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俺の能力。

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 2120年。
 異世界と現実世界を行き来するのが日常になった今では自分のアビリティ、又はスキルが社会的地位の大半を決める。
 アビリティは、自分の身体能力以外の事を(例えば炎をだすとか。)スキルは自分自身の身体能力を上げる、回復したりする能力である。
 俺、区鳥 栢はスキルが分からない。
 今ではアビリティ、スキルを全く持たない人間は、0%と証明されている。
 しかーしこの俺はスキルを発動する過程を何回踏んでも発動されないのだ。 
 まぁ別に悩んでる事でもなく、普通に人生を終える予定だった。
 



 平凡な日常を平凡に過ごしていた俺は買い物帰りに何も無いところでこけた。
 
 「大丈夫ですか。」

 透き通る綺麗な高めの声で手を差し出してくれたのは、
 美人のエルフだ。
 そういえば言ってなかったが、異世界人と現実世界の人を見分けるにはこれしかないのだ。
 
 「ありがとうございます。」
 「いえいえ、あ、私はエルフのサザリアです。物を自由に出したり動かしたり出来るアビリティです。」

 現代では名前とアビリティもしくはスキルを言うのが自己紹介となっている。

 「俺は区鳥 栢です。スキルはその、、、なくて。」
 「!?」
 「驚きますよねそりゃ、、、未だにスキルがない人なんて、、、逆にレアですよね、、、笑」
 「確かにレアですよ。私の勘が、合ってれば。」
 「勘?」
 「あなた、、、栢さんの能力はスキルでもアビリティでもないかもしれません。」
 「と言いますと?」  
 「オーバーロードです。」




 サザリアさんが言うにはこうだ。
 
 一般的にはエルフはアビリティを、現実世界の人はスキルを持つ。しかし世界の人口の0.0000000000000003%の人間はオーバーロードというものを持つ。と言ううか別の人種である。これは一般的には知られていなく、学力的な面で長けているほんの数十人しかしらないらしい。オーバーロードというのは人類より遥か先の能力、技術を持っている者だ。相当昔のディストピア社会に強い怨念を持った者が何個か後の来世を突然引き出したらしい。
 アビリティ、スキルはどちらも特殊な透明のケースに手を入れ、変化を見て何の能力か判断する。そこからは自分で念じれば自由自在に出来るのが通常である。だがオーバーロードは(ほとんど神話に近いが、、、)何も無いところで手を伸ばし急に重くなる時があり、その時に能力がわかる。教えられなくても自分でわかるらしい。本当にこんなことがあるのだろうか。

 「分かりません。」
 「へ?」
 「わかるわけないですよー!0.0000000000000003%ですよ?分かりやすく言うと3000000000000000人、要は3千兆人に一人ですよ?異世界と現実合わせても人口4億人ですよ!」
 「そっか、、、まぁでもためすしかないな!」
 「そうですよ!」
 「じゃあ明日トール平原の8A番地で」
 「はい!」
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