったりで助かったよ。……ん、どうかした?」
茜の登場により、さすがに続く言葉を朔に放つのがためらわれ、言葉を失するしかなかった。朔もまた、意味深な笑みを浮かべたまま黙っている。
「……なんでもねーよ。ちょっと男同士の話をしていたところだったんだ」
先に口を開いたのはやはり朔だった。そこになにか答えを見出そうと視線を合わせたが、朔の心は読み取れなかった。
その後僕と朔もシャワーを借り、礼を言って山田家を後にした僕たちは、とりあえずそれぞれの自宅に帰ることになった。空を見上げると、いつの間にか日も傾いてきて、また一日が終わりに近づいてきている。
駅に着くと、朔は駅の駐輪場から自分の自転車を出してきた。僕と茜は同じバスに乗って帰るため、まだ一緒だったが、朔は違う方向になるので、そこで解散ということになった。
「じゃあ、また明日だね」
「おう、また明日」
「またな」
朔は僕たちと挨拶を交わすと、さっと自転車に跨って駅前の大通りの向こうへと去っていった。
「また明日って言うのも、今日が最後かもしれないね」
朔を見送りながら、茜が隣でそんな言葉を発する。明日の次の日が来るのかどうか。結局明日になってみないとわからない。
「最後になってもならなくても、僕たちは明日を受け入れるしかない。なにが起こるかわからないけど、それまでの貴重な時間を精一杯過ごそう」
「……そうだね」
今僕は茜と二人きりだったが、告白はまだできない。結局朔にはあのあともはぐらかされて、彼の本心を聞き出すことはできなかった。
きっと朔も茜のことが好きなはずだ。なのに、なぜ僕の背中ばかり押そうとしているのだろう。僕も茜のことが好きだと、きっとあいつも気づいているはずなのに。それをちゃんと確かめなければ、告白などできるはずがない。あいつが僕に遠慮をしているのだとしたら、そんなフェアじゃないことは僕自身が許せない。
どういう理由にしろ、明日それをはっきりとさせる必要がある。リミットは刻一刻と近づいてきているのだ。
「明日が運命のときだ」
独りごちるように呟いたときだった。
「すみません」
後ろから呼びかけられ、僕たちは振り返った。
そしてそこには、意外な人物が立っていた。
ずぶ濡れになった僕たちは、さすがに寒くなってしまって、この近所に住んでいるクラスメイトの山田に助けを求めることにした。山田の家は自営で酒屋をやっていて、店にはお菓子類なども置いてあるので、たまに僕らも学校帰りに寄っているのである。もちろん買うのは菓子だけで、酒はこんな銘柄が並んでいるのか眺めさせてもらっているだけだ。
幸い山田は家にいたようで、携帯で電話をかけるとすぐに連絡が取れた。
「はあ? なにしてんだよ。朔はともかく茜ちゃんや冷静が売りの京まで」
「悪い。お詫びになにか奢るから」
「まあ、いいけどさ。京にはいつも勉強関係では世話になってるから。けど、お前ら遊びもほどほどにしろよ~」
まさか宿題さぼりの常習犯である山田にそんなことを言われる日が来るとは、人生わからないものだ。
「とりあえず、風邪を引くといけないから早く山田のところへ行こう」
「そうだね。ちょっとはじけすぎちゃった」
「まあ、楽しかったけどな」
興奮冷めやらぬ様子の二人の顔は充足感に満ちている。僕もわけのわからない高揚感に身が包まれていた。
僕たちが浜辺を去ろうと上の道路に続く階段を登っているときだった。
道路の東側のかなり遠くのほうに誰かが立っていて、じっとこちらを見ているような気がした。なんとなく不審に思ってそちらを見つめていると、その人物はすぐにどこかへと立ち去っていった。
なんだったのだろう。
そのときはそう思ったが、こちらを見ていたように感じたのはきっと気のせいだろうとすぐに思い直し、さっさと山田の家に向かうことにした。
「タオルに着替えここ置いておくね。シャワーの使い方わかる? おばさんまた店のほう行ってくるから、なにかあったら大きい声で呼んでね。隆志も遠慮なく使ってね」
山田酒店に着くと、事前に話を通してくれていたようで、クラスメートの山田隆志とともにその母親が僕らの面倒をテキパキとみてくれた。ずぶ濡れでさすがに寒くなってしまった僕らは、そんなおばさんの好意をありがたく受け取り、暖房を効かせた和室で着替えさせてもらった。その間、茜だけは先に風呂場でシャワーを貸してもらっていた。
「俺の服だから、朔はまだしも京にはちょっと短いけど」
「それは仕方ない。少しの間だけ我慢するさ」
「ある意味屈辱的だな……」
山田がぼそりとそんな呟きを漏らしたが、どういう意味かはわからなかった。
「悪いな。おばさんも店のことで忙しいのに、いろいろ面倒かけて」
「別にいいってことよ。結構世話好きだからあの人」
「そうならいいけど……」
「それに、実は母ちゃんお前のこと結構気に入ってるからさ。さっき京が来るって話したらテンションあがってたんだぜ」
「そ、そうなのか? それは……礼を言っておくべきかな」
「ぶっ、変なところで真面目だな、お前」
とりあえず寒さは山田のお陰もあり落ち着いた。山田はまだなにか用事の途中だったようで、一旦店のほうへと戻っていったので、和室には僕と朔だけが残された形となっていた。
