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1章:旅人として
新たな国 ☆13☆
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「ど、どっからきたよ」
シュエはすっと天を指す。
指先を追うように、大人たちは空を見上げた。
その隙に、地面に刺さった自身の扇子を抜き取り、パンッと大きな音を立て手のひらに打ち付ける。
「さぁて、お主たち、なにをしておったんじゃ?」
すっと目元を細めて、大人たちを睨みつけるシュエ。
自分たちよりも小さな女の子に睨まれただけなのに、大人たちはぐっと自身の胸元を掴み、バグバグと早くなる鼓動を落ち着かせるように深呼吸を繰り返すのを見て、すたすたと声の主に近付いた。
「そなた、さっき『たすけて』と口にしていたな?」
顔を上げたのは、大人たちに囲まれていた子だった。少年、だろうか。
水色の髪が土で汚れている。服装も全体的に汚れていて、ぬかるんだところでこけたのかだろうか、と思考を巡らせていると少年は口を開く。
「たすけて、くださいっ!」
懇願するような、切羽詰まった声だった。なにかを大切そうにぎゅっと握りしめていた。
「なにが助けて、だ! 盗人猛々しい!」
「どういうことじゃ?」
扇子を開いたり閉じたりしながら問いかける。
「盗んでない! これはおれがもらったんだ!」
「ハッ! そんな宝石をガキにやるわけぇだろ!」
「宝石?」
シュエは少年が握り込んでいる右手に視線を注ぐ。びくっと肩を震わせている少年に、鞄から辰砂のブレスレットを出し、大人たちに見せた。
「宝石ならわらわも持っているぞ。これは父上からいただいたんじゃ。それとも、これも盗んだと申すか?」
「なんでガキが宝石を持ってんだよ!」
「いただいた、と言ったはずじゃが? それともなんじゃ? お主らはこの子が盗みを働くところを見たとでも?」
大人たちは「うるせぇ!」とシュエに殴りかかってきた。どうやら言いがかりをつけてほうせ液を横取りする悪党と判断し――……
「どっちが盗人猛々しいじゃか」
呆れたように肩をすくめた。
シュエは扇子を閉じて応戦する。的確に急所を突き、大人たちはよろめいていく。リーダーらしき大人が地面に膝をつくのを見て、ぽつりとつぶやく。
「……そんなに弱くて大丈夫なのか?」
「なっ!」
「自分の弱さを受け入れられぬのか?」
勢いよく扇子を振り上げ、眼前に突き付けた。
短く「ひっ」と叫ぶ大人を見て、シュエはゆっくりと息を吐く。
――と、同時に大人の首筋にすとんと手刀が落ちた。
気を失い地面に倒れ込むのを見て顔を上げると、シュエの予想通りリーズが立っている。
「なんなんです、この状況……?」
「あの子は?」
「家に帰しましたよ。で、これはどんな状況ですか?」
「あー……なんか、この子の持っている宝石を狙っているやつらとの、戦い……?」
自分の言葉に自信がないのか、段々と語尾が小さくなっていった。
シュエはすっと天を指す。
指先を追うように、大人たちは空を見上げた。
その隙に、地面に刺さった自身の扇子を抜き取り、パンッと大きな音を立て手のひらに打ち付ける。
「さぁて、お主たち、なにをしておったんじゃ?」
すっと目元を細めて、大人たちを睨みつけるシュエ。
自分たちよりも小さな女の子に睨まれただけなのに、大人たちはぐっと自身の胸元を掴み、バグバグと早くなる鼓動を落ち着かせるように深呼吸を繰り返すのを見て、すたすたと声の主に近付いた。
「そなた、さっき『たすけて』と口にしていたな?」
顔を上げたのは、大人たちに囲まれていた子だった。少年、だろうか。
水色の髪が土で汚れている。服装も全体的に汚れていて、ぬかるんだところでこけたのかだろうか、と思考を巡らせていると少年は口を開く。
「たすけて、くださいっ!」
懇願するような、切羽詰まった声だった。なにかを大切そうにぎゅっと握りしめていた。
「なにが助けて、だ! 盗人猛々しい!」
「どういうことじゃ?」
扇子を開いたり閉じたりしながら問いかける。
「盗んでない! これはおれがもらったんだ!」
「ハッ! そんな宝石をガキにやるわけぇだろ!」
「宝石?」
シュエは少年が握り込んでいる右手に視線を注ぐ。びくっと肩を震わせている少年に、鞄から辰砂のブレスレットを出し、大人たちに見せた。
「宝石ならわらわも持っているぞ。これは父上からいただいたんじゃ。それとも、これも盗んだと申すか?」
「なんでガキが宝石を持ってんだよ!」
「いただいた、と言ったはずじゃが? それともなんじゃ? お主らはこの子が盗みを働くところを見たとでも?」
大人たちは「うるせぇ!」とシュエに殴りかかってきた。どうやら言いがかりをつけてほうせ液を横取りする悪党と判断し――……
「どっちが盗人猛々しいじゃか」
呆れたように肩をすくめた。
シュエは扇子を閉じて応戦する。的確に急所を突き、大人たちはよろめいていく。リーダーらしき大人が地面に膝をつくのを見て、ぽつりとつぶやく。
「……そんなに弱くて大丈夫なのか?」
「なっ!」
「自分の弱さを受け入れられぬのか?」
勢いよく扇子を振り上げ、眼前に突き付けた。
短く「ひっ」と叫ぶ大人を見て、シュエはゆっくりと息を吐く。
――と、同時に大人の首筋にすとんと手刀が落ちた。
気を失い地面に倒れ込むのを見て顔を上げると、シュエの予想通りリーズが立っている。
「なんなんです、この状況……?」
「あの子は?」
「家に帰しましたよ。で、これはどんな状況ですか?」
「あー……なんか、この子の持っている宝石を狙っているやつらとの、戦い……?」
自分の言葉に自信がないのか、段々と語尾が小さくなっていった。
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