魔導師として宮廷入りしたので、殿下の愛人にはなりません?

一花カナウ

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挟めるだけのモノがありますので?

謎が一つ解けました

「ああ、そういう……。なるほど。返す魔法も使えるのにそうしなかったところを見ると、かかってしまった方が手間が少ないと判断したのでしょうね」

 リシャール殿下の表情が緩んだ。

「あ、どうりで。それでかかりやすかったんですね!」

 長年の、というほどではないが、謎が一つ解けた。メルヒオールが私程度の魔法にかかったのは、私に精神魔法の適正があったからではなく、彼の気遣いに依るものなのだとわかるとスッキリした。
 メルヒオールは避けるだけでなく、打ち消したり返したりすることが自在にできる優秀な魔導師であることは身近で勉強を受けていたのでよく知っている。私程度の見習い魔導師が相手であれば、発動前に対抗魔法を展開できるレベルである。なので、どうしてかかったのか気にしていたのだ。

 その魔法が私が彼に勝てる唯一の魔法というわけじゃなかったのね。残念。

「……だとしても、メルの精神力はたいしたものですね。そうでなければ魔導師としてのエリート街道を進むことはできなかったのでしょうけど」
「もうメルヒオールの話は終わりにしましょう! 振っておいてなんですが、身体の関係があるのは今のところ殿下だけです! おわかりいただけましたでしょうか?」

 早く胸で挟んで終わらせて、ゆっくり休みたい。本日の実習を終えて寮で休む予定だったのを、突然呼び出されてここにいる。それなりに疲労しているし、授業の復習と予習もしたいのである。少しでも早く一人前の宮廷魔導師になるために。
 私はリシャール殿下に向かって豊満な胸を持ち上げて見せた。劣情を煽って、ヤル気を取り戻してもらわねば。

「うん、理解した。でも、胸で挟むのはさっきのでもういいです」
「えー。イクところ、見てみたかったのに」

 お姉さんたちに胸でするといいと勧められていたからチャンスだと思ったのに。貴重なチャンスをふいにしてしまったのが惜しい。
 私が小さく膨れると、リシャール殿下は改めてベッドに腰をおろす。そして私の腕を取って引き寄せた。

「殿下、気持ちよくなかったんですか?」

 抱きすくめられた私は、そっとリシャール殿下の顔を見上げる。彼はうーんと唸ってから言葉を続ける。

「行為の途中でメルの話をされたことは、流石に不愉快だったかな。まあ、挟んでもらった感触はとてもよかったので、楽しみは次回にします」

 リシャール殿下に宣言されると、私の視界が一転した。
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