朔の様子を見ると、先程まで紫色になっていた唇は通常の色に戻り、血色もよくなってきているようだ。
「ちょっとはしゃぎすぎたな、朔」
僕がそう話しかけると、朔はにんまりと笑顔を見せた。
「まさか京も参加してくるとは思わなかったけどな」
「勢いあまって術者の作戦に引っかかったってところだ。普段だったらあんなこと僕は絶対しないけどな」
「いい経験だったじゃないか。俺に感謝したまえ」
「誰がするか。逆に謝罪しろ。特に山田家に対して」
「はいはい」
相変わらずのお気楽な物言いに、呆れて苦笑するしかない。どこまでも得な性格だと思う。
「ところで京。昨日の賭けのことなんだけどな」
突然の話題の転換に、僕は心臓が喉から飛び出そうになった。一気に全身が緊張を帯びる。
「うまくいきそうか?」
朔がこちらに目を向けた。すっと最前のおちゃらけた雰囲気を消し、真面目な顔つきを見せる。
「……まだなんともだな」
やっとそう答え、深く息を吸い込む。
「ふうん。まあ、期限は明日まで一応あるしな。約束、破るなよ」
「……ああ」
そうは言ったものの、明日までにちゃんと告白ができるかどうか、自分自身わからなかった。
世界が終わるかもしれないという危機に直面し、今のうちに心残りを残さないよう行動するべきだ、というのはわからないでもない。けれど、世界が終わるというのに告白をすることに意味はあるのだろうかという気持ちもある。
未来がないかもしれない。相手に戸惑いを持たせて終わるかもしれない。
それはただの自己満足なのではないのか。
ただ己の想いを昇華させたいという、それだけの行為なのではないだろうか。
――それに。
「朔は? 朔にも想いを伝えたい相手というのがあるんじゃないのか?」
口を突いて言葉が飛び出した。
「お前も、世界が終わる前に誰かに伝えたいことがあるんじゃないのか……?」
きょとんと、朔は僕の顔を見つめていた。
「俺が?」
「ああ。お前にも好きな女の子くらいいるだろ?」
「そりゃまあ、男として生まれた以上は、女の子は大好きだぜ」
「そういう意味じゃなく、特定の誰か一人に特別な想いをだな……」
だんだんいらいらとしてきて、この際はっきり言ってやろうかと思えてきた。
「たとえば京みたいに?」
一瞬息が止まる。朔はなんの裏も感じさせず、そんなことを言う。
「京がこれから告白しようとしている相手のような存在が、俺にもいるのかってことだろ?」
「そうだよ。わかってるならまどろっこしい言い方するなよ」
「それならいるよ」
今度はさらりと。なんでもないことみたいに。
「好きな人ならいる」
鼓動が大きく鳴った。いつかの放課後の教室で見た朔の横顔を思い出す。
「なあ、お前の好きな相手っていうのは……」
「はー、さっぱりした」
僕の後方から、襖の開く音とともにそんな声が入ってきた。紺色のジャージ姿で肩にかけたタオルで髪の毛を拭きながら茜がやってきたのだ。
「山田くんの妹さんのジャージ借りたけど、ぴったりで助かったよ。……ん、どうかした?」
茜の登場により、さすがに続く言葉を朔に放つのがためらわれ、言葉を失するしかなかった。朔もまた、意味深な笑みを浮かべたまま黙っている。
「……なんでもねーよ。ちょっと男同士の話をしていたところだったんだ」
先に口を開いたのはやはり朔だった。そこになにか答えを見出そうと視線を合わせたが、朔の心は読み取れなかった。
その後僕と朔もシャワーを借り、礼を言って山田家を後にした僕たちは、とりあえずそれぞれの自宅に帰ることになった。空を見上げると、いつの間にか日も傾いてきて、また一日が終わりに近づいてきている。
駅に着くと、朔は駅の駐輪場から自分の自転車を出してきた。僕と茜は同じバスに乗って帰るため、まだ一緒だったが、朔は違う方向になるので、そこで解散ということになった。
「じゃあ、また明日だね」
「おう、また明日」
「またな」
朔は僕たちと挨拶を交わすと、さっと自転車に跨って駅前の大通りの向こうへと去っていった。
「また明日って言うのも、今日が最後かもしれないね」
朔を見送りながら、茜が隣でそんな言葉を発する。明日の次の日が来るのかどうか。結局明日になってみないとわからない。
「最後になってもならなくても、僕たちは明日を受け入れるしかない。なにが起こるかわからないけど、それまでの貴重な時間を精一杯過ごそう」
「……そうだね」
今僕は茜と二人きりだったが、告白はまだできない。結局朔にはあのあともはぐらかされて、彼の本心を聞き出すことはできなかった。
きっと朔も茜のことが好きなはずだ。なのに、なぜ僕の背中ばかり押そうとしているのだろう。僕も茜のことが好きだと、きっとあいつも気づいているはずなのに。それをちゃんと確かめなければ、告白などできるはずがない。あいつが僕に遠慮をしているのだとしたら、そんなフェアじゃないことは僕自身が許せない。
どういう理由にしろ、明日それをはっきりとさせる必要がある。リミットは刻一刻と近づいてきているのだ。
「明日が運命のときだ」
独りごちるように呟いたときだった。
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