precious memorys

ねむけ

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出会い

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ここに私の記憶を綴ろうと思う。
一人だった私に手を差し伸べ
共に戦ってくれた仲間達との記憶を
私に名前を、存在意義を
全てを与えてくれた物語。大切な思い出。

ーprecious memoryー

この話はある少年が旅に出るところから始まる。
なぜ旅に出たかについてはおいおい綴るとしよう。
彼の名は『アーサー』
使い魔のティーダを従えて街を出た。
背に大剣だけのラフすぎるスタイル。
荷物は邪魔になるからと
必要最低限のものしか持ってでなかった彼は
しばらく野宿を繰り返し
数日後に洞窟にたどり着くことになる。

『あー!!!びっちょびちょ!!
いきなり雨降ってくるとかついてないなあ…
洞窟があってよかったぜ…』

『雨宿りはできたけどアーサー、
もう食べ物このパン一切れしかないよ…』

彼らは洞窟に来る前の小さな街で
盗賊に金品を盗まれ困っていた女性を
助けて、お礼にともらった食料の残り
ほんの少ししかないパンを眺め落胆する。

『あのなぁ、ティーダ、
人間何食か飯を食べなくたって死なないんだ!
食べ物の話をするから腹が減るんだ!!
目に入らないところに閉まっておけ!!』

『アーサー、それもう2日目だよ』

そんな不毛な会話を遠くで
ただ怯えながら私は聞いていたのだった
彼らの侵入は洞窟の主の大蛇から聞いた
元々私は普通の村で普通の女の子として
暮らしていたらしいことはなんとなく
わかるのだが気づけばこの洞窟で目を覚まし
どれだけの時間が流れたかは知らないが
洞窟に住み着いていた生き物たちに
支えられながら生きてきた。
私の記憶はこの洞窟で目覚めるところから
はじまったのである。
もちろんこんな洞窟に人が入ってくることもなく
はじめての人間に不安と焦りしかなかった。
そんな私の心情など知る由もなく
彼らはどんどん深みへと足を進める

『奥になんか食べ物とかあるんじゃないか?
てかよく考えればここ!!
すごい財宝とかありそうな雰囲気じゃん!
探索するしかなくなくなくないっすか!?』

『いやいや、こんな小さな洞窟に
財宝があるようにも思えないし食べ物なんて
絶対ありえないでしょ、、
でもまあ、水はあるかもね…
ちょっと僕も気になるし…体も綺麗にしたいし
少し見に行ってみようか』

『そうこなくっちゃ!!!!』

(こっちにきた!?まって!!
こないで!!こわい、こわいむり…!たすけて…!)

慌てふためく私に曲がりくねった洞窟の
影から早足に出てきた少年がぶつかる。
どうしよう、どうしようどうしようどうしよう
見られてしまった。
大蛇ともコウモリともネズミとも違う。
私と同じ長い手足に二足歩行の
まだ幼い印象の顔をしたオスに。
ぶつかって尻餅をついた私へ少年の
手がゆっくり上から降ってくる。

『ひっ…』喉から小さな悲鳴が出る。

そんな私に彼は優しい笑顔を浮かべながら
声をかけた『大丈夫?』と

こんなありふれたような出会いが
まさに私の運命となったのだ。
まだ私は知らない。
このアーサーと言う名前らしい少年が
私にどれだけの幸せを、笑顔をくれるのか。
そして私が彼をどれほどの辛い戦いへ
誘う事になるのか。
ただこの時私は恐怖と少し。
ほんのすこーーしの胸のときめきだけを
感じていたのだ。
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