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2章:冒険者として
シュエの決意 ☆1☆
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あれだけ大量に作ったからあげがすべてなくなった頃を見計らい、シュエは暗殺者ギルドの人たちの注目を集めるため、扇子を手のひらに打ち付ける。
パシンッ、とよい音が響き、全員の視線がシュエに集まった。彼女はにんまりと笑みを浮かべて、彼らに話しかけた。
「さて、腹が満ちたら心に余裕もできたじゃろう? 早速話してもらおうか。この少年を狙ったものを――……」
静かなシュエの言葉が、室内に響く。大きくため息を吐く音が聞こえて、「……いいだろう」とボスの声が耳に届く。
「では、少年はなぜ暗殺者ギルドのものに狙われたんじゃ?」
「そいつが持っているアクアマリンを狙ったんだ。そのアクアマリンは、貴重なものだから」
シュエは少年に見せてもらったアクアマリンを思い浮かべる。あのアクアマリンには、なにか秘密があるのだろうかと、思考を巡らせているとリーズが視線を少年に落とした。
「貴重なもの、とは?」
「さぁ……、そこまではわからない。ただ、少年をアクアマリンとともに攫えという依頼があった」
ふむ、と小さくつぶやき、シュエはボスに近付いた。床に座っている彼と視線を合わせるためにしゃがみ込む。
「確か、匿名の依頼じゃったな? 依頼主はわかるのか?」
「……ああ、わかる。あいつはこちらを覚えていないようだったがな」
「うん? 知り合いだったのか?」
「まぁな」
どこか悔しそうに見えるボスに、シュエは彼をじっと見つめてから、小さなナイフを取り出して、彼に向けた。
びくっと彼の身体が震えたが、すぐにブツッという彼を縛り上げていた縄が切られた音が耳に届く。目をこれ以上ないほど見開いたボスに、シュエは立ち上がって手を差し伸べる。
「詳しく聞かせてもらうか。もうわらわたちに心が傾いておるじゃろう?」
「……ぐっ……」
からあげで心身ともに癒されたと判断し、縄を切ったシュエにリーズは咎めるように視線を鋭くさせた。
その視線に気付きながらも、シュエは彼に手を差し伸べ続け、根負けしたようにボスが手を取る。
「……本当に、不思議な方だ。我々の主があなたのような人だったら、こんな集団できなかったろうに……」
しみじみとつぶやくボスに、シュエは首をかしげた。
「リーズ、わらわはこれから、自分で決めたルールを書き換えるぞ」
「シュエ?」
シュエはリーズにそう宣言した。この旅に出るとき、人々の名を聞かないことにしていた。それは、旅先で出会う人々と長く付き合うつもりがなかったからだ。それともう一つ、別れを惜しまないようにと決めていたから。
海を渡る前の国ではそうしていた。
だが、ここまで関わってしまったからには、見過ごすわけにもいかない。
パシンッ、とよい音が響き、全員の視線がシュエに集まった。彼女はにんまりと笑みを浮かべて、彼らに話しかけた。
「さて、腹が満ちたら心に余裕もできたじゃろう? 早速話してもらおうか。この少年を狙ったものを――……」
静かなシュエの言葉が、室内に響く。大きくため息を吐く音が聞こえて、「……いいだろう」とボスの声が耳に届く。
「では、少年はなぜ暗殺者ギルドのものに狙われたんじゃ?」
「そいつが持っているアクアマリンを狙ったんだ。そのアクアマリンは、貴重なものだから」
シュエは少年に見せてもらったアクアマリンを思い浮かべる。あのアクアマリンには、なにか秘密があるのだろうかと、思考を巡らせているとリーズが視線を少年に落とした。
「貴重なもの、とは?」
「さぁ……、そこまではわからない。ただ、少年をアクアマリンとともに攫えという依頼があった」
ふむ、と小さくつぶやき、シュエはボスに近付いた。床に座っている彼と視線を合わせるためにしゃがみ込む。
「確か、匿名の依頼じゃったな? 依頼主はわかるのか?」
「……ああ、わかる。あいつはこちらを覚えていないようだったがな」
「うん? 知り合いだったのか?」
「まぁな」
どこか悔しそうに見えるボスに、シュエは彼をじっと見つめてから、小さなナイフを取り出して、彼に向けた。
びくっと彼の身体が震えたが、すぐにブツッという彼を縛り上げていた縄が切られた音が耳に届く。目をこれ以上ないほど見開いたボスに、シュエは立ち上がって手を差し伸べる。
「詳しく聞かせてもらうか。もうわらわたちに心が傾いておるじゃろう?」
「……ぐっ……」
からあげで心身ともに癒されたと判断し、縄を切ったシュエにリーズは咎めるように視線を鋭くさせた。
その視線に気付きながらも、シュエは彼に手を差し伸べ続け、根負けしたようにボスが手を取る。
「……本当に、不思議な方だ。我々の主があなたのような人だったら、こんな集団できなかったろうに……」
しみじみとつぶやくボスに、シュエは首をかしげた。
「リーズ、わらわはこれから、自分で決めたルールを書き換えるぞ」
「シュエ?」
シュエはリーズにそう宣言した。この旅に出るとき、人々の名を聞かないことにしていた。それは、旅先で出会う人々と長く付き合うつもりがなかったからだ。それともう一つ、別れを惜しまないようにと決めていたから。
海を渡る前の国ではそうしていた。
だが、ここまで関わってしまったからには、見過ごすわけにもいかない。
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