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5:魔導師として宮廷入りしたので、襲撃されても怯みません!
任務遂行中なので、ドレスも着ます 1
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夜にあんなことがあったとはいえ、今は国外であるし、当初の目的どおりにことは進む。
会談があって、会食があって、視察があって――そこでお互いの国の今後についてを話しつつ、リシャールが結婚についてそれとなく探られているのをアルフォンシーヌは見聞きしていた。
王位継承権第一位だから、余計に嫁選びは大変でしょうね……。
リシャールを視界の端に入れつつ、彼を案じる。
国の今後を左右することにもなるので、結婚には政治的な意味合いが濃くなることだろう。
もちろん世継ぎの問題も避けられない。アルフォンシーヌの住む国は王族に限り一夫多妻を認めているが、訪問中のこの国は一夫一妻であるので、その部分に理解があることも条件になりそうだ。
晩餐会ののちに開かれた舞踏会。着飾った貴婦人たちがリシャールに挨拶をしにやってくる。お見合いを兼ねているのは明白だ。
真紅のドレスを身にまとったアルフォンシーヌは、大広間の端でリシャールの姿を目で追いながら、結婚について考えていた。
「アルちゃんは踊ってきたら? メルと一緒に。殿下の近くで警護する言い訳にもなるし」
会場を一周回ってきたモニックがアルフォンシーヌに提案する。
モニックは派手な容姿を抑えるためなのか地味なドレスを着ている。いつもの露出過多な格好を見慣れすぎているだけに、胸元が大きく開いているのみで足元がすっかり隠れているイブニングドレスの姿というのは違和感があった。
「細々とした魔法が苦手なのに、殿下のそばにいても足手まといになるだけですよ」
「せっかく素敵なドレスを着ているのに、勿体無い」
「それ、そのままお返しします、モニック先生」
モニックは肩を竦める。ダンスに誘われたら厄介だからと、モニックは人払いの魔法を使って声をかけられないようにしていた。
彼女の今日のお仕事は会場全体の見張りであり、あらかじめ張り巡らせた魔法で何者かが魔法を使うのを感知する重要な役割を担っている。ダンスが始まってからだいぶ時間が経過したが、今のところは異常は見られないようだ。
会場内で警戒しているのは、アルフォンシーヌ、モニック、メルヒオールの三人。ダンスをする人たちに紛れやすいように三人は盛装をさせられている。他の魔導師たちは会場外で警備中である。
師匠はダンスが上手なのね。
メルヒオールはリシャールと似た盛装をして、ダンスの輪に加わっていた。どこぞの高位のお嬢さんと一緒に踊り、それでいながらリシャールの近辺を離れることなく移動している。曲が終わるたびに女性を代えて、表情はいつもより穏やかだ。
服装が似ているとはいえ、こうして見ると殿下と師匠ってよく似ていらっしゃる……親戚だったりするのかしら?
王族は魔導師の素質を持つ家系だ。メルヒオールの身分は公爵だったはずなので、血縁関係はあると考えられる。
「……ところで、昨夜はお楽しみだったのかしら?」
「そ……それをこんな場所で聞きますか、ふつう」
唐突な問いに吹き出してしまいそうになったところを堪え、アルフォンシーヌはモニックに返す。
「殿下から二人に部屋を取られたって聞いたから」
そう聞いて、アルフォンシーヌは今朝のことを思い出す。
会談があって、会食があって、視察があって――そこでお互いの国の今後についてを話しつつ、リシャールが結婚についてそれとなく探られているのをアルフォンシーヌは見聞きしていた。
王位継承権第一位だから、余計に嫁選びは大変でしょうね……。
リシャールを視界の端に入れつつ、彼を案じる。
国の今後を左右することにもなるので、結婚には政治的な意味合いが濃くなることだろう。
もちろん世継ぎの問題も避けられない。アルフォンシーヌの住む国は王族に限り一夫多妻を認めているが、訪問中のこの国は一夫一妻であるので、その部分に理解があることも条件になりそうだ。
晩餐会ののちに開かれた舞踏会。着飾った貴婦人たちがリシャールに挨拶をしにやってくる。お見合いを兼ねているのは明白だ。
真紅のドレスを身にまとったアルフォンシーヌは、大広間の端でリシャールの姿を目で追いながら、結婚について考えていた。
「アルちゃんは踊ってきたら? メルと一緒に。殿下の近くで警護する言い訳にもなるし」
会場を一周回ってきたモニックがアルフォンシーヌに提案する。
モニックは派手な容姿を抑えるためなのか地味なドレスを着ている。いつもの露出過多な格好を見慣れすぎているだけに、胸元が大きく開いているのみで足元がすっかり隠れているイブニングドレスの姿というのは違和感があった。
「細々とした魔法が苦手なのに、殿下のそばにいても足手まといになるだけですよ」
「せっかく素敵なドレスを着ているのに、勿体無い」
「それ、そのままお返しします、モニック先生」
モニックは肩を竦める。ダンスに誘われたら厄介だからと、モニックは人払いの魔法を使って声をかけられないようにしていた。
彼女の今日のお仕事は会場全体の見張りであり、あらかじめ張り巡らせた魔法で何者かが魔法を使うのを感知する重要な役割を担っている。ダンスが始まってからだいぶ時間が経過したが、今のところは異常は見られないようだ。
会場内で警戒しているのは、アルフォンシーヌ、モニック、メルヒオールの三人。ダンスをする人たちに紛れやすいように三人は盛装をさせられている。他の魔導師たちは会場外で警備中である。
師匠はダンスが上手なのね。
メルヒオールはリシャールと似た盛装をして、ダンスの輪に加わっていた。どこぞの高位のお嬢さんと一緒に踊り、それでいながらリシャールの近辺を離れることなく移動している。曲が終わるたびに女性を代えて、表情はいつもより穏やかだ。
服装が似ているとはいえ、こうして見ると殿下と師匠ってよく似ていらっしゃる……親戚だったりするのかしら?
王族は魔導師の素質を持つ家系だ。メルヒオールの身分は公爵だったはずなので、血縁関係はあると考えられる。
「……ところで、昨夜はお楽しみだったのかしら?」
「そ……それをこんな場所で聞きますか、ふつう」
唐突な問いに吹き出してしまいそうになったところを堪え、アルフォンシーヌはモニックに返す。
「殿下から二人に部屋を取られたって聞いたから」
そう聞いて、アルフォンシーヌは今朝のことを思い出す。
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