生ハム原木とどこかから派遣されたスパイの話

一花カナウ

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第3話 誰だお前は。

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 無事に帰宅をする――いや、したはずだった。
 俺は残業でクタクタだったはずなのに素早く身構えた。

「お前、誰だ⁉︎」

 狭いダイニングキッチンに女が一人いた。春先の寒い時期にやたらとピッチリとした露出多めのワンピースという格好で、その姿だけで異様な雰囲気だ。やたらと肉感的なのも困る。
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